投稿元:
レビューを見る
全体的にとてつもなく面白かったけど、特に和食の学び方、教養としての「食」の楽しみ方に特に感銘を受けた。
本当に良いものに触れて、たまにでも贅沢=自己投資をして、テーマを立ててそれについて徹底的に考え抜く。そうやって感覚を鍛えていくことは、何にでも通じている気がした。
和食の進化を見ていく中で、さまざまな文化に広く触れることや、「枠」と「逸脱」のバランスの話などが出てきて、いちいち共感してしまった。
投稿元:
レビューを見る
20131231 日本人なら解るという前提はこれからどうなるのか?問題提起としても読める。味覚は文化なのだと思うほど、これからが 心配になる。
投稿元:
レビューを見る
食事に高いお金を払うことに正直抵抗があり、イベントで昼をまたぐ時には弁当を持参するなどしている。
でも、この本を読んで、自分では作れないくらいの本物の和食なら、お金を払ってでも、特に子供たちに食べさせた方が良いと思った。
投稿元:
レビューを見る
辻調グループ代表である辻芳樹氏が、和食そのもの、そして過去→現在→未来を語る本。日本の食文化は、特殊な国土の中で、世界の影響を受けながら徐々に形成されてきた。その特徴とはまず、季節ごとの食材としっかり向き合って、あらゆる技術を駆使し、その食材の真髄ともいうべき味を引き出していること。次に、その味を形成するものは醤油/酒/みりん/味噌など数少ないが、いずれも何百年にもわたって培われた技術により生まれた加工品であること。そして、そうした調味料とともに出汁が味の礎となって、常に一つ一つの料理を支え、食材の味を引き立てていること。世界の料理文化が「シンプルさ」を志向し、それは大きな潮流となって、和食に向かっている。一方で、日本ではその本質が伝承されているだろうか?この先も、和食は日本人のものであり続けるか?柔道のようになってしまわないか?
投稿元:
レビューを見る
辻調グループ代表による、“食べ手”視点からの和食ガイド。 世界に出て進化する現在・未来と、過去から積み上がった「和食」の歴史と伝統芸。 考えて食べる事で磨かれる味覚。『作り手』の本気を引き出す『食べ手』の向き合い方は学びとしたい。 国内の和食料理人は勿論、海外の一流シェフ達の粋なエピソードが、また味わい深い。
投稿元:
レビューを見る
辻調グループの代表。「食」「料理」に関するプロによる和食の考察。和食とはなんと範疇の広い料理分野だろうと感じた。確かにイメージとして「和食」とはこういうものだということは日本人であれば誰もが持っているだろう。しかし実際、和食というものは「懐石料理」というものから、日々家庭で食される家庭料理のようなものまで幅が広い。無形文化遺産に認定された和食はいったい今後どのような方向に向かっていくのか、世界の中での和食はこのままでいいのだろうか?このような考えの基、著者はこの本を書いている。
確かにプロにより和食の定義がされたとき、今人、気の和食が海外でどのように受け止められていくか、日本人にとっての和食と世界の中での和食が全く違うものになってしまう可能性もある。世界に受け入れられ、なおかつ日本人にとっても和食だと認知される食を日本は保持しながら、新しいものも作り出さなければならないのだろう。伝統と革新がどのように交錯しながら進歩していくのか今後の日本の食に注目である。
投稿元:
レビューを見る
世界遺産にも登録されたし、日本人として知っておくべきことも多いかなぁと軽い気持ちで手に取った。私達庶民には敷居の高いような高級店の話も多かったものの、その雰囲気や高級店なりの演出も学べたし、ニューヨークのなかの和食の位置付けなど海外との結び付きも知ることが出来たので、個人的には満足。色んな世界があるんだな。
投稿元:
レビューを見る
世界のあちこちで見られる「和食」。その多くは経営者が日本人ではないという。和食が異文化で成功するためのキーワードは「変換力」。変換・翻訳する力を持たずに力んだところで、所変われば伝わらない。天才なんかそうはいないしなれないから、新しい組み合わせで挑戦するしかない。料理、というか食い物屋については僕はあまり語りたくないが、そこら辺の発想はよいなあ、と思った。ところで帯に「世界遺産」って文字が思いっきり入っている(たりうる、だからいいのか?)。
投稿元:
レビューを見る
「和食の知られざる世界」近くの本屋でふと見かけたので購入し、読了。
辻調理専門学校の校長による、和食の世界の話。
和食が欧米人に受け入れられるまでの変遷、和食の歴史から和食の最大の特徴のである出汁について、どこまでが和食かハイブリッド和食から首をかしげる和食まで、そのほか卓越した料理人たちについてなど、新書の割に内容は盛りだくさんで興味深い。
なぜ、和食が世界遺産になり得るのか。和食の良さも欧米諸国のヘルシー志向にマッチしたから受け入れられているに過ぎないようにも感じる。やはり、おいしいものはカロリーが高いという原則に反する。出汁、そして素材を生かすという考え方が和食独特なように思う。「土の中から出てきたものをそのままおいしくいただく」というフランス人シェフの和食に対する感想がポイントなのかもしれない。
たまにはおいしいものを食べに出かけたいと思わせる。
それにしても、著者のセレブ臭さは少々気になる。
投稿元:
レビューを見る
辻調理師専門学校、辻調グループ代表の著者は今、世界が賞賛する「和食」の未来に大きな希望と一抹の不安を抱いている。歴史的変遷から、海外での成功例や最先端の取組みまで、世界の食を俯瞰的に見つめ続けてきた著者が綴る、和食の真実。
