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レビューアーランキング
先月(2017年2月)

ナミさんのレビュー一覧

投稿者:ナミ

325 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ユダの覚醒 上

紙の本ユダの覚醒 上

2016/11/23 00:59

今回は、ゾンビ・ドラキュラに通じる謎でした。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今回は、ゾンビ・ドラキュラに通じる謎でした。歴史的事実と科学知識の謎とを巧みに融合した期待を裏切らない活劇がますます冴えてきます。シグマフォース側の主役たちが窮地に陥るのは毎回のことではあるが、今回はシグマ隊長グレイ・ピアースの両親までもがギルドの人質にされるという絶体絶命の窮地である。一方、ギルドのスパイが世界各国の主要組織に潜入しており、過去にはシグマとその上位組織であるDARPAの幹部にまで潜入していたことがあるが、今回もバチカン教会内部に潜入しており、加えて今回の事件の切っ掛けがギルドの冷酷な女性工作員であり過去に何度もグレイに痛手を負わせているセイチャンがギルドの同僚工作員に追われて助けを求めて来たところから始まるので、話は実に複雑な様相を呈してくる。さて、今回の楽しみは、『東方見聞録』を残したマルコ・ポーロの探検から派生して、シアノウイルス・ユダの菌株といった異常に高い致死率の伝染病の謎・治療法・発生源を調べて、マルコ・ポーロの航路を辿っていく謎解きは「天使の文字」と合わせて推理小説好きにはたまらない。今回は、科学的謎の組み合わせよりも、歴史的・考古学的な謎の組み合わせの方が多かったように感じた。事件は解決したが、多くの犠牲者や事後処理の問題が残っている。まず、人食いイカに海底へと引きずり込まれたシグマ隊員モンク・コッカリス(以前の事件で左手首から先を失い現代科学の粋を集めた未来型義手を着けている:キャットの夫)の遺品となった義手が埋葬直前にSOS信号を発していることにグレイが気付くことで生存を期待させる一方、伝染病に感染しながらも抗体を作ることで伝染病のワクチンを提供して人類の危機を防いだ海洋生物学者スーザンはこの奇病の原因であるウイルスの意志?に従ってウイルスの故郷で永い眠りにつくことになる。一方、今回の事件の発端となり、謎めいた行動を続けるセイチャンは、シグマの意図の下で事実上逃亡を容認されるが、逃亡する際にグレイに自分はギルドのトップを暴くためのスパイであると告げる。むーー、これも結末が気になる。しかし、続くシリーズ5『キルトの封印』ではどうもセイチャンの登場は無いようである。
なお、本書では、巻末に「著者あとがき 事実かフィクションか」と題した短文があり、小説中のことがらの「検死解剖」=「事実の部分とフィクションの部分の区別」を行っているが、本作では主な題材ごとに項目立てして解説しているのが初めてのこととして注目される。著者が、「小説の持つ信憑性は、話の中で提示された事実を反映するものである。・・・・・・たとえフィクションであっても、事実を見据えた上で書かれる必要がある。本書に登場する美術品、遺跡、・・・・などは、すべて実在する。・・・・・・・歴史的出来事も、すべて事実である。本書の中心となる科学技術も、すべて最新の研究と発見に基づいている。」(『マギの聖骨 [上]:The Sigma Force Series 1』(竹書房文庫、2012年7月5日、竹書房)より)

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紙の本

プラチナタウン

紙の本プラチナタウン

2016/11/08 23:54

言葉通りの「一気読み」の面白さでした。

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言葉通りの「一気読み」の面白さでした。日本を代表する四井商事の部長・山崎鉄郎は、縁故入社が決まっていた会社幹部の親戚を不採用にしてしまったことから、左遷の憂き目に。この出だしからして笑える。そんな時、故郷の町が巨額負債を抱えて財政再建団体に陥る寸前となる。窮した町が考え出したのは、大手商社の部長職にある山崎に町長として活性化策を考えてもらうこと。そして、妙な行き掛かりに酔った勢いもあり、何時の間にか選挙活動もなしに町長になっていたのである。またまた笑えます。しかし、町長になって実際に見た町の状況たるや惨憺たるもの。こんな町、再生できる訳ないだろと思うのだが、そこは小説であり、著者の腕の見せ所と言うことで、何と8000名規模の高齢者専用の町を作り上げてしまうのである。まあ、話しは上手すぎるよねという気がしないでもないが、地域再生の一つの発想として実に面白いし、何よりも左遷されたことに始まる逆転劇が実に爽快である。

