電子書籍
著者の作品の中でもバランスが良いと思える
2016/07/20 01:15
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投稿者:さすらい熊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
史実を追いながらも登場人物の内面にも丁寧な描写をされる著者の作風が表れていると思います。(若干、日本人的な思考に偏ってるかな?と感じる節はありますが、そこが読者を惹き付ける要素でもあるかなと受け止めてます)
紙の本
小国の名宰相
2015/11/11 07:54
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投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮城谷歴史文学の中でも子産については孔子が尊敬していたというキャッチくらいの予備知識で読みましたが、お気に入りになりました。
小国の悲哀というか、大国に挟まれた小国鄭のかじ取りを行った子産は礼を持って大国に相対した。
人は生国と生まれ選べない、子産も大国に生まれれば別の栄枯盛衰であったのだろう、しかし彼の道は違った。
だからこそ子産という優れた宰相が誕生したのだ。そう思いたい。
困難に立ち向かい決然と務める子産の姿をほうふつとさせてくれる優れた文章である。
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春秋時代、鄭の宰相を勤めた「子産」を書いた作品なり。
鄭は二大国にはさまれた国で、やむを得ず二面外交を行い国の信用は地に落ち国民は疲れ国力は落ちるばかりでしたなり。そんな中で子産は宰相になり二大国に停戦を行わせ平和をもたらしたなり。国内においては法律を明文化し住み易い国に作り変えたなり。ちなみに孔子が最も尊敬した政治家が子産だそうなり。
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戦乱の春秋時代、南北を大国に挟まれ向背を繰り返した小国鄭の、名将子国とその子の知識人子産の物語。上巻は主に子国の活躍を描いている。
苦しい状況に立ち向かう姿と、そこに描かれた人の上に立つことの難しさ、複雑さが印象的。
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上巻は子産の物語というよりは、子産と、彼の父親の子国(しこく)という父子の物語でもあると言える。子国は始め、戦場でしか活躍できない人物(逆を言えば、武将として優れた勘のめぐらせかたをする人物、ということなのだが)として描かれる。しかし、武勲をかさね、老獪な元老たちから政治の機微を自然に学びながら、鄭という難しい国情の国の中で、司馬の地位につき、次には外交の任にまでつくようになる子国は、武門に生まれながらも史事に長じ、大人以上の思考ができる子産に厳しくも愛情豊かに接していく。成長する父親を見て自らも成長する息子のイメージが強く残った。
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お気に入りの作家の一人、宮城谷昌光氏の本。
「子産」というのは人の名前で、中国の春秋時代(?)の鄭という国に生まれ、後に名宰相(総理大臣と同じ)と言われた人の青年時代を描いた上巻。
僑(子産の幼名)と父の子国、伯父にあたる子馬四(漢字がなかった・・・;)。それと、隣国晋と楚との話。
昔の中国の人が、いかにして外交によって生きたのか、戦いとは何なのかを考えさせられる本。
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春秋時代の国家、鄭の宰相の話。
どのようにその人が形成されていったのか、について語る宮城谷節ともいうべき書きぶりは健在で、子産の博識さ等から来る聡明さにはうろこが落ちることも。
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博覧強記という言葉はきっとこの人の為にある言葉なんだろう。でもそれを言葉だけで終わらせずに生かし、実践したところにこの人の本当の凄さがあるんだろうな。
と思ったりする。
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前550年頃。氏は公孫,名を僑,字を子産といいます。鄭の穆公の子供である子国の子供で,鄭の宰相になりました。穆公の子供では夏姫という美女が有名ですが。
鄭は小国であり,晋・楚という二大国にはさまれていたが,子産はみごとに鄭国を治めました。ただ,子産が鄭国の政治を思い通りにできたのは子産の前の宰相である子皮がいたからと言われています。子皮は子産の行動を理解できないにしても全て認め,その批判に対しては自分が矢面に立つという胆力のある人物でした。
孔子は弟子に「今の世の人臣で、たれが賢でしょうか」と問われて「斉の鮑叔と鄭の子皮。鮑叔は管仲を成功させ,子皮は子産を成功させた」と言ったぐらい,子皮の方を評価する人もいます。自分より有能な人間を推奨し、自分が一歩も二歩も引き、なおかつ、影でその人を支える、ということができる人がなんと少ないことか。
『勝つ者には偶然があり,負ける者には必然がある』この言葉好きだ!
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知的寄り。でも短めなので、一気に読めると言えば読める、硬めだけど。上巻末から下巻最初にかけての大きな動きはすごく切ない。完璧でなくても、少しどうなのって部分があっても、人にはそれぞれ信念や大切なものがあって、それを守ろうとする姿は美しく見えるし、悲しく見える。子産が知能派なので他のより難しい言葉も多いけど、心に深く残るエピソードは必ずあるのが宮城谷さんの長編小説だ。
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北の晋、南の楚に挟まれた小国・鄭。毎年どちらかの国に攻められ、そのたびに従うという、非常に危うい外交をしている中で、子産は礼をもって、執政にあたる。子産が宰相の間は、攻められることもなく平和で、改革を推し進めた。民を愛し、時には民の反感を買ってでも改革を突き通す。そんな政治家です。30年ほど後に生まれた孔子が尊敬してやまなかった人としても有名。
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中国春秋時代中期、小さい国である鄭でそのもてる力を最大限に発揮して、国を支えた名将子国とその子の子産の物語。鄭は大国の晋と楚に挟まれ、時と場合によって、それぞれの大国と渡り合わなければならず、その歩みは困難を極めるが、勇気の人子国と天才とも言える洞察力とはっきりした意見をきちんと主張できる子産が、鄭を何とか盛り立てて行く。当時の国の政治がいかなる考え方で運営されていたのか?史実の裏に隠された当時の人間の考え方を推察する上で参考になる話が多く、勿論推察だとしても、史料から導き出された物語には、説得力がある。
それにしても、一国の君主を宰相が殺戮してしまうとは、何と激しい下克上の時代であることか。そして、それをまた道徳的観点から人々が評価し、支持、不支持がされて、宰相の運命が決まっていくとは何と不思議な世界でしょうか?今の中国とは、全く違う原理、考えがその時代にはあったことがよく分かります。
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中国が秦の始皇帝に統一される前の時代の話を描ける人は
宮城谷昌光氏しかいないと思っています。
文献も古く、あいまいな点も多いので、
史実に従ったものはなかなか描けません。
三国志は面白いのですが、
それ以上に、中国春秋時代~戦国時代は面白い時代です。
神話に近い部分と現実が混ざり合った不思議な時代だと思います。
上巻は子産の父親である子国の話でした。
下巻の子産の物語への序章となります。
この上巻が重要なのです。
春秋時代の動きが物語りと並行して書かれているのが、深いんです。
歴史書を読む感じがいいです。
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両面外交。小国の生きる道。天下統一の道といった今までの戦乱の世とは全く違う生き方。その中でどのように生きていくか上巻は序章に過ぎない感。下巻が楽しみ。
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宮城谷昌光「子産」を再読したのですが、
昔に比べて読みづらかったです。
諸葛孔明が理想とした人物なので「子産」の生きていく姿は大好きなのですが
上巻の時代背景の説明部分がなかなか進まず苦労しました。
人物像としては感動するのですが「物語」としてはちょっと淡泊かと。
「孟嘗君」「太公望」「楽毅」が面白いからそれと比べると、という事ですが。
昔読んだ本を再読しているのに、
その時の本人の状況によって感じ方が変わるものですね。