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商品説明
1970年3月、大阪で万国博覧会が開かれた。のべ6400万人もの人が訪れ、21世紀への未来を仮想体験したのだ。今再び大阪万博を振り返り、当時繰り広げられた未来の世界はどんなものだったかを探る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
串間 努
- 略歴
- 〈串間努〉1963年千葉県生まれ。国学院大学中退。B級文化研究家。著書に「ザ・おかし」「まぼろし小学校」「子供の大科学」など。
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紙の本
蜃気楼の中のワンダーランド「万博」へ
2002/04/22 04:14
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投稿者:tact - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は私を「今」、万博に連れて行ってくれました。写真は参考程度にとどめられていて、アンケートやインタビューやエッセイ、数多くの資料、著者の軽妙な語り口によって、あの6か月間の日本の熱狂ぶりを再現しています。開催前のなんと明治からの構想から始まり、会場の様子、人々の姿、さまざまな事件、そして閉会式とその後のパビリオンの行方まで追っています。日本全体が熱にうかされたように万博一色に染まっている様子が伝わってきます。
当時の万博へは行きました。私は8歳で、そこはもう、それはそれは素晴らしいワンダーランドでした。ものすごい人ごみだったこと、赤塚不二夫さんのニャロメやア太郎が出てくる漫画のガイドブックを買ってもらったことを憶えています。泊まる所が見つからず散々歩いて疲れたことも。…って肝心の会場内の記憶がないんですね。楽しかった、でも何を見たんだろう。呆れるほどに憶えていなくて悲しい。
そんな私にとってはこの本は万博体験のやり直しです。万博を知っている人も知らない人も当時の熱病をこの本で体感して下さい。面白いことに著者の串間努さんは万博へ行っていないのだそうです。
それにしてもアンケートに回答した人は、よくいろいろ憶えていることかと感心します。読んでいて思わず懐かしさを…感じないんですね。本当にさっぱりと忘れちゃっているんです。
でもひとつだけ思い出させてくれたことがあります。それは他ならぬシンボルタワーの太陽の塔。会場で実物、おなかの白い顔の部分を見た時のその威容には圧倒されました。そのバカデカさと表情に神々しさを感じたのです。行く前は「変なモノ」としか思えなかったのに。