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紙の本

地底世界 サブテラニアン 上

紙の本地底世界 サブテラニアン 上

2016/11/08 11:46

文句なしの冒険活劇でした。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

文句なしの冒険活劇でした。文庫本の帯に書かれた宣伝文句が、実に本書の面白さを的確に伝えていて面白い。上巻の帯、「戦慄の南極洞窟アドベンチャー!(上巻) 息を呑む圧巻のデビュー作(下巻)。怪奇(スリラー)、恐慌(パニック)、怪物(モンスター)、恐怖(ホラー)、冒険(アドベンチャー)、科学(サイエンス)・・・・・・・。この男、いきなり手抜きなしのフルコース!」。
 物語は、南極大陸の地下に巨大(北海道や日本がまるまる入りそうな大きさらしい!)な洞窟が発見され、そこから発見された人類発生以前の遺跡を調査するための調査団が派遣されところから始まる。しかし、この調査団は2回目で、1回目の調査団は何故か行方不明のままなのだ。さて、何が出てくるのかと期待していると、上巻も中ほどでワニの恐竜みたいな“クラッカン”と呼ばれる怪物が出現。あとは期待通りの怪奇(スリラー)、恐慌(パニック)、怪物(モンスター)、恐怖(ホラー)、冒険(アドベンチャー)、科学(サイエンス)のてんこ盛りである。この著者を知ったのは、世界的に有名になった「シグマフォース」シリーズであったが、本書が著者の長編冒険活劇の事実上の第一作だという。日本で出版されている彼の著作の最後に処女作品を読むことに成ろうとは思ってもいなかった。
 さて、南極と見て直ぐに思い出したのが、北極海を漂う氷島(実は60年ほど昔にソ連が運営していたが何故か放置された秘密研究施設)を舞台にした、ジェームズ・ロリンズ『アイス・ハント(上・下)』(扶桑社ミステリー、2013年6月23日、扶桑社)だった。こちらは純粋に科学的技術を巡っての米ソ軍の対決であり、本書と合わせて読んでみると面白い。

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紙の本

巨鯨の海

紙の本巨鯨の海

2016/03/20 00:21

ナミ

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和歌山県太地町を舞台とした、江戸末期から明治初頭(最終章が1878年(明治11年)暮れの“大背美流れ”事件である)に至る、捕鯨の町の一大叙事詩ともいえる作品。当時の捕鯨に関わる詳細な記述もさることながら、人々の暮らしや因習、厳しいしきたり等をも描いた力作である。また、生身の人間としての人々の姿も実に鮮明に描かれている点も見逃せない。数々の賞に輝いたのがうなずける作品でした。
 和歌山県太地町を舞台とした、江戸末期から明治初頭(最終章が1878年(明治11年)暮れの“大背美流れ”事件である)に至る、捕鯨の町の一大叙事詩ともいえる作品。当時の捕鯨に関わる詳細な記述もさることながら、人々の暮らしや因習、厳しいしきたり等をも描いた力作である。また、生身の人間としての人々の姿も実に鮮明に描かれている点も見逃せない。数々の賞に輝いたのがうなずける作品でした。


大背美流れ(おおせみながれ) <P-421>
1878年(明治11年)暮れ、アメリカなどの列強による鯨の乱獲などの影響で、漁師は近年にない不漁による経済難から、荒天の中、鯨捕り(古式捕鯨)に出漁して遭難し、一度に100余名(本書の解説では135名と具体的な数字が記載されている)が死亡・行方不明となった惨事。この件により労働力を失った太地は、一気に疲弊、古式捕鯨は事実上壊滅し、後に近代捕鯨へと切り替わるきっかけとなった。

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紙の本

おばけのマールとふしぎなかがくかん

札幌在住で活躍する作家のシリーズ第6作。

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札幌在住で活躍する作家のシリーズ第6作。本州に居る孫娘に札幌のことを印象付けたい思い出選定。本シリーズの「おばけのマール」は孫娘にも既に馴染みのキャラクターであり、非常に好評であった。引き続き新作出次第読ませたいね。

