商品説明
廃藩置県に揺れる琉球。多くの士族が職を失う中、旧来の身分・王制に固執する頑固党と、新体制を求める開化党の対立が深まっていた。高級士族・喜屋武家で育った朝徳は、父から“手”の指導を受けていた。最初は義務感しか抱いていなかったが、次第にその魅力に取りつかれていく。勃興する東京でも暮らし、謂れなき誹謗中傷にも晒された漢が、沖縄に還り、修行を続けるうちに辿り着いた境地とは――。
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紙の本
己を修めるための「手」
2021/04/02 11:44
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
従兄の本部朝基と違い、ひ弱だった子供が「手」に目覚め本部と並び称される名人となる話と言ってしまえば簡単な話だが、一度は身を持ち崩したり、妻と駆け落ちしたりと中々波乱万丈な人生。
本部と並び称される掛け試しの名人とも称されるが、「手」は本部とはまた別の技。己を知り、自分の力の取りどころから切り開いていった「手」。
一方で、本部と同じく「手」に対する本質を見極めて本具と理解しあっている。
「義珍の拳」での船越義珍と同じ不安や悩みを覚えつつも尾、「手」を伝えようとしていく姿と修業に熱いものを感じる。
最後に「手」は己を修めるためのもの、師の武士松村からの「平和のために武」があるとうい境地にたどり着いた。
心道流の座波仁吉氏が「「己に勝つ」「争わずに勝つ」と言われたそうだが、共通する部分を感じた。