何気ない日常のなか、少年の成長の瞬間をとらえている
2001/04/04 13:48
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピアスは長編にいいものが多いと思っていたが、この短編集もなかなかだ。
とくに表題作の「真夜中のパーティ」や「カッコウ鳥がないた」がいい。ほかの短編も少年のなにげない日常に含まれる成長の瞬間というものをとらえていて素晴らしいが、内容のわかりやすさの点で特にこの二つが私は好きだ。
子供の生活、子供の意地悪なところ、冒険好きなところなど生き生きと描いている。
どれも良い短編です
2021/10/08 00:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
特に、真夜中のパーティーとアヒルもぐり、は、秀逸です!この作者の長編に、トムは真夜中の庭で、という受賞作品があるのですが、短編もうまいですねー
こどもから大人への切ない階段
2001/12/16 11:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピアスの短篇集は子ども向けの小説にしては珍しくシリアスで、何か劇的なことが起こるわけでもなく特に何かが変化するわけでもない。文章の間からたちのぼってくる生ヘの諦念や倦怠感は、カーヴァーの短篇を思わせもするほどだ。
「牧場のニレの木」や「川のおくりもの」のような作品をしんみりと味わえるようになったとき、こどもは大人への一歩を踏み出したと言えるのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
短編集。この中の『アヒルもぐり』という短編がすごく好き。最後のフレーズは、たまに口に出したりしてしまうくらい。
投稿元:
レビューを見る
謎めいたお隣さん。宝物の秘密の貝。子どもの日常生活におきる、小さいけれど忘れがたい不思議なできごとの数々。夢と現実の世界を行き来する印象的な8つの短編をおさめる
投稿元:
レビューを見る
フィリパ・ピアスといえば、「トムは真夜中の庭で」かな
トムは~は読んだことあるはずなんだけど覚えてないなー
そのうちまた読もう!
覚えてないけど、面白かったような気がしたのと
宮崎さんおすすめだったので、ちょっと楽しみにしてたんですが
あんまり面白くなかったかなー
面白くなかったというより、「え?こんな終わり方?」みたいな話が多かったような。
「真夜中のパーティー」
真夜中にハエのせいで目がさめちゃったチャーリー
台所に降りてったらおねえちゃん?のマーガレットが起きてて
ふたりでごそごそしてたらいちばん上のお姉ちゃんアリソンが起きてきて
やるなら徹底的に、と末っ子ウィルソンをつれてきて
余興を見せてパラダイスケーキという名前でポテトケーキをふるまう
次の朝ウィルソンはお父さんお母さんに報告するけど夢だと思われて本気にされず、消えたマッシュポテトもお母さんの勘違いで落ちつく
最後事の真相に気づいたっぽいお父さんが、特に何も言わなかったのが気になるなー
ただウィルソンに静かにしいぇほしかったのかな??
「川のおくりもの」
夏休み仲良く兄弟のように遊んでた従弟同士のふたり
生きてる貝をみつけて、川に箱を置いて帰る日まで確保してたんだけど
明日ローリーが帰るっていう夜中にダンは箱をひっくりかえしたい衝動とたたかう
というか、なんとなく?ひっくりかえそうとするんだよなー
結局しないけど・・
なんでかな?
うーん
「キイチゴつみ」
ものを無駄にするのがきらいなお父さんと
こどもたちがキイチゴつみに行く話
なんかこのお父さんかんじわるーい!
「カッコウ鳥が鳴いた」
近所の妹みたいな女の子をしぶしぶつれて
庭の向こうに探検にいく男の子の話
最後、妹じゃないってわかるのがオチなのかなー
迷子になっちゃって心配したよって話なのかな
わからんわからん!
あーーなんか、なんだろう
わたし、子どもの気持ちとかわかるかなーと思ってたけど
けっこうしっかり大人になっちゃってるのかも・・
子どもの頃の表現できないような鬱憤とか
形容できないようなキラキラしたものとか
そういうの忘れちゃってるのかもなー
なんか、ピアス読んでおもしろくない、と思った自分に
ちょっとがっかり・・笑
面白くないというより、解説してほしい、みたいな
だめだなー説明を求めてるなんて・・
投稿元:
レビューを見る
これも小学生の頃、父から譲り受けて。同著『トムは~』より更に好きな短編集。表題作では幼いながらにずっと感じていた不安(耳に虫が~という切迫した、しかし大人は聞き入れてくれない事件)が書いてあり、当時非常に安心した記憶がある。自分だけじゃない!という。
投稿元:
レビューを見る
おとな目線だと、「やっちゃだめ!」っていうこと、こどもはやりたがる。描かれているのは、ごく日常の生活風景なのに、すごく胸に突き刺さる。
投稿元:
レビューを見る
表題作と2人のジムの話がすき。
きいちごの話はいまいちかなあ。
父が嫌い。
車椅子でドライブはよかったなあ。
気持ちよさそう。
きっと大声で歌ってたんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
フィリパ・ピアスという作家の名前は「トムは真夜中の庭で」と「まぼろしの小さい犬」という2つの作品と密接に結びついている KiKi にとってこの本は今回が初読でした。 で、この本を今回手に取ってみたきっかけはこのブログの柱企画「岩波少年文庫全冊読破計画」の一環であるのと同時に「宮崎さんの推薦文」にもあったわけですけど、初めて宮崎さんの推薦文の中にこの本が入っているのを見た時には、逆に思ったものでした。 「あれ?? どうして、『トム~』の方じゃないんだろう??」と。