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紙の本

おばけのマールとおかしなとけいだい

孫娘にも既に馴染みのキャラクターであり、非常に好評であった。

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札幌在住で活躍する作家のシリーズ第5作。本州に居る孫娘に札幌のことを印象付けたい思い出選定。本シリーズの「おばけのマール」は孫娘にも既に馴染みのキャラクターであり、非常に好評であった。引き続き新作出次第読ませたいね。

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紙の本

なぜ?どうして?1年生 たのしい!かがくのふしぎ

本書も孫娘にと思って送ったら、何と母親が夢中になってしまったとは。

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本書も孫娘にと思って送ったら、何と母親が夢中になってしまったとは。様々な事柄を、実に平易な表現で判り易く纏め上げているので、確かに大人でも十分楽しめるとは思ったが。実際、自分自身も本屋で立ち読みしてかなり楽しんでしまったです。

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紙の本

おばけのマールとまるやまどうぶつえん

札幌在住で活躍する作家のシリーズ第1作。

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札幌在住で活躍する作家のシリーズ第1作。本州に居る孫娘に札幌のことを印象付けたい思い出選定。絵:なかいれい『おばけのマールと ふしぎなかがくかん (シリーズ6)』(文:けーたろう、2014年4月21日、中西出版)を先に読ませたため、孫娘にも馴染みのキャラクターであり、非常に好評であった。

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紙の本

あんず花菓子

紙の本あんず花菓子

2016/12/13 11:10

一大転換期の作品ですね。ラストで、おき玖が結婚してしまうのだから。

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一大転換期の作品ですね。ラストで、おき玖が結婚してしまうのだから。相手は、南町常町廻り同心・伊沢蔵之進ということで、これはマンネリ化した構図を一新する目論見と見ました。
第一話「高輪御膳」では、徘会の出張料理のために出向いた高輪・加嶋屋で、天誅浪士組を名乗る5人組に襲われ、徘会参加者・おき玖とともに囚われてしまう。この5人組、白昼堂々と覆面もせずに押し入っており、人質を生かしておく気持ちなどないことは明白。季蔵・おき玖ともに絶体絶命の危機である。この5人組は明らかに黒幕に大金で雇われた寄せ集め集団であり、20年程前の連続殺人事件の下手人を引き渡せなどと不思議な要求を出してくる。北町奉行・烏谷椋十郎は南町常町廻り同心・伊沢蔵之進の協力を得て事件解決に成功するが、黒幕はまだ不明である。
 第二話「名残り魚」は、クロダイの料理の話のみで事件は無し。昔はクロダイが取れ過ぎて、しかも鮮度落ちが早く、臭みも強いということで下魚扱いされていたとは驚き。
 第三話「あんず花菓子」では、青田庵女将・おはると「杏」取り引きとの関連が明らかとなり、一気に青田庵女将・おはるへの疑惑が深まるが・・・・・・・・・。
 第四話は、全ての謎解きであるが、疑惑の青田庵女将・おはるはあっさりと殺されてしまう。途中、淡々と進んだ一話だけに、複雑に入り組んだ種明かしは良く考えたなと感心しました。謎解きものとしては、実に良く出来た作品でした。なお、青田庵女将・おはるは善玉でした。
 さて、それよりも一大事は、これまで季蔵の生き甲斐だった「おき玖」が突然発情して南町常町廻り同心・伊沢蔵之進と結婚してしまうのです。そろそろ、潮時と見たか、季蔵の相方に新登場人物を予定しての事か。やはり次作も気になりだした。

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超・居酒屋入門

紙の本超・居酒屋入門

2016/12/13 10:57

居酒屋&日本酒の魅力を実に良く捉えております。

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居酒屋&日本酒の魅力を実に良く捉えております。また、その感性にも実に共鳴できる部分の多いのも非常に気に入りました。実に気取りのない、自然体での居酒屋談議になっています。ただ、幾つか気になった点を挙げるなら、まず、燗酒のことでした。近年の素晴らしい酒は、あくまでも製品として出来上がったままの「冷や」と信じてきましたが、著者は「燗酒」にも高い評価を与えている。ムーー、確かに燗の方が合いそうな気のする日本酒もあるけれど、やはり私は「冷や」で試してみたいなあ。と言いつつ、早速、「燗」で試してみたのでした。(笑)次に、金銭感覚。日本酒の場合、大体3000円/1升出せば美味い酒が掃いて捨てるほどあり、それ以上高い酒は超金持ちが飲めば良いというのが私の持論。この点でも著者とほぼ一致しているのだが、その居酒屋での支払い金額が問題。著者の記述を見ていると、1件で5~6千円が普通で、その後次の店へと梯子してるみたい。エーー、まず私の場合、在職中でも4~5千円は高級店。出切れば3000円前後が望ましいと思ってたものでした。まあ、実際には3~4千円程度で、当然1軒で打ち止めでしたが。この辺り、やはり経済力の差でしょうね。悲しい。

