紙の本
フィギュア少女の成長を見守りたい
2010/03/13 09:21
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
冬季オリンピックで盛り上がったフィギュアを
題材にしたタイムリーな小説です。
フィギュアの本場、名古屋に
引越してから始めたにもかかわらず、
主人公の朱里は、二年半で
ダブル・アクセルを飛べるようになり
さらにスケートに熱がこもります。
しかし、それ以外のジャンプができず
5級に進級できないでいます。
このフィギュアの級やクラス分けは、素人には難しい。
たまに耳にするフィギュアの話題でも
理解できずにいましたが
本書でようやくわかってきました。
級によって参加できる大会が決まっているのです。
6年生で5級に進級できないと
この先、選手としてやっていくには難しく
お金や勉強の問題もあり
両親と、愛知県大会で3位以内に入らなければ
フィギュアをやめるという約束をしています。
フィギュアを続けることのさまざまな問題や
子どもの才能、スポーツの残酷さなど
リアルな題材を的確に入れながら
手堅く、朱里の成長を描いていきます。
彼女をとりまく友だちの存在が
また今のフィギュアの世界なのでしょう。
男子は少ないためと競技の性格上、優しい人が多く、
女子は競争が激しく、勝気な性格でないと生き残りが難しい。
また朱里の親友、彩音はすでに全国大会クラスの選手で
将来も有望、家庭の経済力もあり両親も協力的。
理想の環境を手にしながら
朱里ともいい友だちです。
そんな親友をうらやむでもなく、
自分のやるべきことに必死に取り組む朱里を
いつの間にか応援しています。
また彼女には、先にスケートを始めた姉がいますが
名古屋に越してからはお金のためにスケートを諦めています。
その二人の折り合いもまた、この小説の大きなテーマ。
きれいごとすぎるきらいがありますが、
これはこれでひとつの解決なのでしょう。
紙の本
フィギュアスケート小説!舞台は名古屋!
2013/04/22 11:24
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
もっぱらスポーツは観る専門の私。冬のシーズンはもちろんフィギュアスケートに注目です。
今シーズンは終了間際に、なんと驚きのニュースが入ってきました。
なんと浅田真央選手が、次のオリンピックで引退…。えっっっっっ、そんな真央ちゃん、早すぎる。
同じ想いの人は多いと思います。
で、今回、手にとってみたのが、ズバリ、フィギュアスケート小説。
名古屋を舞台に、スケートをする姉妹を中心に話は進んでいきます。
「小学校のいまでこれだったら、中学でもっと勉強が難しくなったら、学校の勉強について行けなくなるがね。勉強とスケート、どっちが大事なの。瑠璃ちゃんだって勉強を頑張るためにスケートあきらめたでしょ。あんたも、ほどほどにしなさい」
「だけど、朱里はスケートもっと頑張りたいんだわ。早くみんなに追いついて、ブロック大会にも出たいと思っとるし」
「同じ頑張るなら、勉強の方で頑張りゃあ。スケート並みに頑張ったら、あんた、名大だってどこだって入れるがね」
スケートを続けたい妹、あきらめた姉、できればスケートよりは勉強をして欲しい両親、孫のスケートを応援したい祖父母。
ぽんぽん登場する名古屋弁がまた魅力的。名古屋に住んだことのある私は、地名が出るたびに、またより楽しめました。(●^o^●)
スケート練習の実情、級のさまざまな仕組みも分かりやすく、すんなり読みこめました。
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前々から読みたいと思っていた1冊です。フィギュアを通して成長していく主人公が可愛い。終盤でインフルエンザになった時、お父さんに言われたことを忘れずに次に進んでほしいと思います。続編、いつ出るのかな
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朱里がスケートに夢中になり、、バッジテスト5、6級に合格するまで。家族の愛情、特に姉瑠璃の想いは切なかった。スケートするって大変な事だとよく分かる。
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もともと、内田先生のミステリー文学賞がらみで買った雑誌の広告にこの本の紹介があった。スケートの話というのも珍しいので、取り寄せしてもらって読んでみたのだが、とても丁寧な取材をして書かれているようで好感が持てたし、主人公の成長物語でもあり、親子・兄弟の葛藤もあり、予想以上に素晴らしい話で、最後は泣けた。すっかりこの作者のファンになってしまったので、他の作品も読んでみたい。
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碧野さんのシンプルな文体と、緻密な取材の元、フィギアのウラの世界が明るく描かれており、共感を持って読み進める事が出来た。スケートブームに湧く今の世相を反映する事も書かれている。
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これから始まる!っていう時に終わってしまったような感じがして、何だか物足りない印象。
佳菜ちゃんや、幼い頃の真央ちゃんを重ね合わせて読んだ。これからの主人公のフィギュアスケーターとしての成長を見守りたい。
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名古屋が舞台の フィギュアスケート物語。小学高学年〜中学生(ノービス世代)の女の子が両親の反対を押し切ってスケートを続け、少しずつ才能を開花させていく…ってお話。なんつたってバンクーバーオリンピックにフィギュアスケート選手を3人も輩出しているんだから、愛知県は。すごいすごい!どうして愛知県がフィギュア王国なのか、って疑問も解決するし、何よりトリプルアクセルとトリプルルッツの違いがわかってオリンピックが100倍楽しめること請け合い!!
