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ベルリン1919(下)
戦争が終わり,皇帝はいなくなった.新しい時代を夢見た人びとは,よりよい明日を求めて戦うが…….一九一八年から一九一九年にかけての冬,ベルリンの貧しい地区で育った少年ヘレは...
ベルリン1919(下)
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ベルリン1919 赤い水兵 下 (岩波少年文庫)
商品説明
戦争が終わり,皇帝はいなくなった.新しい時代を夢見た人びとは,よりよい明日を求めて戦うが…….一九一八年から一九一九年にかけての冬,ベルリンの貧しい地区で育った少年ヘレは,失敗に終わった革命を目撃する.二十世紀前半のベルリンを舞台に,激動の時代の転換期を労働者一家の目線でとらえた傑作三部作,第一巻.
目次
- 第二部 友と敵(続き)
- 第三部 怒り
- 第四部 どんなに遠い未来でも
- 原注
- 訳注
- あとがき
- 訳者あとがき
- 『ベルリン1919』にまつわるドイツ年表
- 【上巻目次】
- 第一部 不穏な空気
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紙の本
「希望」と「未来」が親子三世代で受け継がれていく大河群像劇
2020/10/28 10:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻は1918年クリスマス明けから1919年ドイツ革命の挫折までの期間を描く。
ドイツの警察小説・ミステリーには、必ずと言っていいほど舞台となる都市の地図が付いている。この三部作ではベルリン市街地が重要な舞台となるので、同じようにベルリンの地図がつけられているが、当時が目に浮かぶような文章を読みながら、革命の市街戦場となった施設・広場・街路を地図で追いかけると、ちょっとした臨場感を味わえる(帯推薦コメント『ベルリンは晴れているか』著者深緑野分氏も「描写が本当に素晴らしい」)。この点でも「ロス」を埋め合わせるためだけのものではなく、大人が読んでも十分楽しめる。
ヘレは子供ではありながら、「小さな伝令」となって革命軍に情報・武器弾薬の提供という危険な任務をこなしていき、ベルリンの街路・公園を走り回り、次第に革命の意義に理解を示すようになる。市街戦の真っただ中にいるわけではないので、市街戦の様子は遠くからみるものとなるが、革命指導者に逃亡支援の場面では、ヘレも重要な役割を果たし、緊迫感のある情景が展開する。ここから、すでに革命は失敗に終わったことがわかってくる。
3か月前の勝利から革命の頓挫までの短い期間は、いわば小休止のように、クリスマス休暇などの労働者階級の日常生活が描かれる。集合住宅の住民の間には、現体制か革命かで意見の相違はうまれつつあるが、第二部のように先鋭化はしていない。
第一部は、多くの、そして小さな別れの連続の物語でもある。革命に参加したトルーデ、ネレといった若者、ヘレが親しくなった赤い水兵の何人かは死ぬ。また、ヘレの通う学校では、生徒たちの尊敬を集めていたフレヒジヒ先生が教師という職責と体制への忠誠に折り合いが付けられず、学校を去る。ヘレの初恋相手アンニの一家が集合住宅を去っていく。
革命の頓挫、親しい人の喪失と別離はあるものの、ヘレの父親は希望を捨てていない。「俺が希望をつないでいるのは明日や明後日じゃない。ずっと先だよ。おれたちが始めたことは、大変なことなんだ。数週間や数か月で片づくものじゃない。何年も、いや、何十年もかかるかもしれない。」「夢の実現をおれたちが見られなくても、ヘレが体験できるかもしれない。あるいはマルタ。あるいはハンス坊や。ハンス坊やもだめだったら、その子供たち百年なんてたいしたことじゃないだろう。おれたちは明日のことを考えるんだ。」ヘレを市街戦へと誘った赤い水兵ハイナーは、「つまり未来に賭けるというんだな?」と答える。この「希望」と「未来」は第二部以降の物語展開のライトモティーフとなり、主要な登場人物を支える言葉となってくる。この言葉と決意は、ヘレ、そしてハンス坊やに受け継がれ、第二部へと続くだろう。
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ヘレがね……
2022/08/17 19:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
革命にばかり父と母は、……。(父は、片腕だけど…)挙げ句にヘレに、幼い妹と弟の世話をやらせて、父母がこんなんでいいのかと思いました。これでは、ヘレが気の毒だ。一方、エーベルトには、共感できませんね。