初出;「居酒屋の流儀 The new fifties」講談社 1998.11

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紙の本

ナイト&シャドウ

紙の本ナイト&シャドウ

2016/12/13 10:54

全く地味な警護官(捜査や犯人逮捕などは二次的役割でただひたすら警護対象の安全を確保することが最優先課題)の世界を巧みに描いている。

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全く地味な警護官(捜査や犯人逮捕などは二次的役割でただひたすら警護対象の安全を確保することが最優先課題)の世界を巧みに描いている。ただ、その本来の目的からはかなり地味な作品になってしまうところを、爆弾テロ犯が首藤武紀(日本のSPでアメリカのシークレットサービスに研修に来ている)を偶然見つけて、危険人物と見做して間接的な攻撃を仕掛けたことにより、首藤側にもある程度能動的要素を付加したこと、更に、アメリカのシークレットサービスで研修中の相棒となったシークレットサービス捜査官:サム・バーンがむしろ捜査型の警護官で、特に紙の捜査(偽造紙幣捜査の技術)技術に優れていたという設定で、爆弾テロ犯を追い詰める形の展開にすることで地味さを緩和している。さて、爆弾テロ犯のターゲットは当然アメリカ合衆国大統領らしいという証拠がある意味では意図的に示されていき、誰もがそれを疑わずに話は展開していく。しかし、最後に本当のターゲットは訪米中の日本首相だったというどんでん返しが用意されている。これだけでも結構楽しめる作品だが、この著者の真骨頂は更に深い政治的深層に迫るところである。
 捕まった犯人2人の内1名はごく普通の外科医、もう1人は昔友人が自殺する原因を作った現日本首相に謂れのない恨みを持って爆弾テロを計画した日本人であるが、2人共高度な超高性能小型爆弾を入手したり、緻密な計画を立てるといった能力を持っているとは思えない人物なのである。そして首藤の「目」が捉えたアメリカ合衆国大統領周辺の人物やその動きから、この爆弾テロの背後にはもっと大きな組織、爆弾テロを口実に大規模な対テロ戦争を始めようとする巨大組織(某国家)が動いていたのではとの推測に至る。オオーー!十分にありそうな話だけに怖いです。しかも、明確に文章化されてはいないが、その某国が何処かは十分に判るのだから怖い。この作家、実に容赦がないところが魅力ですね。今後も注目です。

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サイバー・コマンドー

紙の本サイバー・コマンドー

2016/12/13 10:51

サイバー戦争が国家間・軍隊間で開始されるのではなく、一民間人から開始されるという事実に恐怖を覚えました。

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“リケジョ作家”としての地位、完全確立ですね。 “リケジョ作家”ならではの技術に関する徹底した調査に基づく知識に裏打ちされた展開、時代を先取りした内容に圧倒されました。なにしろ文句なく面白いし、サイバー戦争が国家間・軍隊間で開始されるのではなく、一民間人から開始されるという事実に恐怖を覚えました。本書ではその辺を強調して、中国辺りのテロ集団もしくは悪質ハッカーが引き金を思わせておいて、実はアメリカのサイバー戦部隊の退役少尉がある実験の為に行った攻撃が引き金となったというどんでん返しも用意されている。そのそも、本書の主役である“サイバー防衛隊”が自衛隊指揮通信システム隊に所属する実在の組織であることを知っただけでも驚きだったのに、“攻撃”についても研究・準備していたとは・・・・・・・・。
この作家との出会いは、318:マルク・エルスベルグ『ブラックアウト』(2012)の解説で知って直ぐに読んだ320;福田和代『TOKYO BLACKOUT』(2011)<初出=単行本; 2008年8月、東京創元社)>であったが、その読後メモで福田和代作品がマルク・エルスベルグの作品よりも4年も前に書かれていたことである。しかも、「さて特記すべきは、福田著の社会背景として、今年東北地方に震災が起こり原子力発電所が全て停止している(P-37)ことになっており、そこへ東京電力の全送電地域に及ぶ発送電危機が発生することで「輪番停電」(正に2011年3月11日の東北大震災によってはじめられた計画停電そのものだね)が行われるという展開である。正に2011年3月11日の東北大震災を予言しているような条件設定と展開に驚かされた。」とその先見性も絶賛している。目の離せない作家です。