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名古屋が舞台のフィギアスケートの話。プロローグではフィギアスケートをするきっかけから話は始まり、第一章はその2年後。県大会で3位までに入らなければフィギアスケートを辞めなければいけない。才能もあり、努力型の主人公です。技だけではなく、精神面も成長していく物語です。トップアスリートになれるのはほんの一握りでなれない人の方がほとんどで、分かってはいてもなれない人(クラブメイトの譲や珠紀)の方に思い入れてみたり。主人公の地道な練習や突き進んでいく強さ、そして試合ではなくとも最高の演技が出来る事に感動を覚えました。普段はしないのですが、初めにざっと内容を確認してからもう一度読みました。それだけ引き付けられたのかな??この続編書いてくれないかなぁ。
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少女の青春。この年齢でこそのまっすぐさがいいですね。
こういう風に生きられたらいいな、と思います。
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(No.11-90) フィギュアスケート小説です。
紹介文をオビから転載します。
『名古屋でフィギュアスケートに打ち込む小6の竹中朱里。だが、レッスン費用がかさむスケートをやめさせたい両親に「バッジテストで5級に受かるか、県大会で3位以内に入らない場合はクラブを辞める」という条件を出される。
バッジテストに落ち県大会でも大きなミスをし、絶体絶命の朱里にスケート連盟からある提案がなされて・・・・。
夢はトリプル・アクセル!氷上の妖精にあこがれ、熾烈な競争をくぐりぬけていく少女たちの日々を活写。
フィギュア王国・愛知県を舞台に描く、書き下ろし青春小説。
綿密な取材に基づく、リアルなフィギュアスケート小説ここに誕生!』
そもそもレッスン費用がかかることが分かっていて、なぜこの両親は娘にフィギュアスケートを習わせたのか?これが上手く説明できているので、違和感なくこの小説に入り込めました。
最近の、子供が出てくる小説では、イジメとか虐待とか家庭不和とかが底に流れることが多くて、話に感動しても辛い気持ちになることがあります。この小説にはそういうことは出てきません。
友達との喧嘩、両親やきょうだいとの言い争い、などもありましたが、元々はとても普通の仲の良い家庭です。父方、母方、それぞれの祖父母とも良好な関係で、こういうのっていいよね~と嬉しくなりました。
朱里には瑠璃というお姉さんがいます。元々瑠璃がスケートをやっていて朱里も習い始めたのですが、二人にレッスンを受けさせていることが、家庭にとって大変だということが分かって、瑠璃は自分から才能に見切りをつけて辞めたのです。
誰が強制したのでもないのですが、母はこのことをとても気にしています。二人の娘を平等に扱いたいので、朱里に甘くは出来ないと思っているのです。
瑠璃の微妙な気持ちも描かれていて、そのあたりは読み応えがあります。
以前は別々に住んでいたのですが、父親の転勤で父方の祖父母と同居する時に、子育てについては両親に任せる、お金も口も出さないと決めました。少しはゆとりがある祖父母ですが、その取り決めは守っています。でもここぞ!という時には、「そのくらいやらせて欲しい」と両親を説得するおばあちゃん。勝手にやらずに、おばあちゃんにとってはお嫁さんである朱里のお母さんが納得してから、というのがいいなと思いました。
それは別に住んでいる母方の祖父母も同じです。何か特別に援助したい時には、まず両親を説得します。
両方の祖父母とも援助したいポイントは他人が絡んできたとき。普通の競技会では、衣装がしょぼくても口出ししないんですが、特別に演技会に出させてもらうことになった時には「孫娘に素敵な衣装を着せたい!」とおばあちゃんは頑張ります。
ブレードを譲ってくれた人がいて靴が必要になった時、もう少し待たせようとする両親に対し、「せっかく下さったのにすぐに作らないなんて失礼だ」と主張するおじいちゃん。
このあたりリアルだわ~。他人が絡んでくると、「やっぱりうちの孫は」と自慢したくなるのよ祖父母は。
クラブの仲間の様子、先生��ちの教え方、他のお母さんの態度、すごく臨場感があって知り合いから話を聞かせてもらってるようでした。
努力できるのも才能、朱里ちゃんを応援したいな。
とっても面白かったです。
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フィギュアスケートに打ち込む主人公を描いた青春もの。
名古屋が舞台なので、地名も身近で面白い。作者も名古屋出身だそうで、違和感ない名古屋弁のセリフにも納得。
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フィギュアスケートに夢中になる少女の話。
フィギュアスケートに興味がある人にはなかなか面白い。ジュニアのステップアップシステムやフィギュアを取り巻く環境がわかりやすく物語に組み込まれてるので。
たくさんの人に取材して書いたようなので、現実に近いのではないかと思う。
その代わりフィギュアに興味なければ他のスポーツものを読んだ方がいいと思う。
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朱里のまっすぐさや強さに惹かれます。
姉・瑠璃を始めとした家族も丁寧に描写されているなと感じました。
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娘の読書用に借りてきてあげた本を先読み。そして完読。
子供の可能性とか、努力とか、指導のスタイルとか、親目線で読んでいる自分がいました。
子供向けを意識してるのだろう、人間関係の描写などに鋭く深い踏み込みをしないように、程良い所で留置いてる気がした。普段読んでるような小説なら、もっと掘り下げているだろうなと。これは、悪い意味ではなく、児童文学の範疇を守ってる良作のような感じをうけます。
フィギュアスケートの「動」の描写もわかりやすく、すこぶる爽快でした。
小4の娘には想い描けるのかちょっと心配。