紙の本
「いい人生とは結果がどうあれ、決断できた人生のことをいうのではないだろうか」
2021/03/28 17:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひでくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
2013年以降にアウトドア雑誌『BE-PAL』に掲載されたエッセイ集。開始からしばらくはアウトドア関連の時事問題への考察など硬派なトピックを主に扱っていますが、回を重ねるにつれて徐々に下ネタや妻子の話題なども増え、文体も柔らかくなり内容に幅が出てきます。
投稿元:
レビューを見る
角幡さんの新刊。雑誌連載をまとめたもので、山のことから個人的な事まで書かれた散文的なもの。
第1章の「登山はスポーツか旅か?」「辛坊さんが救助されるのは当たり前」など角幡さんの冒険論の真に迫っていて、読み応えある。エロ登山とかかわいい娘への親バカ文章とか、気の抜ける文も挟んであって楽しい。本当に角幡さんの本は絶対外れない。
投稿元:
レビューを見る
2021年4月27日読了。
アウトドア雑誌「ビーパル」に同名のコラムを書いていてそれをまとめた本。
ちょうど同時に「極夜行前」を読んだばかりで時間軸が一緒だったので多少混乱。
コラムの書籍化なので読みやすい。
一冊を根詰めて読む本ではなく、手元において時間の空いたとき一話?ずつ手軽に読むほうがいいかも
投稿元:
レビューを見る
探検家・作家の角幡さんのエッセイ。
雑誌の連載をまとめた本で、著書には書けなかった登山や探検の裏事情、考えたこと等、探検活動に対する著者の想いが書かれていて大変面白かった。テーマはほぼ困りごと。探検家である著者には常に困り事が付きまとう感じがする。上手く行っていることは、別段書くことでもないので、困り事が話題になるのは仕方ない。家庭の事、妻との関係や旅行時の手続きのような些細な出来事から、極地での生死に関わるような問題まで、いろいろなテーマを取り上げて考察する。
著者の探検スタイルは、どちらかと言えば結果重視ではなくプロセスを楽しむことが重要と考えている。単にどこかに到達するだけなら、便利で安全な手段もあるが、人間と自然の一体感を感じるためには、多少の不便さ(昔のツール)を使ったほうが良い。楽しみ方の深さが違うと考えているようだ。
自分も彼の考えには共感できる部分がある。例えば、天体観測の趣味も、GPSを使った自動導入望遠鏡を利用すれば、簡単に目的の星を見ることができる。単に天体を見たいという欲望を満足させるには、それでも充分だが、星図を見て赤道儀の目盛りを読んで、自分の力で天体を導入した時の満足感は自動導入を上回る達成感があると思う。そういう不便さに楽しみを見出すのもひとつの方法だ。
ただ、その辺りはそれぞれの考え方次第だし。他人に薦めるものでもない。自分のスタイルを決めたら、それに従って行動し、ぶれないことが大事。この本を読んでいて、そんなことを感じた。
投稿元:
レビューを見る
これこそ読書の醍醐味だと感じた。
エッセイなので簡単な感じで書いてあるものの
人生で私が経験することがないであろう世界、
私の生活とは全然違う世界、
読むことで少しは想像できるように
なる、そんな感じ。
とはいえ生活感のある話や下ネタもあったりして
著者自身にも興味がわいた。
旅が好きなのもすごく伝わってきた。
また別の本も読むと思う。
人生における新しい局面は、向こうから
やってきた偶然とリスクを受け入れたときに
はじめで開けるわけで、さらにいえば偶然を
受け入れないかぎり、それまでと変わり映え
しない日々しかつづかない。
偶然を拒否する人生は、結果的にはつまらない
ものになるだろう。十年前に思い描いていたとおりの
人生をもし歩んでいるのなら、その人生は
その程度のものでしかないということもいえる。
という文章が印象に残った。
投稿元:
レビューを見る
「極夜行」の著者で知られる探検家、角幡
唯介氏のエッセイ集です。
内容は当然アウトドア系が中心ですが、自身
の探検にこだわりや、日常生活のちょっとし
た出来事など多岐に及んでいます。
特に、よく世間で言われる自己責任という
言葉に対しての著者の主張は非常に筋の通っ
たものであると共感させられます。
本人も遭難に見舞われれば、たちまち自己
責任と言われかねない立場にあるにもかか
わらず、毅然とした考えは立派です。
自己責任が伴わない行動など、今の社会に
はほとんど成立しない。
その上で救急車などの公の助けを受けること
に対して「自己責任だからほっとけ」となら
ないのだから、「公」の関与は全く問題ない
と主張します。
「自己責任」を言う人は救急車を拒否するの
でしょうか。
