紙の本
なぜ大人たちは不安を感じずにはいられないのかを、中学生・高校生にもわかりやすく説く。
2017/06/29 11:09
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投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「この本は君たちだけの本ではありません。まだこの世に生を受けていない、君たちの次の世代の子どもたち、つまり、将来の若者たちが大人になった君たちとつながり、ゆたかな将来を見とおすことができることを願って書かれます。だからこそ僕は、なぜいま大人たちがばく然とした不安に苦しんでいるのか、僕たちの社会がどんな問題をかかえているのかを告白し、君たちと一緒に日本社会のこれからについて考えてゆきたいのです。」という著者の呼びかけに始まる。財政学を中学生・高校生にもわかりやすく説いていて、18歳有権者に備えるための必読書。
紙の本
分かりやすい
2020/04/30 16:35
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投稿者:ちくわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
勉強になります。日本社会の大まかな変遷がわかりやすく書かれており、また、それを表すデータなども載っております。
紙の本
中学生に
2019/01/15 13:54
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
このような本は中学生ぐらいから読んでおくといいなと感じました。社会のことを知っていると、今後バイトにも生かせそう。
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財政の状況を通して社会を読み解く良書。歴史的に生み出され今日に至った財政が「小さな政府による自己責任社会」「人間に共通する利益より仲間の利益を優先する社会」を創ったと主張し「誰もが受益者」という社会を創り出す財政戦略が必要と説く。「経済の時代から人間の時代へ」という主張には頷ける。
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1995年は財政危機宣言が出された年であった。それ以降医療、年金など社会保障、教育などへの国家支出はマイナスシーリングされ、それでも景気回復のために国債に依存したインフレ誘導が続けられた。それは間違っている。租税は高くなってもかまわない。互酬のサービスー教育、医療、介護、子育て、環境などに現物支給として使うことを高らかに提案している。それがどのように可能なのかは困難な道のりだがとりあえず言い切ってしまうすがすがしさがある。
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おおざっぱに……
日本の財政、そして生きづらさを検証した図書。日本は昔から「勤労」を理想とし、自助努力や自己責任を大切にしてきた社会。そのような社会で戦後、荒廃したインフラを整えるため、公共投資を増やしていく。特にこの公共投資は農村部にも仕事を増やし、人口移動をおさえ、地域のコミュニティが存続。日本は小さな政府でいられた。しかし経済成長はなくなり、公共投資は減り、限界集落などの問題が発生、自己責任社会だけが生き残り、ムダをたたく政治のために生きづらい社会になっていくというのがおおまかな内容。わりと今後は「共感」が大切なことかもしれない。困っている人のためにどこに税金を出していくかしっかり吟味し、共有するのが大切かなぁと…あと、著者は「だれもが受益者」という現物給付の案を出している。とにかくも何かを削れば財政はよくなるという発想は間違っているということが理解できた。
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高校生向けにかかれているので、財政とは何か、税金がどのように使われているかがとてもわかりやすく書かれていた。
「経済の時代から人間の時代へ」は正に、そうなんだ!と心に刺さった。税の使い道を政治家の好きなようにさせてはならず、そのためにも仕組みや現状をこれからの日本を作っていく若者が理解して、選挙に政治に関わっていかなければならないと痛感。
そのきっかけとして、この本をみんなに読んでほしい。
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財政の構造的な問題点がよく理解できた。少子高齢化が急速に進み、従来の成長を前提としたやり方では立ちゆかなくなるのは明白なのに、転換できない。なにか、戦争に突き進んだかつての日本と同じように感じてしまう。徹底的に打ちのめされないと変えられない。破滅が待ち受けていようとも、突き進むしかないと・・・我々日本人は政府に何を期待するのか、自助努力で何とかなる時代ではない。安心して暮らせる社会の実現のために、財政はどうあるべきなのか、増税は回避できないと思うが、財政破綻は回避できるのだろうか・・・著者の「何が必要かでなく、何がいらないかをきそいあう。他者の長所ではなく、欠点をさがすことに一生懸命になる。批判されることをおそれて、縮こまってしまう世の中。自分が怒られるまえに、他人を攻撃する。とても生きづらい社会だと思いませんか。」との考えに共感した。
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日本の財政の特徴や問題点をデータに基づいて解説しており、よくまとまっている印象だった。ただし、提示された疑問点に対する回答が少し曖昧だったり、解決策として提示されたものが今一つ根拠に乏しかったので-1点。
