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電子書籍
ピーターパン・エンドロール
著者 著者:日日日
お腹の奥に「何か」がいるような違和感を感じた少女・真央。困惑する彼女の前に現れた不思議な少女”旅人さん”と共に、真央は違和感の正体を探るが──。少女たちの不可思議な日常を...
ピーターパン・エンドロール
ピーターパン・エンドロール (角川文庫)
商品説明
お腹の奥に「何か」がいるような違和感を感じた少女・真央。困惑する彼女の前に現れた不思議な少女”旅人さん”と共に、真央は違和感の正体を探るが──。少女たちの不可思議な日常を描く、香奈菱高校シリーズ第3弾
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紙の本
理想を投影される現実の存在の憐れ
2010/11/12 07:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
香奈菱高校に通う御前江真央には、他人の区別がぼんやりとしかできない。同じクラスで良く話しかけてくれる小島さんですら、全く知らない人の様にも思えてしまう。そんな彼女が唯一はっきり見ることが出来るのが、旅人さんだ。
旅人さんとは家に帰る途中の道で偶然出会った。おそらく同じ学校の生徒なのだと思うが、そんなことは詳しく知りたくはない。真央の前にいて話をしてくれることが全てで良い。彼女と話している時だけが心休まるときなのだ。
自分の生きる意味や他人の存在に悩む多感な時期を生きる少女と、彼女が理想像として崇めながらも、実際は肉の存在としての悩みを持つ少女の交流を描く。そして、どこかへ行ってしまいそうな不安定さがある時代を今に留めておける存在もまた人間だけなのだということを伝えてくれるのだ。