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陰陽師(12)
真葛が産んだ吾子に数の神秘を説く「安倍晴明 天の珠を得ること」、身命を賭して言祝いだ新造内裏に赴く「帝 新造内裏へ遷御す」、新嘗祭で重要な役を務める少納言・藤原兼家が何者...
陰陽師(12)
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陰陽師 12 天空 (Jets comics)
商品説明
真葛が産んだ吾子に数の神秘を説く「安倍晴明 天の珠を得ること」、身命を賭して言祝いだ新造内裏に赴く「帝 新造内裏へ遷御す」、新嘗祭で重要な役を務める少納言・藤原兼家が何者かに攫われる「藤原兼家 新嘗祭に於いて 自ら神饌をつとむ」、大納言・源高明と小納言・藤原兼家に呼び出される「安倍晴明 火珠と方諸を手に入れること」の4編、そして遂に不死の白比丘尼が道満法師として、海より復活し晴明と対決することとなる衝撃の最終章に突入!!
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紙の本
位相は新月に至り
2005/08/12 09:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Laylah - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史上の政敵にして物語上の「結論」である、道満との対決に向かうクライマックス。読んでいると残りページの少なさにはらはらさせられますが、大丈夫、あと1巻出るそうです。
巻数を重ねるごとに難解さを増していた感がありましたが、この巻ではさすがに終盤だからか、晴明が心地良く語る薀蓄の内容は始原的なものに立ち戻り、ちょっとだけわかりやすくなっているのがありがたい(笑)
唐突にエジプトやギリシアのエピソードが入ってくるので最初はぎょっとしますが、読んでみると、それは晴明の置かれた状況を別の語り口で描いたものとなっており、安心して「ああ、こういうことだったのか」と頷くことができます。そのあたりも前の数巻に比べて格段に親切設計。
同時に、その二国での登場人物が辿った運命は、今後の展開への悲劇的な予言となっており、これまた読者ははらはらさせられます。
何せ、史実でも物語上の理屈でも晴明生還は確実とは言え、道満があんなことになっちゃってる以上、作者がどこまでこの物語をかっとばす気なのか想像がつかない。
終局に向かってダイナミックさを増す展開の中、この巻単独での見どころは数え上げると尽きませんが、やはり道満登場のシーンは出色かと。そして、こちらの心臓まで射抜かれそうな、月の船到来の知らせのシーン。ここでは詳しくは語れませんが、漫画という媒体はここまで出来てしまうのかと、鳥肌が立つほどです。
源高明と藤原兼家の対立を通して、政局というもう一つの視点から語られるストーリーラインも物語を奥深くしています(作中では、占も術も政に含まれるのですが)。
小難しいことをこまごまと並べましたが、要は、どのキャラクターも非常に魅力的です。各々の思惑の絡み合いが、次巻でもう見られなくなってしまうのが惜しいくらい。
秋に出るという最終巻が待ち遠しいような、勿体無いような。
それまでの間、既刊を読み返してみるのもお勧めです。思わぬエピソードが実は伏線となっていたりして、新たな発見に驚きました。
この書評の筆者は、残念ながら幾何学にも陰陽道にも明るくはありません。ですので、この漫画の面白さのうち、まだまだ多くの部分を取りこぼしていると思われます。
それでも、タロット(特にI「魔術師」のカード)や月の位相についてのちょっとした予備知識のおかげで、より細かい部分も楽しめたような気がしますので、入門っぽいおすすめ本をご紹介しておきます。
「月からのシグナル」根本順吉、ちくまプリマーブックス
「黒魔術の手帖」澁澤龍彦、河出文庫
「神道用語の基礎知識」鎌田東二、角川選書
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クライマックスへ
2020/12/15 20:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ao - この投稿者のレビュー一覧を見る
常に掴み所のなかった晴明でしたが、未来への焦燥感に苛まれながらも、妻子への晴明なりの想いが見えた巻でした。晴明の親バカな寝物語と博雅のおとぼけ発言には久々にクスッとしましたが、シリアス路線は変わらず、随所で不穏な空気を感じます。また、他国の話の描写が今まで以上に多く入るので、以前から横文字が多々使われているのにも違和感を感じていたのですが、ガッツリとした描写に???となりました。原作の小説は未読なので、忠実に描かれているのかオリジナルなのかはわかりませんが、個人的には内容がリンクしているにしても違和感の方が大きかったです。ただ、陰陽師の漫画である事を切り離して考えると、その描写自体は美しかったと思います。