ユネスコ無形文化遺産に指定され、世界から注目される和食に私自身も今とても興味を抱いている。著者は料理界の最前線で活躍されており、広い視野を以て“世界の中の和食”の存在を考えている。「海外で和食が流行している」程度しか知らなかった私は、和食が海外の食文化と見事に融合し、更なる進化を遂げていることにただ驚くしかなかった。料理の最先端の地では、日々刺激的な試みが行われている。本書には写真もなく、著者の描写からしか伺うことができないが、海外の文化に「変換」された和食はどれも意外な工夫が施されていてとても興味深かった。“日本の食”から“世界の食”へと進化している和食から、やはり目が離せない。
著者は和食が異文化で成功するためには「変換力」が必要だと述べている。それは、日本の和食の料理をそのまま海外で提供するのではなく、現地の人々の味覚、現地の食文化や習慣にまで着目し、和食の本質は維持したままで現地の人々に受け入れてもらえるよう、和食の形を変化させることである。この「変換力」は和食のみならず、何かを進化させたり、新しいものを生み出したりするために必要なプロセスであると思う。その為にはまず物事の本質を見極めることが重要である。新たなものを創造することばかり考えていると、そもそもの本質の追究が疎かになってしまう。何かを生み出したい時こそ、今あるものをしっかり見つめることが大切なのだと思った。
投稿元:
レビューを見る
辻調理専門学校の校長である筆者が、
和食は世界でどのような立ち位置であるのか、
世界でどのような形になっているのかを教えてくれている作品。
ただし、筆者の目線は高級和食の部分だけでした。。。
育ちがよかったのかもしれませんが、
少し自分は和食の最高峰を食べ続けてきた的な雰囲気が
最後まで漂います。
あと、海外で進化した和食は和食でないというスタンスでもありました。
個人的には、イタリアンや中華が日本で独自に進化しているのと
同じような気もするのですが。。。
世界に和食が様々な形で広がっている中で、
伝統的な部分を守ろうというスタンスは、ぜひお願いしたいですが、
もう少しカジュアルに食べられる和食、
日本人が和食を知る(食育)とかもやってほしいな~とも思います。
まあ和食の世界から見た一側面を知ることのできる作品です。
投稿元:
レビューを見る
著者は、米カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ、仏ル・コルドン・ブルーとともに世界三大料理学校とされることもある辻調理師専門学校の校長(二代目)である。
本書は2013年12月に出版されているが、ほぼ同時期に発表された「和食」のユネスコ無形文化遺産への登録に先駆けて執筆されており、和食の素晴らしさを語るに留まらず、和食の未来に対する著者なりの懸念を背景に、今後さらに異文化の人々に受け入れてもらうためには如何なる取組みが必要かという観点から、和食について論じている。
著者は、世界に出て行った和食は大きく、1.ギミック和食(カリフォルニアロールのように、「和食っぽい素材」を活用し、「和食っぽい見た目」だが、完全に海外の味覚に合わせており、和食の本質的な魅力や日本人の感覚からは外れたもの)、2.ハイブリッド和食(日本の料理技術や食材の使い方に影響を受けて、それを外国料理の文脈の中で表現することによって生まれた料理)、3.プログレッシブ和食(和食の素材、和食の本質的な魅力を活かしつつも、新しい素材や手法も取り入れることによって、異文化の中で、その民族が好む味や食感に合うように作り出された料理)、のいずれかに変容しているという。
また、そもそも「和食の本質(独自性)」とは、
◆季節ごとの食材としっかり向き合って、あらゆる技術を駆使し、その食材の真髄ともいうべき味を引き出していること。
◆その味を形成するものは醤油、酒、みりん、味噌など数少ないが、いずれも何百年にもわたって培われた製法により生まれた加工品であること。
◆そうした調味料とともに出汁の味が礎となって、常に一つ一つの料理を支え、食材の味を引き立てていること。
であるとし、それを見事に表現する料理人・店として、東京・青山の『NARISAWA』、京都の『草喰 なかひがし』、東京・銀座の『壬生』などについて詳しく述べている。
そして、和食が目指すべき道のひとつとして、自ら「プログレッシブ和食」に挑戦した、米国を代表するフランス料理シェフのD.ブーレイ氏と共同でニューヨークに作った懐石料理店「ブラッシュストローク」の試みが語られる。
私は自分の海外駐在の経験から、異国において日本の相応の料理店と同じ水準の和食を(相応の価格で)再現することの難しさは実感するが、「異文化の中で成功するために、和食をいかに“変換”させるか」という著者の取り組みは、「ことば」に次ぐ文化ともいえる「食」に関する究極の挑戦でもあり、とても興味深いものである。また、どこまでが和食と言えるかを突き詰めることにより、和食の本質を明らかにしている点においても意義ある書と思う。
(2015年9月了)
投稿元:
レビューを見る
和食が世界に広がる中、どんどん和食が変わっていっていますよね。そんな中、そもそも和食ってなんだろう?という難しい問題を歴史や料理手法の観点から見なおした本です。でも、和食ってなんだろう?って問いはこれからも議論になりそうな気がします。
投稿元:
レビューを見る
要らんわー、この本。
つか、この人の言う和食って、和食道と言っていいかというか、伝統として後世へ伝えるべき、花道とか、茶道、古流武術とか伝統工芸みたいなもんだな。
日本人だから「和食」の良さを理解すべきだ。
そうありたいとは思うけどね、所詮はというか、オタクが趣味を突き詰めていっちゃったものに、付き合えない。
毎日食えるものがそれなりに美味しければいい。
こういうのを楽しめるのは、贅沢ななろうね。
投稿元:
レビューを見る
壬生 行ってみたい・・
和菓子は江戸時代からあるもので洋菓子は明治以降のくくりであるというのはこの本を読んで知った。中国からもともときたもので日本独自に発展したものは食文化でもかなり多い。
お椀に対する意識と料理人に積極的に質問する姿勢を。