商品説明
ホテルの清掃員として働きながら夜間高校に通う涼子、16歳。家には、怪我で働けなくなった父、鬱病になった母がいて、生活保護を受けている。ある日、クラスメイトからセレブばかりが集う「クラブ」に行かないかと誘われる。守らねばならないものなど何もなく、家にも帰りたくない。ちょっとだけ人生を変えてみようと足を踏み入れた「クラブ」には、小説家だという初老の男がいた。「ヘンな人」でしかなかったその存在が、涼子の人生を静かに、そして大きく動かしていく――。33万部のヒットとなった『ピース』の著者が、原点に戻って描きあげた傑作長篇!
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紙の本
淡々と静かな語り口で鮮明になる孤独
2016/06/06 16:46
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投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、シリーズ物が多かった樋口有介。シリーズも熱狂的ファンではあるが、腰巻に“原点に戻って”とあるのに一層期待してページを開いた。
確かに「風少女」の頃の雰囲気を感じさせつつも、より淡々と静かな語り口で紡がれる物語に、作家としての熟成・時間の過ごし方を感じた。柚木草平シリーズでは、なかなか得がたい感覚を味あわせてもらった。
それにしても、樋口有介という人、ストーリーも構成も一級なだけでなく、いつまでも新鮮な少女や少年を描けるうえに、年相応?の人物造形もうまいなあ。
ちなみに、今作では最終ページにちょっとしたミステリーを配して不安感を抱かせつつ、主人公・涼子の愛と孤独を浮き彫りにするラストが秀逸。