紙の本
もっと欲しい翻訳
2002/05/13 08:41
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネロ・ウルフのシリーズは米国ではテレビ化されて、かなり有名であるが、日本ではほとんど知られていない。訳書も本シリーズの3作しか出版されていないのが不思議なくらいである。ネロ・ウルフはグルメで蘭の愛好家で、テレビではでっぷりと肥っていて、我がままで愛すべき探偵である。この種の探偵に付き物の助手が語り手になっている。
レックス・スタウトの筆は冴えていて、冒頭から作品に引き込まれていく。この辺は実に見事な出来栄えである。リゾート地に世界各地から著名な料理長が集まる例会があり、ウルフはここでの講演に招かれた。もちろん、講師としてである。出不精のウルフであったが、助手のグッドウィンに愛想を付かされ、世話を焼かせながらの列車の旅であった。
著名な料理長たちの人間関係は複雑であるが、そのうちの一人が殺されてしまう。ここから犯人探しが始まる。当然、探偵であるウルフが活躍するのだが、講師としてリゾート地に来たウルフはなかなか腰を上げない。助手がイライラするパターンである。
当然、依頼人が数名訪れるが、ウルフはそれでもはっきりした返事はしないのである。ところが、犯人が犯行隠蔽のためにウルフ自身を銃撃する挙に出た。結局、見事に犯人を探し出し、地方検事と保安官に引き渡す。ウルフは料理長の一人に感謝されるが、金は要らないという。その代わりにその料理長が他人には明かしていないソースのレシピーを伝授してもらうことにしたのだ。いかにも美食家のウルフならではの報酬であった。
グルメで蘭を愛好するデップリと太った探偵などは、あまりにも紋切り型で読む気がしないという方も多いことだろう。勿論、それも否定はしないが、人間的に魅力のある探偵が少なくなった昨今、珍しくもGOODでOLDなキャラクターではないか。
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ネロ・ウルフのシリーズです。
この本も翻訳の方の文章がステキ。
出てくるお料理が美味しそうなので。
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これまた、高校の自分的ミステリーブーム時に読んだ本。論理展開がすっきりしていて、事件の種明かしが分かりやすかった気がする。意外と敷居は高くない、本格ミステリー。
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翻訳がちょっと苦手な感じで読みにくく、そのためになかなかストーリーに入り込めなかったのが残念。犯人を暴いていくのはすごいんだけど、驚ききれなかった、というか。全編に散りばめられた料理もイマイチどうなのか想像しきれなかったのが残念。私の想像力が貧困なのか。
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ネロ・ウルフの名前はずっと知ってたけれど、実際にストーリーに触れたのは、ドラマ版を観てから。ドラマ版が変でおもしろくて、小説版も手にとりました
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私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2013.7.5読了
今更の古典ですが、やっぱり面白い。
どうも、こういうの好きなようです。
ユーモアとアイロニーを含んだ文章に、単純なようでいて、うまく伏線をちりばめた構成。謎解きも、あっと驚かせるものではないけれども、最近のもののように奇を衒って、無理筋を通すものではなく、合理的な解を見せている。
キャラクターも、類型化しているようでいて、それなりに心情の動きが伝わってくる。まあ、どうしても、この時代は女性の書き方がワンパターンですが、これはしょうがないんでしょう。
ただ、グルメ探偵などと言われているので、けっこう期待していましたが、料理の書かれ方は、あんまり大した事ないです。
書かれている食事のメニューなどはともかく、近年のグルメの大衆化で、近頃の小説では、別にグルメ探偵が出て来なくても、その辺はずいぶん進歩しているんだなと思う。
解説を読んでも、やはり、その辺の古さ?を感じる。その中で、レシピ集が巻末に付いていると書かれていて、何で翻訳されてないんだー、と激怒していたところ、こちらのレビュアーさんがサイトを紹介下さっていて、たいへん嬉しかったことを記しておきたいです。
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話の流れ、個性的な登場人物、ネロの頑固オヤジっぷり、個人的には言う事なしで面白かったです。
物語の締め方もすごく綺麗だったと思います。
ただ独特な表現の仕方は人を選ぶかもしれないと思います。
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『ハサミ男』を読んだ際にですね、若手刑事が「ネロ・ウルフが~」とかなんとか言ってたのが気になって本書を読んでみました。最初から誰が殺されるのかわかっちゃってるし、派手な展開もないので退屈でした。
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タイトル通り、料理長が多い(笑)。クィーンの作品にも横文字の名前が30人を優に超える物もありますが、今作は【全員、料理長】という肩書きの上に名前が覚えにくく、その上有力容疑者以外のエピソードの描写が弱いので、中途で名前が出てくる度に「誰だっけ?」と手を止めること数回。
翻訳もちょっと取っ付きにくくて、なかなか読み進めるのに苦労しましたU・x・U
多分、フォントが今ではあまり見ないタイプのせいもあるかも…。
ある女性の証言に綻びを見つけて、そこからハッタリをかましたり宥めすかしたり。口をつぐんだり嘘をついている関係者をあぶり出す手腕が、まあえげつないです(笑)。百戦錬磨のネロ・ウルフの老獪なやり口やアーチー助手との軽妙なやり取りは読み応えもあったんですが、昨今の新本格に慣れた私には些か地味すぎました…U・x・U
屈指の名シェフ15人が集い、味ききゲームという趣向が凝らされた席上でシェフの1人が刺殺された。並み居る出席者ほぼ全員に男を殺害する動機があり、主賓として招かれた美食家名探偵・ネロ・ウルフに事件解決の依頼が舞い込むが…。