主だった問題点として、以下の3点が印象に残ったので、寄付や選挙、仕事を通じてこのような社会課題を解決していきたい。
①社会保障が高齢者に偏っており、現役世代や若年層への支出が低い
②公的な教育支出が低く、私的な教育支出を含めてもOECD平均に届かない
③実際の租税負担割合25%と低いため財政赤字が多額になっているにも関わらず、国民の税負担感が強い
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衰退していく日本。
「経済、経済」と言うわりに、バブル崩壊後の25年間で平均0.9%の実質成長率しか達成できない日本。
子育て、教育にかかる家計の負担が大きく、子供を持つことを諦める。
働いても働いても貯蓄は増えず(ピーク時の貯蓄率を維持できていれば、麻生太郎には及ばないものの、労働者は1500万円の貯蓄ができているはずだった)老後の生活は不安。
障害を持った人への支援は皆無。
中間層は税を取られるだけ。
こうした日本は、あらかじめ天井が決められた予算からパイを奪い合う財政、互いの無駄を監視し合う不信感に満ちた社会、福祉のために増税できない政治、さまざまなファクターが絡んで生まれた。
筆者が主張するのは、医療、教育などの現物支給を通じ、「だれもが受益者」になる社会。
社会に生きる人間同士が争うのではなく、互いへの想像力を持ち、信頼し合う社会へ。
財政は国の姿を映し出している。
どうか、この国に生まれた子どもたちや、まだ生まれていない未来の世代への想像力を働かせることができる国であってほしい。
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刊行日 2017/03/22
「日本ではなぜ教育にお金がかかるのだろう,なぜ働く人への社会保障は少ないのだろう,どうしてこんなに税金がいやなんだろう…,財政のなりたちをわかりやすく解説し,新しい社会への選択肢を考えます.弱者を生まず,誰もが安心してくらせる社会をつくるためにできることは? いまを生き,未来を変える君たちへのメッセージ.」
はじめに
第1章 財政のレンズをとおして社会を透視しよう
必要が生み出した財政/社会を映し出す鏡としての財政/特徴その一 小さくて信用されない政府/特徴その二 かたよった社会保障/特徴その三 公共投資が大好きな日本/特徴その四 農業に関心をうしなった国民?/特徴その五 教育への投資が少ない/特徴その六 税金は安いのに痛みは大きい/特徴その七 融通がきかない予算/社会をつくりながら社会を知る
第2章 小さな政府はどのようにつくられたか
政府が小さいということ/望ましい大きさを決めることのむつかしさ/インフレーションが生んだ「総額に気をつかう財政」/生き残った戦争中のことば/「勤労国家」と「自己責任の財政」/貯金をエンジンとした日本経済/低成長と公共事業の急増/ 「総額に気をつかう財政」とシーリング予算/自助・共助・公助の社会/なぜ財政は変わらなかったのか/経済の長期停滞と財政危機
第3章 成長しなければ不安になる社会
社会保険ってなに?/現金給付と現物給付がまざった社会保険/日本の医療と介護/お父さんやお母さんたちの苦労/家族への現金給付への反対/家族を大事にする/貧弱な障がい者給付/障がいの問題は自分の問題だ/生活保護とうたがう気持ち/勤労国家と僕たちの社会保障制度/小さな政府をささえる条件が消える
第4章 公共投資にたよった日本社会の限界
荒廃から立ちなおるための公共投資/農業経営の効率化への動き/公共投資が公共投資を呼ぶ/公共投資と人の動き/コミュニティがささえた小さな政府/公共投資と族議員政治/族議員政治の根っこにあった日本社会の分断/公共投資の激減と建設業の衰退/農業も衰退した/公共投資の削減が生み出す新しいコスト/公共投資にたよらない社会を考える
第5章 柔軟で厚みのある社会をささえる教育
少なすぎる日本の公的教育支出/生活が苦しくなり、子どもをあきらめる/おかしな教育の格差/なぜ公的な支出が少ないのか/奨学金問題/教育と経済成長/貧しくなった日本人/就学前教育の重要性/国際的な日本経済の地位/教育よりも経済が大事な日本人/よりよい社会のための教育
第6章 税の痛みが大きな社会をつくりかえる
増税のむつかしい国/毎年のようにくりかえされた所得減税/増税でサービスを改善する経験がなかった日本人/大きく変わった社会/余裕をなくしてしまった日本人/社会保障・税一体改革の意味/お年寄りも困っている/ 「袋だたきの政治」/人間を信頼できない社会と自己責任/税制と民主主義
第7章 「君たち」が「君たちの次���世代」とつながるために
「勤労国家」によるみごとな統治/経済成長という土台がくずれる/逆回転をはじめた「勤労国家」/相手を仲間ではなく他人と思う社会/小田原市の小さな物語/「何がちがうか」ではなく「何が同じか」を考える/ 「私」と「私たち」のちがい/現物給付をみんなに配る/「だれもが受益者」という財政戦略/格差が大きくならないか/現金給付と現物給付の決定的なちがい/重税国家ではない/経済の時代から人間の時代へ
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議会制民主主義の日本で納税者として暮らすなら、国の財政や税金の使用用途に関心を持つべきで、本書はそれをフォローしてくれる自分のような一般人は助かる一冊って感じです。
それにしても納税者として今の国の予算の使い方にはとても納得できていない...。「サステナブル・未来投資・将来わくわくする感」ってゆう概念が全く感じられなくて、どうしてだろうって考えていくと今の政府に行きついちゃうですが、何故こんな政府(主に自民党)が支持されるのだろうか、よくわからないっすね。