- 販売開始日: 2015/12/18
- 出版社: 日経BP
- ISBN:978-4-8222-5126-0
いつかリーダーになる君たちへ
「世界で活躍するリーダーを育てる」ための講義で、注目の起業家は東大生に何を語ったか?駒場キャンパスで学生が殺到する自ら考え、行動する超人気ゼミで、「東大女子アイドルデビュ...
いつかリーダーになる君たちへ
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商品説明
「世界で活躍するリーダーを育てる」
ための講義で、注目の起業家は
東大生に何を語ったか?
駒場キャンパスで学生が殺到する
自ら考え、行動する超人気ゼミで、
「東大女子アイドルデビュー」
「貧困支援型シェアハウス」
などの事業プランを東大生が立案!
世界で活躍するためには、英語よりも大切なことがある――
目次
- PART 1 チームビルディングの基本
- 1章 成果を上げるチームとは?
- 2章 プレゼンテーション――伝える力を磨く
- 3章 ディスカッション――よい議論にはルールがある
- 4章 ブレインストーミング――批判厳禁、質より量
- 5章 ファシリテーション――思いやりで意見を引き出す
- PART 2 チームビルディングの実践
- 6章 ビジネスプランをつくる
- 7章 リーンによるプランのカイゼン
- 8章 ”食”の問題解決――野菜を食べてポイントを貯める
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リーダーシップ論を横溢するリーダーシップ論
2016/01/31 16:56
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投稿者:kentaro - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、タイトルが示している通り、「いつかリーダーになる」者たちへ、真摯に宛てられた本である。
とはいえ先に述べておくと、この表題は「いつかリーダーとして(会社やチームを率いて)活躍し続ける」者たちのみに宛てた本、というわけでもない。いかなる意味においてか。
チームとは、単に優れたリーダーがいればそれで事足りるわけではなく、同時に望ましいフォロワーのあり方も求められるものである。これは既に一般的にも認知されつつある事実だろう。リーダーシップとフォロワーシップの両立である。本書がもう一歩踏み込むのは、このフォロワーシップがリーダーシップの裏返しであり、リーダーシップの理解に基づいたフォローイングもまた、リーダーとしての経験から養われる、と述べている点である。
その意味で、誰しもがリーダーを経験することを求められており、それにより、その後自身がフォロワーとなろうとも、より良いチームが醸成されていくといえる。
もう一点付言するなら、リーダーシップに限ることなく、今後リーダーとしての経験を積んでいくために、本書は細かいスキルや(社会)起業のノウハウについても、具体的かつ平易な仕方で多くの知見が集約され、ブラッシュアップされたものである。筆者自身が社会問題という領域の第一人者として事業を興し、また同様に活躍する他の起業家を見てきた中での学生へのアドバイスは、説得的かつ即効的なものであり、(社会)起業を目指す者が最初に体得すべき技術が必要十分に凝縮されたものである。
第一部では、チームが効率的に機能するための基礎的なノウハウが、筆者の経験も交えて平易にまとめられている。こうした情報が、単に抽象論の羅列ではなく、学生でもわかるレベルの具体性や例を伴って書かれている点は、講義録であるところの本書の利点であろう。
第二部では、具体的な起業論が、主に東大生のチームによるプレゼンをフィードバックするなかで展開される。第二部の特徴は、まずこの東大生のグループワークの成果が簡素で抽象的なビジネスプランではなく、資金の調達からヒアリング及びマーケット分析、中長期戦略まで含めた非常に具体的なものだということである。
これにより、実際の起業プロセスで求められるものが、かなり具体的なレベルで提示されるとともに、そこで必要とされるノウハウも読者は理解することができる。
また、筆者が鍛えた東大生のビジネスプランはいずれも独創的であり、読んでいて飽きも来ない。加えて、それらに対する同級生および筆者のフィードバックは、起業に求められる具体的な水準を知っておくためにも、非常に参考になる。
最後に、本書が「いつかリーダーになる」者たち以外に、誰に役立つものであるのか、という点を付言する。まず、大学でチーム論を指導する者にとっては、本書は必携のものとなるだろう。学生のいかなる経験と興味に訴えて、目指すべきチーム像を理解してもらうのか。その際いかなる知見を提供すべきか。多くの点で参考になることだろう。
また、個人にせよ会社にせよ、新しい事業を興そうという者には、そもそものチーム作りから事業の組み立て方、更には体外的なアピールの仕方に至るまで本書が一つの理想形を提示しているといえる。特に、最後の「体外的なアピールの仕方」は最も重要なポイントといえるかもしれない。CSRからCSVへ、という昨今の流れと、社会的な事業領域への注目が増すなかで、社会を語るなかでいかに自らの事業を語るか、という能力が極めて重要なものとなりつつあるからである。