まるで「いだてん」サイドストーリー
2019/08/11 23:20
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投稿者:扇町みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、志ん生が語った半生を、お弟子さんが文字化したものです。口述筆記というやつですね。
今年の大河ドラマ「いだてん」では、日本で初めてオリンピックに出場した金栗四三や、東京オリンピック招致のストーリーが柱となっていますが、ストーリーテラーとなっている古今亭志ん生のストーリーも描かれています。
老年の志ん生をビートたけしさんが演じ(ほぼ落語シーンで語りの役割)、若年期は森山未來さんが演じています。
先日読んだ『志ん生の食卓』もそうだったのですが、文章を読んでいて、脳内でビートたけしさんの声で再生されました。
今回は更に、いろんなエピソードが森山未來さんorビートたけしさんで映像で脳内再生されました。
奥さんの嫁入り道具を1週間ですべて質に入れ、お酒を飲んでしまった志ん生、なめくじ長屋でなめくじと格闘する志ん生、このあたりは森山未來さん。
終戦後、満州引き上げのあたりはビートたけしさん。
大河ドラマや朝ドラで、続編やサイドストーリーをやることがあるのですが、ぜひぜひ本書を基に映像化して「志ん生物語」を正月時代劇あたりでやってほしいものです。
NHKさん、宮藤官九郎さん、よろしくお願いします!
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投稿者:gb10 - この投稿者のレビュー一覧を見る
しょっちゅう読み返すもんじゃないけど、噺家が口述したもんを本にしたものってぇのは面白い。さすがに噺のプロ、それも名人が書いたもんだから、息遣いまで聞こえてきそうな気がしてしょうがねぇや。なめくじ長屋時代のびんぼう自慢は、読んでてそのぉ勇気が出てくるっていうのかなあ。
同じ時代の文楽の「あばらかべっそん」、それと談志の楽屋話、上方だったら米朝師匠の「上方落語ノート」「上方落語地図」。
そんな中にあって志ん生のこの「なめくじ艦隊」と「びんぼう自慢」は、自らの苦難を江戸っ子らしくカラッと洒落のめしているところが粋で潔い。
CDで志ん生の落語もたまに聴くけど、あの声はアレだね。α波って言うのかね。
寝る前に聞くとアレだ。アレだよ、何だっけ?
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落語家古今亭志ん生さんは人生そのものが落語のような人で死ぬ間際までお酒を飲んでいたそうです。タイトルのなめくじ艦隊は貧乏長屋で暮らしていて壁にナメクジがぞろぞろ這っていた、そんな家に住んでたよ、という意味。
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自分が勝つ為に見苦しいまでにやったってどうする、客を喜ばせるためにやるのが相撲や野球じゃないのかい。。。とまあ、こんなことが語られている落語家のエッセイ。最近でいえば日ハムの新庄なんかは、まさしくこれですよ。かっこいいったらありゃしない。そんな気質、そんなカッコよさが満載の古今亭志ん生の有名な1冊。中でも、敗戦後の満州で受けた恩と、その後日談が極めて良い。金じゃ買えないものは、こういう心持ちでしょうね。
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志ん生は落語界のみならずすべての芸能のなかでの最高峰の一人である。けれど、この人ってのはよく分からないんですね。この人本当に頭が良かったのかなあ?って。いや、よくないよ。存在自体が落語そのもの。まあ、だからと言っちゃなんだけれど、・・・そこまでこの本は面白くないですね。いや、面白い具があるんだけれど、上手に料理できてないんですね。時代を知りたいのなら良いけれど。噺をしてるほうが面白い。まあ、けれど、やっぱり良いんですね。それでも良いんですよ。美濃部孝蔵という人間がどんな人だったかが分かる。
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昭和の香りがする本。この世界を記憶の片隅にでも持っている人がどれだけいるのだろう?という私も、落語で語られていた世界を知らずにいる。だから、最近の人にだって意外とこの本の内容がわかるものなのかもしれない。(2008.2.17)
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110317byWhat?←笑
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敗戦とデマ237, しらみで死ぬ245, ~恩は返せない281 ←climax of 戦争満州
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12, 55, 57, 67, 117, 159:落語をよく聴きにくるような人はたいがい出世が早い。みんな立派に出世している。 165, 188-9, 221, 277, 287, 296
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図書館で。そしてこの雨が降ると洪水になる長屋付近に今、スカイツリーが建設されたということを姉に聞きました。…地盤は大丈夫なのか。恐ろしい。
それにしても10cm以上で赤茶色でって…嫌ななめくじだ。アメリカで見たなめくじがまさにそんな感じで(直径2cm~3cmぐらいあって、背中に筋が入っていて塩かけても死なない。脱皮して逃げていく感じの)恐ろしかった思い出がありますが日本にも存在したんですねえ…。その時はさすがアメリカ、全てにおいてスケールが違うと思ったんですが。
それにしても昔の遊びや芸を知る人がいなくなってしまったので噺が上手くなくなった、と言うのはわかるような気がします。でも聞いているこちらだって江戸は大分遠くなっているのだから仕方ないですが。仕方ない…けれどもやはり芸人は粋であってほしいですね。芸や遊びに通じているからあのどうしようもないな、と言う落語の主人公とかを上手く演じれるのかなあと思ったりしました。
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古今亭志ん生の自伝。「貧乏自慢」は晩年に書かれたものだが、こちらは60代で、やはり本書の方が熱を感じる。とくに戦中と戦後の引き揚げの話が生々しい。
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本書は、志ん生が語った半生を、お弟子さんが文字化したものです。口述筆記というやつですね。
まるで「いだてん」サイドストーリー
今年の大河ドラマ「いだてん」では、日本で初めてオリンピックに出場した金栗四三や、東京オリンピック招致のストーリーが柱となっていますが、ストーリーテラーとなっている古今亭志ん生のストーリーも描かれています。
老年の志ん生をビートたけしさんが演じ(ほぼ落語シーンで語りの役割)、若年期は森山未來さんが演じています。
先日読んだ『志ん生の食卓』もそうだったのですが、文章を読んでいて、脳内でビートたけしさんの声で再生されました。
今回は更に、いろんなエピソードが森山未來さんorビートたけしさんで映像で脳内再生されました。
奥さんの嫁入り道具を1週間ですべて質に入れ、お酒を飲んでしまった志ん生、なめくじ長屋でなめくじと格闘する志ん生、このあたりは森山未來さん。
終戦後、満州引き上げのあたりはビートたけしさん。
大河ドラマや朝ドラで、続編やサイドストーリーをやることがあるのですが、ぜひぜひ本書を基に映像化して「志ん生物語」を正月時代劇あたりでやってほしいものです。
NHKさん、宮藤官九郎さん、よろしくお願いします!
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若い頃のエピソードは手のつけようのないほどの悪童で、後に紫綬褒章を貰えるような人間には思えないのだが、時代もあるが、とても普通じゃ経験しないような人生を歩み、晩年の古今亭志ん生と成ったことがわかる。