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紙の本
序説・オンライン古本屋
2008/09/06 22:47
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「古本屋になりたい!」
もしくは、
「本に囲まれて生活したい!」
はたまた、
「本に埋もれて死んでもいい!」
と思ってる人は一度この本を読んでみた方がいい。
現職(?)の古本屋でもある、ライターの北尾トロ、つまりは我らのトロさんが、古本屋になる方法を懇切丁寧に教えてくれているからである。
現在の出版ギョーカイは、皆さん耳にタコができるまで聞かされていると思いますが、相当厳しいらしいです。出版社は潰れていくし、老舗の古本屋は潰れていくし、そもそも本が売れないし。元気なのは毎日出版される新刊の数字だけ。うーん、不安だ、不安で仕方が無い。このまま本という媒体をめぐる環境はどんどん先細りしていく一方なのだろうか。
などと、暗い話は置いておいて。そんな暗い雰囲気に活路を見出したのが、このオンライン古本屋というショーバイ。実際、私はそんなに利用するほうではない。利用したとしてもAMAZONが精一杯。数多くのオンライン古本屋を見回る気にはなれない。なぜか。
一利用者として言わせてもらうならば、まず、時間の節約。現物を手に取る新刊書店とは別に、わざわざオンラインで見回る気にはなれない。そんなことするよりか、大手のオンライン古本屋(例えばAMAZON)でダーッとおおまかに調べればそれで良い気分になってしまう。この本が初めて世に出た2000年に比べ、オンライン古本屋の数は相変わらず多い。どこの古本屋が良いかは、必然在庫の数にかかってくるのだが、それを調べるのが億劫。目録形式のオンライン古本屋が多いため、丹念に「ここはどんな物が置いてあるのかな~」が出来ない。「当店はこういう本を扱っています!」は確かにトップページに書かれているが、それでも結局目録を調べることに変わりはない。店頭の品物を実際見て取る(視覚からの情報が多い)のに比べ、タイトルを読まなくてはならない(視覚からの情報が少ない)オンライン古本屋は、そこが依然としてネックであると思う。またAMAZONを引き合いに出してしまうが、その物量、その検索能力、その集客力からしても、現状ではやはり、AMAZONの一人勝ち状態であり、「オンライン古本屋」という肩書きには、どうしても「副収入」のイメージが付きまとう。そこからの脱却を図る為、新たに商品価値を付加した店舗だけが頭一つ抜きん出ている。マジでオンライン古本屋をやるには相当の覚悟が必要だ。トロさんのように、他に職業がある人なら、「好きなことをやって楽しい」状態になれるかと思われるが…。
魅力的な内容で、私などは、すぐさまにも「オンライン古本屋になりたい!」と思ったが、以上のような不安もある。出版業界先細りの状況では、確かに画期的で、これからの時代を見越したショーバイだと思うのだけど。
オンライン古本屋の楽しい点(「仕事は忙しいけど、それもまた楽しい」を含む)は分かった。次はオンライン古本屋の負の面をベンキョーしたい、と欲張りな私は思ってしまうのである。マジでオンライン古本屋をやりたい人は、くれぐれもこの本だけを読んでショーバイを始めてはいけないと思う。
とは言いつつも、オンライン古本屋の始め方、仕事内容を理解するには充分な良書ですよ。