そうであるだけにこの物語への期待値は否応なく高かったことをまずは白状しておきたいと思います。 そしてその期待はまったく裏切られなかったということも・・・・・・。
まずは、この表紙の絵がいいですねぇ~。 そしてこの短編集1編1編の表紙頁にある挿絵が何とも言えない雰囲気を醸し出しています。 これらの挿絵はフェイス・ジェイクスという方が描かれたものです。 因みにこの方、同じ岩波少年文庫の中ではアトリーの「時の旅人」とか「グレイ・ラビットのおはなし」の挿絵も手掛けていらっしゃいます。 どの作品での挿絵もムード満点でこれらの作品が持つ空気感を見事に視覚化した挿絵ばかり・・・・・だと思います。
さて、肝心の物語の方です。 これは短編集で以下の8作品が収録されています。
よごれディック
真夜中のパーティー
牧場(まきば)のニレの木
川のおくりもの
ふたりのジム
キイチゴつみ
アヒルもぐり
カッコウが鳴いた
どの作品も主人公は現代の小学校くらいの子供たちで、その子供たちのある意味ではありきたりの日常の一コマを描いたものです。 でね、これらの作品群が読者に伝えようとしているのは、ありきたりな教訓話でも懐古趣味でもなくて、子供時代特有のモヤ~っとした感情・・・・のようなもの。 まだまだ幼いゆえにそれを理路整然と説明できないし、子供特有の気まぐれも手伝ってコロコロ変わったりもするんだけど、当の子供にとってはとっても大切な一時一時の気分・・・・・とでも呼ぶべきものなんですよね~。
そしてこの短編集のすごいところは、誰もがかつては抱いていた似たような漠然とした不安、自分で自分の気持ちがわからないような曖昧さ、親に叱られることがわかっていても(又は兄弟姉妹に泣かれることがわかっていても)やらずにはいられなかったある一時点での気持ちといったようなことを、情景描写の中で描ききっているうえに、ピアスさんがこういう形で描いてくれなかったら、失われたまんまになってしまったかもしれない・・・・・と思わせるところだと思うんですよね。
子供は子供なりに日々の生活を送る中で「ヒトという生き物が本来的に抱え持っている矛盾」に直面し、それを未消化のまま時を重ね成長していきます。 この短編集の主人公の子供たちも「ヒトの感情と行動の間に存在する、ほんのちょっとした二律背反性」を自分の中に、そして時に自分をとりまく大人の中に感じ取ります。
どの物語の子供たちも皆、それぞれの体験���中から「コレ」と明言できるほど明確なものではないまでも、その子供の「核」となりえそうな「何か」を得ていることがしみじみと感じられる素敵な短編集だと思います。
最後に・・・・・ 恒例の宮崎さんの推薦文を転載しておきます。
あるアニメーション映画を作っていて、くたくたになって帰った夜、ふとんの中でこの本を読みました。 短い作品の中に世界が描かれていました。 文学ってすごいなぁ、こういうのが文学なんだという思いがわいて来て、自分たちがおおぜいで毎日毎日夜おそくまで机にかじりついて、絵を描いても描いても、いっこうにできない映画より、この本の方がすてきだなあって、ちょっと悲しくなりました。
ここで仰るアニメーション映画が何だったのかとっても気になります。 でも少なくとも KiKi にとっては最近のジブリ・アニメだったらこれは間違いなく「仰る通り!」と思わないじゃありません。 宮崎さんには悪いけれど・・・・・(苦笑) いえ、これは「まだまだ宮崎さんには期待しているんだから!」というエールも含めてなんですけどね。
投稿元:
レビューを見る
ピアスの名作『トムは真夜中の庭で』を読んだのは20代だったと思う。その頃、他の作品も読んだかはっきりしなかったのだが、この短編集のタイトルになっている『真夜中のパーティ』の途中、(子どもたちが夜中に台所に集まって、年長のアリソンが、マッシュポテトを全部使ってポテトケーキを焼き始め、寝ている末っ子まで起こすよう言うくだり)で、思い出した。そのなかなか大胆な発想が効を奏して、しかも面白かったことを…。
それは、ともかく、今、読んでもいい。まあ(これは持論だが)優れた子どもの本は、大人のへたな読み物よりよほど味わい深い。
岩波少年文庫についての本にも、どなたか書かれていたが、字も大きいし、年配になってからも尚、お薦めシリーズ(作品群)であるのは、もっともなことだと思うなぁ。
投稿元:
レビューを見る
繰り返し出てくる、ガラスの壁の向こうにいるみたいな大人たちがちょっと気味悪い。子供の目にはぼくもそう見えるのかな。
ほの暗い、座りの悪い話が多い。子供向けでこういう本があるのかとちょっと意外だった。こういう話を書く動機というのがどうも見えない。読む動機も見えない。面白いかというと面白くない。むしろこれを読んだ子供の話を聞きたい。
投稿元:
レビューを見る
魔法も妖精もでない、普通の子供の日常を描いた物語。
それなのに、とんでもなくわくわくする。
なんて、子供の日常は素敵なんだろう!と思わせてくれる。
隙間から流れ出る、切なさも見過ごしてはならない。
投稿元:
レビューを見る
1つ1つが完全に子どもの視点から書かれている作品ばかり。
大人からみれば、何気ない日常の一コマで
記憶にすら残らないことばかりだろうけど
子供とってはそれが忘れられない記憶になることが
たくさんあるなっていうことを思い出させてくれる本。
投稿元:
レビューを見る
読みながら何となくピーターラビットの世界を思い浮かべた。主人公達はウサギじゃなくて人間の子供達だけど、舞台が同じ、イギリスだからかな?
子供達の心を動かす、日常生活の一コマが各短編に描かれている。子供の心って単純であり複雑でもある。自分もかつてはこんな心を持っていたのだろうなと懐かしい気持ちになった。
この本めちゃ好みだわー。