電子書籍
「実質」通貨と移民の日本
2019/07/30 21:30
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
近未来という設定で書かれた小説だけど、私が読んでいるのは数年後の「今」。相変わらず、問題の鍵を解くのはプログラムの解析。それを上手く「読ませて」くれる文章。楽しかった!移民社会もそれっぽい。
紙の本
少々話の規模は小さいが
2016/10/16 14:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かめきん - この投稿者のレビュー一覧を見る
移民の増加と仮想通貨の普及によって変容した日本が舞台。
社会をどうこう変革するという話ではなく、その環境の中で必死に生き抜いていこうとする若い青年のストーリーであった。
若さ故の青臭さ、年齢に見合った話のスケール、といった点が気にならない方には非常に楽しめる一冊と思う。
逆に少年の行動によって世界の構造が変わっていくというような事変が見たいと考える人にはオススメできない。
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今からほんの数年で東京がここまで多国籍化するかどいうかはわからないけど、描かれている状況はかなりリアルに感じました。スマホでの決済が当たり前になってくれば、確かに日本円にこだわる必要ななくなっていくかもしれない。
この本で描かれている2話だけでは少し物足りないかな。視点や観点を変えて、もっと描き続けて欲しい世界観ですね。
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仮想通貨『N円』を使って生きる移民と若者たちの地下経済。東京オリンピック前の労働力として緩和された移民政策や新卒一括採用からこぼれ落ちた若者、なにやらすでにアンダーグランドでは実在しているんじゃないかと思えるリアル。続編が出来そうなエンディングに最後まで楽しめました。続編希望です。
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冒頭、東京五輪直前という遠くない未来に1000万人の移民が来て中華系インド系の仮想通貨が流通し地下経済が誕生する、という設定がリアルすぎて引き込まれた。主人公の両親が家を手放す成り行きや非合法住宅に住む若者たちの描写もSFと思えず、妙に深刻になってしまう。サイバー犯罪のくだりは素晴らしい筆力。マイナス1は恵のマンガチックな暴力的態度。
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面白かった。
藤井太洋の話は、なんとなく知ってるような知識で技術面がなんとなく分かる、という書き込み感のちょうど良さが好き。自分に合ってる気がする。
161029
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今回紹介するのは、「N円」という仮想通貨が主役のSF小説です。本の表紙に「¥」を逆さにしたマークが描かれているんですけど、これはあるシンガポールの企業が作り出した通貨、「N円」なんですね。ぼくはこれを那覇空港の本屋で見つけたんですけど、羽田空港に着いた時にはもう読み終わっていて、快哉を叫びましたね。「うわ~! おもしろかった! 飛行機で読むのに最高!」って。この本は藤井さんがネットに上げた電子書籍が初版なんですけど、「Amazon Kindleでこんなおもしろいのがアップされていたのか」って感心しましたね。
(公式メルマガ「ブックトーク」29号より一部抜粋)
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仮想通貨が流通した日本。
移民が大量になだれ込み、その中で懸命に生きるフリービーの巧。
誰にも何にも属さず自分達の腕で生き抜いていこうとする姿がとても格好良かった。
仮想通貨や経済の設定がよく作り込まれていて面白かったな~
続編があったら読みたい。
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普通の小説でsshとか出てくるのは新鮮だった。。。ちなみにルートキットってどうやって検出するんだろう。。。
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この人のチームが出来上がっていく様子、トラブルをやっつけて行く様子が大好き!
今回のネタは、仮想通貨と2年後にオリンピックを控えた移民都市 東京だ!
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東京オリンピックを目前に控えた2018年、東京は安い労働力として呼び寄せられた移民により多国籍化し、移民たちと非正規雇用の日本人は仮想通貨「N円」による地下経済圏で生きていた。
スマホによる電子決済、現金を持たなくても買い物ができるようになり、ビットコインがクローズアッブされる現代、タイムリーな話であった。
ただ、脱税を前提とした仮想通貨、小説としては面白くとも容認はできない。
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近未来というより今だったが、うーん。著者が描く未来はあんまり住みたくないな。
話としては面白い。なんだろ、どっちが悪いからとは言い切れない気がするけど
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たくましく生きる3人の若者の青春物語。…と書くと、「あら退屈そう」と思う人もいるかもしれない(私です)が、そこは藤井氏。若者の活躍を軸にして、設定を仮想通貨が流通し、多くの移民が暮らす日本にすることで、知的好奇心も満たされ、またそこに事件が絡みと、刺激的で痛快なエンターテイメントに仕上がっている。
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不思議な雰囲気をまとわり付けている。
日本の下層社会と言うべきところの
言語的ダイバシティと格差にめげずに、
真面目に取り組もうとしている 若者。
巧、鎌田、恵の三人組。
仮想通貨とクラウド。
その流れと仕組み。
ふーむ。仮想通貨が 投機の対象になっていない。
狙いは、消費税の回避。なるほど。なんとなく、可愛い狙い。
現在の状況ならば、換金した時点で50%とられるからね。
仮想通貨のことがもう少し語られるかと思ったが
仮想通貨のドリーム共同体ということか。
助け合い。調定。
などコミュニティを守るためのルールが作られている。
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若者の貧困をテーマの一つとして描かれていますが、そこを力強く駆け抜けていく姿に希望を抱ける良作です。仮想通貨が世界中を席巻していますが、日本ではまだまだ広がっていないし、僕自身まだpaypayもLinepayも使っていません。なんとなく必要性を感じていないからというのが大きいです。それでも殆ど買い物も支払いもクレジットなので、現金使用しなくなって来ていますが。
この中ではN円という仮想通貨を巡って、3人の若者が事件に巻き込まれていきますが、上田岳弘の「ニムロッド」の仮想と現実との境界線があやふやになるような漠然とした不安感とは真逆で、肉体的で汗ほとばしる青春作です。
国家という傘から弾き飛ばされた若者たちは、同じく国家の傘に元々は入っていない多国籍なアンダーグランドな世界の経済にもぐりこみ、自分達の新たな居場所を求めて東京を駆け抜けていきます。
彼らは日本円を殆ど持っておらず、N円で生活している為、日本の交通機関を使う為に日本円に換金しなくてはならなかったり、まるで日本国内で別の国での生活を展開しているかのようです。次第に日本円に固執している自分の方に違和感を覚えてくる位、登場人物が活き活きと躍動しています。
この後筆者の書く「東京の子」も同じベクトルの本です。やはり肉体的かつ未来的な良作です。