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世にもまれなる、グルメ探偵ネロ・ウルフ。
この探偵も、作者のレックス・スタウトも、欧米ではとても人気があるそうですが、日本ではあまり知られていない。
かくいう僕も、初読。(そもそも、そんなにミステリには精通してませんが)
まあ、なんといっても、タイトルがいい。
いやでも興味を惹かれてしまう。
そして読み始めたところ、いきなりの豪華な料理の解説にそのページの大部分を割くという、この圧倒的なグルメっぷり。
なかでも、ソーシス・ミニュイの、想像の域を遙かに超えた、「食べたくなる感」は、異常。
それ以外にも、おいしそうな料理がこれでもかと押し寄せてきます。
詳しくは、詳しいサイトがあるので、そちらを参照のこと。
「Bistro Wolfe ネロ・ウルフのレシピ公開」
http://members.jcom.home.ne.jp/4054323601/wolfe/cook.html
そして、ミステリとしての味わいもそうなんですが、なによりも、一番深く、そして味わい深い、他と隔絶した魅力は、なんといっても、探偵ネロ・ウルフその人。
なんと、依頼を受けない。
えっ。
「夫が殺されます!」と訴えているご婦人がいるのに、「警備のものを付けろ。自分は探偵だ」と断る。
ええっ。
日本の多くの探偵が、金ではなく正義によって動くように、探偵というものは、いつの間にか、「正義感で動く存在」になっているのが一般的なミステリにおける探偵というものだろうと思うのですが、正義感なんて食べられもしないものでは、このネロ・ウルフは動きません。
お金なんかでも動きません。
それもそのはず。ちょっと部屋を移動する、着ているものを着替える、ただそれだけで大変な思いをする巨漢ですから。(意味が違う)
しかし考えてみると、世界的な名探偵たちは、決して正義感だけで動くわけでもなく、また、まっとうでまともな生き方なんて、誰もしていないのが常でした。
シャーロック・ホームズしかり、エルキュール・ポワロしかり、御手洗潔しかり。
変人であるが故に、探偵は探偵たり得るのだとでもいわんばかりに、考えられ得る限りのどっかしらおかしい奴らこそが、探偵であることに対して妙に説得力を持つ奴、ということになるのでしょう。
そしてこのネロ・ウルフ。
ものの見事に、変人探偵。
きっと、変人探偵としては、上位にランキングされていることでしょう。
「ネロ・ウルフ」
http://homepage3.nifty.com/TeaPlease/page067.html
まさかの、『探偵オペラミルキィホームズ』で、その子孫がいるくらいだから……。
「TVアニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ」公式サイト」
http://milky-holmes-anime.com/
ミルキィホームズは別に全然詳しくないし見てもいないんだけど、設定は面白そうなんだよなあ……。
ともあれ、パロディ作品もいいけれど、もっとたくさん、原典のシリーズを読みたいのですが、邦訳、けっこう少なそうですよね……出してくれないかな……ハヤカワさん���…。
あと、ネロ・ウルフがあれだけこだわった絶品ソーセージ、ソーシス・ミニュイ、食べたい。
食べたい。
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蘭と麦酒を愛する美食家名探偵ネロ・ウルフ…だそうです。
生憎と、この作家の作品はこれが初めてなので蘭に対する情熱は分かりませんでしたが、しこたまビールを飲んでいたのは印象深い。
あと、美食に対する欲求。
探偵小説はあまり読んでいないのですが、ここまで己の欲求に対して率直な探偵というのは珍しいような。
高額な報酬よりも、快適な生活。
高額な報酬よりも、美味なるソーセージのレシピ。
いっそ、清々しい。
あと、助手のグッドウィンさんとの掛け合いも面白いですが。
惜しむらくはシリーズ物として最初から追っていけばなお楽しめたんじゃないかという点。
いわゆる『お約束』のやりとりも、初見であれば分かりませんからな。
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著者の1938年発表の第7長編で、ネロ・ウルフものとしては第5作目となります。
15人の名料理長を5年に一度選出するという晩餐会(美食家ウルフにぴったりのシチュエーションですね!)に主賓として招かれたウルフが、その料理長の一人が殺されるという事件の謎に挑みます。
毎度のことながら、謎解きとしては、正直小粒な感は否めないのですが、助手であるグッドウィンとのやり取りや、犯人をおいこんでいく、ウルフの切った張ったの駆け引きが何とも楽しいです。
本作品では、これに加えて、普段外出しないウルフが旅行に出掛けるという設定の面白さや涎の出そうな(笑)グルメの蘊蓄もあり、シリーズ屈指の記憶に残る作品になっています。
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図書館で。美食と麦酒を愛するネロ・ウルフさんは好感度高いです。読み終わって牡蠣とターキーが食べたくなりましたがそれにしてももう一つの料理がわからない。気になるなあ。
取りあえずレシピの為に頑張るウルフさんは少し愛らしくもあったり。アーチーさんは皮肉と毒舌の人なのでなんとなくとっつきにくいですね。
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ちょっと、ぴんとこなかった。
キャラクターモノなんで、ファンにとっては「ツボ」な描写なんだろうなっていうところが多すぎて、、、。「高級料理に対するアメリカの貢献」スピーチとかファンは垂涎ものなんだろうと推察されるけど。
あと、タイトル通り料理長(登場人物)が多すぎて頭の整理が追い付かなかった。
シリーズの最初に読むにはきつかったかも。
機会があれば、別作品で再トライしたい。
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有名なネロ・ウルフシリーズで、相変わらずキャラの魅力は抜群だし、読んでいてとにかくソーセージが食べたくて仕方なくなったんだけど、本格推理小説としてはちょっと食い足りないかな。