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陰の声 重蔵始末(五)長崎篇
著者 逢坂剛
長崎奉行手附出役(てつきしゅつやく)として、天領・長崎で縦横無尽に事件解決に当たる近藤重蔵。そんな重蔵の前に現れたのは、江戸の地で最愛の人、音若を無残にも殺した仇敵りよだ...
陰の声 重蔵始末(五)長崎篇
陰の声 (講談社文庫 重蔵始末)
商品説明
長崎奉行手附出役(てつきしゅつやく)として、天領・長崎で縦横無尽に事件解決に当たる近藤重蔵。そんな重蔵の前に現れたのは、江戸の地で最愛の人、音若を無残にも殺した仇敵りよだった! りよはなじみの悪党・喜兵衛の一味と行動を供にし、長崎でも悪事の限りを尽くす。重蔵は音若の仇を討つことが出来るのか。傑作時代小説シリーズ第5弾。
目次
- 第一話 かどわかし
- 第二話 仇敵
- 第三話 おとり
- 第四話 島抜け
- 第五話 陰の声
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どうも、1年半の長崎勤務が終了して、蝦夷地へ舞台を移すために、急遽というか少々無理した幕引きのように感じた。
2016/12/07 00:50
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あっという間に「長崎編」も後半に突入である。予想通り、抜荷(密貿易)とそれを組織的に推進する“薩摩”との事件が殆どであるが、何と2話「仇敵」で、江戸で“音若”を殺害した女盗賊・“りよ”が登場してくる。「重蔵始末」というシリーズ全体の中で、この女盗賊・“りよ”の位置づけは不明。この女盗賊・“りよ”という登場人物が何時から出てきたかは定かではないが、「重蔵始末(三)」ではかなり詳しく記述されている。その素性は、広域盗賊団の大元“音無しの喜兵衛”(正体は不明のまま)の手下とみられ、元々は<みよしの>の宿場女郎“りよ”もしくはその身分を隠れ蓑にしていたらしい。更に、与力・近藤重蔵の配下である根岸団平(岡っ引?)と過去に何らかのしがらみがあるらしいのだが、何故、重蔵に対して執念ともいえる憎しみを抱いて付きまとうのかはまだ不明。
さて、抜荷(密貿易)を通じて“薩摩”(島津重豪=上総介)の手下となって甘い汁を吸おうとしていた“音無しの喜兵衛”一味であったが、“薩摩”(島津重豪=上総介)の頭は世界という広い視野に立っており、悪党一味はあくまでも必要な時に使い切れば邪魔な存在にしかならない。重蔵に暴かれそうになった抜荷(密貿易)の関係者を始末させたうえで、“薩摩”(島津重豪=上総介)によって切り捨てられてしまう。団平を囮にして重蔵を亡き者にしようとした“音無しの喜兵衛”一味であったが、喜兵衛・りよ・小弥太は逆に重蔵に捕えられ、11人いた手下どもは“薩摩”の一党によって殺されたり捕らわれてしまう。“りよ”は重蔵の鞭で顔に酷い傷を負わされてしまう。
どうもあっけない幕切れにちょっとがっかり。どうも、1年半の長崎勤務が終了して、蝦夷地へ舞台を移すために、急遽というか少々無理した幕引きのように感じた。なお、最後にこれまで陰の存在であった“薩摩”(島津重豪=上総介)が表に登場してくるが、続く蝦夷編でも関わって来るのだろうか。また、しぶとい“りよ”のことであるから、当然脱獄して重蔵を追ってくることになるのでしょうね。