考えさせられる一冊です。
投稿元:
レビューを見る
「リスクを取ることがどうしても嫌なら、部屋に閉じこもってポテトチップスでも食べているしかないだろう」(P98)という状況になった今、「リスクを回避するあまり、行動を規制したり自粛したりする社会が健全であるのか」(P93)について考えます。コロナウィイルスに感染することが自分の不注意であれば、自分の責任?自分の能力や経験ではカバーできず、運・不運の問題であれば対応すべきリスクにふくまれない?登山や探検とは別の話とはいえ、日々の自分の行動をどう肯定したらいいのか考えます。
投稿元:
レビューを見る
服部さん狩猟にいった時に、感じた、登山と狩猟での山に対する感覚の違いについてはなるほどと思いました。
獲物をしとめた所の記述では思わず吹き出してしまいました。
投稿元:
レビューを見る
冒険作家界で現在最も信頼しています。
極夜行で2018年のノンフィクション大賞受賞してから快進撃続行中ですが、そんなに毎年毎年大冒険に出ていける訳ではないし、最終的には冒険といえる旅を出来ない年になるかもしれない。
そんな時に一番必要なものは文章力だし、それ以上に文章から立ち上がってくる魅力だと思います。その魅力というかオーラのようなものが彼には備わっていると思います。
冒険に関するものなのですが、限りなく雑談や日常の話で構成されているこの本も、冒険譚と同じレベルで素晴らしいです。誤解されそうな言い切りも恐れずガンガン語っていく所がとても小気味いいです。年上な感じがしてしまいますが実は僕より年下なんですよね。貫禄ありすぎてびっくり。
この間の娘に関する本も面白かったし、冒険以外の書き物でも十分勝負出来ることが証明されているので、積極的にエッセイを書いていただきたいです。
投稿元:
レビューを見る
著者のことは全く知らなかったが、タイトルにも惹かれて本屋で手に取った。登山家かと思ったが冒険家で、最近は極地で冒険活動をしているらしい。冒険の内容も凄そうだが、それは別の本にまとめられているようで、本書は冒険や日常を綴ったエッセイ(ビーパル連載の単行本化)。冒険活動を超えて文章が面白いので、著者の日常や考えも興味をそそる。
本書のおかげで、グリーンランドのシオラパルクという世界で最も北に位置する集落の場所も地図で確認したし(スカンジナヴィア半島の北端よりずっと北にあった。)、そこでの生活ってどんなものなんだろうかとか色々と想像が膨らんだ。
投稿元:
レビューを見る
2013年以降にアウトドア雑誌『BE-PAL』に掲載されたエッセイ集。開始からしばらくはアウトドア関連の時事問題への考察など硬派なトピックを主に扱っていますが、回を重ねるにつれて徐々に下ネタや妻子の話題なども増え、文体も柔らかくなり内容に幅が出てきます。
あとがきによるとタイトルは反主流、アンチ「巨人大鵬卵焼き」を意味するものですが、もう少し踏み込んで言えば、昨今流行りの「公募登山でガイドに登頂の是非を判断してもら」うようなエベレスト登山が顕す行動を拒否し、著者が本書でたびたび標榜する「行動のすべての過程に自らたずさわり主体的な決断を通して自由を味わう」信条を表明したものとも言えそうです。
投稿元:
レビューを見る
冒険家角幡唯介氏のアウトドア雑誌に連載されているエッセイ。
極夜行の前後の時期を挟んでいるので、また違った側面が見えて面白い。
いろいろなネタがある中でちょっと…と思う回もあるが、それもまた味がある。
他にもエッセイがあるので読んでみるか、冒険譚だけを読むかは悩むところ。
投稿元:
レビューを見る
家庭を持ちつつ、冒険が職業として成立する事が凄い。赤裸々な告白も小気味良い。家族サービスや自転車への思いに共感。自転車に乗っている者が、交通ルールを守ろうにも守れない、自転車に乗り辛い環境。自転車専用道路がない現状。車社会から少し自転車に配慮された道が欲しい。
投稿元:
レビューを見る
相変わらず角幡さんの文章はおもしろい。
エベレストには登らない。
なーんも考えないでただ流されてるまま生きちゃってる
私にはなかなか言えないわー。
ついつい主流に乗りたくなるんだよなー。
冒険には全く援助を受けてない、というのにそうなのかあっとびっくり。
てっきりいろいろバックがついてるのかと。
本当に自分がやりたいことをやってるだけなんだなー、
日本人には単独で動く冒険家が多い、というのが面白かった。
自然を征服しようとする文化と自然と一体化しようとする文化と。
どっちがいい、というわけじゃないんだろうが、文化的違いというものがてき面その行動に現れる、というのが面白いと思う。
投稿元:
レビューを見る
アウトドアや登山や冒険は、実際には遠い世界のことだけど、この人の書く冒険の話は大好き!
…たまにあるエロも好き笑