紙の本
ふと忘れ去っていたあの頃が蘇る一冊
2004/11/22 11:51
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投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京から父の仕事の関係で瀬戸内海の小さな町に引っ越してきた主人公のヒロシ。
偉そうな同級生・吉野君はライバルなのか友達なのかいつも反発し合っている、初めての喧嘩では身体が竦んでしまい友達を「見殺し」にしてしまった。知恵遅れのタッちんや足の悪い下級生に対して優しさと同情と入り混じった少し苦い思い出。突然同居したチンコばばあとの短い日々。
少しずつ成長していくヒロシの心情と懐かしさとほろ苦さの両方が混じった彼の少年時代を綴った短編集。
小学生の頃はとにかく学校が全てだったような気がします。
友達と喧嘩をしてしまったら人生の全てが終わったような気持ちになったり、優しさと同情との区別などつかずに逆に相手を傷つけたり、思わずついた嘘で四苦八苦したり。
頭の中では言わなきゃいけないことは分かっているのに声が出ないで言えなかったこと。
今思い出すと恥ずかしさで穴があったら入りたくなるくらい自分の小学校時代にしてしまったあんなことやこんなことが思い出された一冊でした。
重松清の本を読んで胸が痛いのは、自分が忘れ去りたかった事ですら思い出させてしまう力があるからかもしれません。
子供の頃の気持ちをすっかりと忘れてしまった方にオススメ。
懐かしく、ちょっぴりほろ苦い思い出が蘇ってくると思います。
紙の本
自分の、あなたの物語
2020/11/24 12:04
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投稿者:あかぴ - この投稿者のレビュー一覧を見る
重松清さんは少年、少女たちの心情を繊細に描いてくれる。
しかも、それが誰でも一度は感じたことがあるから共感できる。
小学生男子も結構いろんなことを考えていて、例えば友達とのこと、家族とのこと、初恋のことなどなど。
胸が締め付けられるような、何だか照れ臭い不思議な感情を。
青春に入る一歩手前の淡い少年の物語。
自分の物語でもあるように感じました。
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「半パン」→「少年」。
主人公は「少年」ながらも、いつのまにか自分自身の子供時代を重ねてしまっているような…。
今となっちゃなんてコトない出来事でも、あの頃は子供なりにあれこれ悩んで越えてきたんだよなぁ、と。
ええで、コレ。
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n:中学受験の出題傾向として、塾から必読!と宿題が出て、娘と重松清さんの出会いがありました。母は人気過ぎて「読まなかった」のですが、娘同様、大好きな作家さんになりました。「同世代」と言うのも、惹かれる理由かも。
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あ〜もう大好きですね重松清
と言ってもこの本で2冊目なんですけどね...
ほんとにとっても優しいです
東京から越してきた男の子が
小学校1年生から6年生に一冊の本の中で成長していく
大人が書いているので
どうしても大人っぽい子供なんだけど
でも、子供の頃に感じたことや
気持ちを純粋に表しているんだろうなぁ
と
「ああそうそう!」ってフレーズが沢山あった
自分が子供だったころの景色が不意に浮かんだり
匂いや温度や音がした
読みやすい一冊
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レビューはブログにて。
http://tempo.seesaa.net/article/12754817.html
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都会から父親の田舎に引っ越してきた少年が、いろんな壁を乗り越えながら、環境に溶け込み成長していくっていうストーリー。
すっごい好き。ああ、こういうのあった!と思うところが、みんなかならずあるはず。
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ある一人の少年(=ヒロシ)の小学生時代を9つのストーリーで綴った小説。
時代背景は、白黒テレビからカラーテレビに入れ替わる、東京オリンピックが数年前にあり、もはや戦後ではなくなった時期、アポロ11号が月面着陸に成功した時期、大阪万博で日本の経済が絶好調だった時期の話です。それはつまり60年代から70年代にかけての時期であり、この小説の作者重松清がそのまま小学生だった時期です。
東京で生まれ育ったヒロシは、父親の都合で小学校入学にあわせて父親の実家に家族で引っ越すことになった。
イカイヨウ・クミアイ・スメバミヤコ・・・わからない言葉だらけだった6歳の春、幼稚園の友達が誰もいないヒロシはまったく知らない町の小学校に入学した。
成長の過程で無機質なカタカナで音だけが耳に入ってきていた意味のわからない言葉は少なくなり、親友とおそろいの髪型でヒロシは緑の春のんかで、青い春に一歩ずつ近づいていく。
小学校入学にあわせての引越し。おれもその経験をしました。
幼稚園時代の友達は小学校に入ってから2・3度も遊んでいないと思います。当時仲良かったしげちゃん、ひろちゃん、よっちゃん・・・今はどうしているんだろう・・・。
小学校に入っても最初はなかなかなじめず、「フアン」という言葉が「不安」とわかり、自分がひとつ大人になった・・・とうれしくもあったこと、今でも覚えています。
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俺にもサラサラって読める本でした。
主人公に感情移入がサラリとできる。
いや、これから重松作品にハマりそうだな。
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東京から岡山の片田舎に引っ越すことになった主人公「僕」の話。最初は田舎に抵抗感を覚えていた主人公が田舎社会でどのように馴染み、また成長していくのかを丁寧に描いた作品。懐かしいような、恥ずかしいような、そんな気持ちになれます。
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東京から父の田舎の港町に引っ越してきた少年の6年間の成長を男の子の世界でつづったもの。ちょうど私と同じ年代なのでとっても懐かしく あ〜同級生の彼らもこんな気持ちだったのかな?いやもうちょっと違ったようだぞ。なんて思った。
懐かしいサイダーを飲んだような作品でした。
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いいお話だった。子供の頃を思い出した。嘘ついて、バレそうになったときの心理状況とかどうしてこんなうまく描写できるんだろう。すごいなぁ。ちょっと最後が物足りなったかも。
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久しぶりに重松清さんの本を読んだら、やっぱり懐かしいなぁ・・・って気持ちになります。特にこういう子供のころの話がいいですね。このお話は、小学1年生で主人公のヒロシが東京から父親のふるさとに引っ越してきて、6年生になり卒業間近までの話です。だんだん田舎の子になり、無邪気だったヒロシもいろんな大人の事情が理解できるようになってくる・・それは大人の仲間になってきている証拠。そして最後に気がつきます。「もう1年生にも2年生にも3年生にも・・・・戻れないんだな」って。頭でわかっているけど、現実として実感したら、ショックなんですよね。私も思ったことあるなぁ・・・。
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少年が成長していく物語。
自分の子どものころに重ねたり、息子に重ねたり…。
「タッちん」の章が胸につきささった。
子どもから大人へ…だれもが通る道をいろんなこと考えながらたどることができる物語。息子がもう少し大きくなったら、読ませたいな。
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重松清はいつもいつも実際の日常をきれいに
描くなと思う。。。
誰もが過ごした時代。誰もが迎えるであろう時代。
大人になったらもう一度読み直したい一冊。