<アノニマス>(P-61)
本作品中では、余り重要な役割は果たしていないが、その名の通り様々な場面で微妙に顔出すので気になる存在。“アノニマス” は、インターネット上のハクティビズム活動家が緩やかにつながりをもった国際的なネットワークである。 名目上、グループと関連しているWebサイトにおいては「命令というよりもアイデアに基づいて運用されている非常に緩やかで、分散化された指揮系統をもったインターネット上の集まり」と評されている。アノニマス(Anonymous)とは「匿名の」という意味を持つ形容詞。語源は、ギリシャ語<省略>アノーヌモス:<省略>つまり、 “without name”「名前のない」からきている。

<マルウェア (malware)>
マルウェア (malware) は、「悪意のある」という意味の英語「malicious(マリシャス)」と「software」を組み合わせて創られたかばん語である[4][5]。コンピュータウイルスやワームが代表例で、他にクラックツール、スパイウェア、悪質なアドウェアなども含む。

<サイバー防衛隊>
サイバー防衛隊は2014年(平成26年)3月26日設立の、自衛隊内に設立されたインターネットサイバー攻撃に対する実在の攻撃防衛隊である。自衛隊指揮通信システム隊に所属する。

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紙の本

キング&クイーン

紙の本キング&クイーン

2016/12/13 10:36

面白さもさることながら、小説の作り方の裏側を見せてくれてるような作品でした。

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面白さもさることながら、小説の作り方の裏側を見せてくれてるような作品でした。本作品中の主人公はチェスの世界チャンピオンであるアンディ・ウォーカー(1967年3月9日~)(P-99)であるが、このモデルは実在の世界チャンピオンであるボビー・フィッシャー(Bobby Fischer、1943年3月9日~2008年1月17日)であることは明白である(文末<注-1>参照)。その生年を24年遅らせることで、現代に当てはめて見せているのである。多分、アンディ・ウォーカーに連れ添う中国人美女・宗蓮花のモデルは日本チェス協会事務局長の渡井美代子であり、作品中の男性・日本チェス協会事務局長はその分身であろう。更に、元SPの女性主役・安奈がSPを辞める切っ掛けとなった入江康憲(P-127)のモデルが堀江貴文(1972年10月29日~、愛称:ホリエモン)(文末<注-2>参照)であることも明白。ただ、ホリエモンがボロクソに書かれ、あっさりと政治絡みで抹殺されてしまうのは少々可愛そうでした。さて、実在の世界チャンピオンであるボビー・フィッシャー(1943年3月9日~2008年1月17日)に関しては、2015-289:『完全なるチェックメイト(Pawn Sacrifice)』(c2015:アメリカ/115分、監督:エドワード・ズウィック、出演:トビー・マグワイア)でも描かれていたが、映画ではチェスのルールが良く判らなかったためその凄さが伝わってこなかったのだが、本作品ではその辺も事件の進展に合わせてアンディ・ウォーカーの生い立ちを描く形で描かれていて解り易かったのも良かったです。著者の凄さはこれだけに止まらず、推理小説としての面白さを加えるため、“チェスの天才児”=アンディ・ウォーカーに対して、2歳下の少女“チェスの神童”=アンドレア・ノーマン(P-336)を登場させたことである。アンディ・ウォーカーが置かれた複雑な立場の隙間をぬって謂れのない復讐を図ったアンドレア・ノーマンが黒幕として設定されているのである。これによって、アンディ・ウォーカーを取り巻く状況からするなら世界的大事件のように見える反面、実行犯達の貧弱さの説明も巧くつく設定となっており、更に題名の『キング&クイーン』、キング=“チェスの天才児”=アンディ・ウォーカー、クイーン=2歳下の少女“チェスの神童”=アンドレア・ノーマンの意味もピッタリと嵌ってくるのである。巧いですね。なお、2歳下の少女“チェスの神童”=アンドレア・ノーマンは多分架空の人物であろうと推測される。

