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- カテゴリ:幼児 小学生
- 発行年月:2006.10
- 出版社: ブッキング
- サイズ:21×22cm/1冊(ページ付なし)
- 利用対象:幼児 小学生
- ISBN:4-8354-4255-5
紙の本
タックそらをゆく
著者 たむら しげる (さく)
タック少年と犬のスキップはある日、けがをした白いトリを見つけました。タック少年はその白いトリを家へつれて帰り、けがの手当てをし、クックと名づけて世話をしてあげることにしま...
タックそらをゆく
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商品説明
タック少年と犬のスキップはある日、けがをした白いトリを見つけました。タック少年はその白いトリを家へつれて帰り、けがの手当てをし、クックと名づけて世話をしてあげることにしました。チョコレートにバナナにソーセージ…何でもよく食べるクックはみるみる成長していきます。そして季節はめぐり、ついにタック少年をせなかにのせてとべるほど大きくなったクックでしたが、ひょんなことからまちじゅうが大さわぎになって…。【「BOOK」データベースの商品解説】
けがをした白いトリを見つけたタックと犬のスキップ。手当てをし、クックと名づけて世話をしてあげることにしました。やがて、タックを背中に乗せて飛べるほど大きくなったクックでしたが、ひょんなことから町中が大騒ぎに…。〔小峰書店 1980年刊の再刊〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
たむら しげる
- 略歴
- 〈たむらしげる〉1949年東京生まれ。桑沢デザイン研究所修了。画集「メタフィジカルナイツ」で小学館絵画賞受賞。絵本に「ランスロットとパブロくん」「ながれ星のよる」など。
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紙の本
長女が言うんですね、この本の中で「タック」っていうのは一度しか出てこないんだよ、書評で書いてくれてもいいよ、って。でも、私は、復刊ということを知らずに、たむらの新しい展開かと思ったことのほうを書きたい
2006/10/29 00:20
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
装幀、イラストについての表記がありません。ま、装画については、たむらで間違いはないんでしょうが、誰がこの本のデザインをしたの?くらいは、いかに復刊本であるからといって、おざなりにされていいのか、とは思うんですね。そうそう、肝心のこと書いておきます。これって、1980年に小峰書店から出版されたものを、今回、読者のリクエスト投票によって復刊したものなんです。
そうなんですよ、忘れてました、ブッキングという出版社のありかたを。だから、私は新刊案内を見たときに、「お、大好きなたむらさんの新作だ、でもいくら絵本だからって、頁表記じゃなくて、一冊ってえのは、ねえんじゃねぇ?」て思うばかり。まそれはともかく、私は受験生長女と思わず盛り上がったんですね。
「見てごらんよ、たむらしげる、なんだか長新太になっちゃったよ」
「作風の変化っていうより、たまたま描き方を変えただけじゃん?」
「もしかして、長新太さんがいたから、自分の好きな描き方、出来なかったりして・・・」
「それより、タック、ってこの子の名前なんだけど、この本の中で一回しか呼ばれたないんだよ」
「え、タックって、鳥のなまえじゃなかった?」
「それはクック」
「げっ、うそ!?」
「ホント、書評で使っていいからね、タックは一度だけお母さんが使うだけ」
「でも、もっと出ていたら書評、馬鹿にされるからね、それより、なんでクックが突然大きくなったのかわかる?」
「あ、ここね、わかんない」
「あんたでもわかんないんだ、でも不思議だよね、突然大きくなっちゃうんだから」
とまあ、延々と続いて、そのまま娘の苦手な受験勉強の英語の話になって、それを横で高一次女がニコニコしながら聞いていて、夫が「お前ら、話を止めるって言うことを知らんのか、おい、果物、それからコーヒー。大体な、お前の話、だらだら続きすぎ、だから成績も」となるんですが、例えばクックが大きくなったのは、どこか、なんて書こうとしても頁が振っていないから、お話の後半としか言えないんです。うーん、なぜ絵本に頁がない?それとも振っていないのは偶々この本?
いや、頁の話じゃあないんです。実はこの本の画風を、私は変化と呼び、長女は選択と解釈したんですが、これって、本当は1980年に初版が出ているんですね。ということは、このスタイルこそがたむらしげるの原型なんでしょ。いやはや、受験前の大切な時期に30分も無駄な議論をしてしまったぞ・・・
とまあ、自分の愚かさを思い知るわけです。ちょうと橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』を読んでいるところなんですが、そこに「「自分の都合」を第一にして生きる人というのは、失敗や間違いばかりをしでかしています。前提が「自分の思い込み」なのですから、それも仕方がないでしょう」とあって、胸にズキンときたりして。
ま、絵本ですから登場人物は少ないです。少年タックがいて、お母さんがいます。家には犬のスキップがいる。で、タックが怪我をした鳥を見つけます。家にもって帰る。鳴き声からクックととなるわけで、あとはクックの悪戯と成長のものがたり。
いかにもペンで描かれた、といった微妙な揺れを見せる線が、なんとも魅力的です。しかも、その線は単純に閉じません。交わる手前でふっと止まる。円だって、閉じていない。でも線の太さにはあまり変化はありません。ほぼ均質な線が、色を切り分ける。でも、線が途切れていても、色だけは変わったりもする、そのハンドメイド感がいいですね。コマ割がきちっとされているところはコミックス。ちょっと外国作家の作品を思わせたりまします。