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紙の本

落葉同盟

紙の本落葉同盟

2016/12/12 11:37

ちょっと都合良すぎるけど、幸せ気分になれる筋書に一気読みでした。

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ちょっと都合良すぎるけど、幸せ気分になれる筋書に一気読みでした。殺人の冤罪で逮捕された女性記者を救うため、高校時代に憧れた同級生おじさん4人が集まって“落葉同盟”を結成して活躍するのだが、何故かその輪に関係ない人々まで集まって来て、遂には国会議員とつるむ悪徳警部の悪行を暴くことになる。“落葉同盟”以外で協力者になってくる人々も多彩でそれなりに面白い。当然ながら、“落葉同盟”の4人はいずれも社会的には大したことない“濡れ落ち葉”的人々であり、中には同盟を裏切って悪徳警部に内通する怪しげな不動産屋までいる、何とも何処にでもいる人間的な人々なのが嬉しい。ちと悲しかったのは、主人公の桐生おじさんに淡い恋心を抱き主役的な活躍をする女性部下・平田あかりが、悪徳警部が放った凶弾から桐生おじさんを守るため死んでしまうこと。とは言え、全体としては勧善懲悪であり、ハッピーエンドであり、登場人物も基本的には性善説であり、やはり私好みだし、何よりも冴えない中年おじさんたちが活躍することで、私のような高齢おじさんにもまだまだやれることがあるのではと勇気づけてくれるのが良い。

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紙の本

武揚伝 4

紙の本武揚伝 4

2016/12/12 11:34

開明派としての薩長・朝廷派、封建制の守護者としての幕府、といった見方が完全に覆りました。薩長・朝廷派ははっきりと尊王攘夷の馬鹿だったし、逆に幕府は開国・近代化を目指していたと言えるでしょう。

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(四)は、仙台などを経由しつつ、蝦夷地への脱出行で始まり、P-114で北海道森町鷲ノ木に上陸する。(P-105~106に同行著名人の一覧)後は、大体既知のことなので書かないが、P-237で開陽丸が神速を道連れに沈没してしまう。これで闘いの流れは大きく変わり、国際法上も交戦国との認定を外されたため、甲鉄館(アメリカから幕府が購入したストーン・ウォール号)が明治新政府側に引き渡され、闘いの趨勢が決定してしまう。後は、既知の史実に従って淡々と描かれる。しかし、本書を読む限り、この榎本武揚というか旧幕府艦隊はつくづく気象に見放されていたか、操船技術が未熟だったとしか言いようがない。その殆どの船が、難破や座礁で沈んでいるのだから。
P-274に五稜郭自治政権の主要メンバーの一覧あり。
 何となくですが、開明派としての薩長・朝廷派、封建制の守護者としての幕府、といった見方が完全に覆りました。薩長・朝廷派ははっきりと尊王攘夷の馬鹿だったし、逆に幕府は開国・近代化を目指していたと言えるでしょう。それ程に、榎本武揚というたった一人の人物の存在、その目を通した見方の強烈な歴史史観が見えてくる作品でした。歴史は書き手の立ち位置で大きく変わるとは知ってはいたが、本書でつくづく感じました。薩摩はひたすら討幕のために手段を選ばず突き進んだのに対して、幕府は対外政策まで見込んだ平和政策を模索し続ける。しかし、薩摩は、無節操な朝廷を利用するため、鎖国・攘夷を唱えつつ討幕の一点に集中して事を進めるのだから堪らない。理を尽くそうとする側はこういった場合、圧倒的に劣勢である。そして、致命的欠陥は、幕府側の200年で培われた官僚体制である。如何に有能な人材がいてもそれを使いこなせる指導者が居なければ駄目なことを、将軍・徳川慶喜が見事に立証して見せる。しかし、長い江戸幕府時代に育った「進歩派知識人」たちもついにこの壁を越えれない。そのために、榎本武揚率いる旧幕府艦隊は戊辰戦争への参戦で大きく立ち遅れ、それが致命傷となって全てが崩壊するのである。実に、貴重な歴史的読み物である。
 ほんの少し、榎本武揚率いる旧幕府艦隊の戊辰戦争への参戦が早く、北海道が一つの共和国として成立した姿を見てみたい気がした。

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