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紙の本
『恐慌論』
2016/05/31 18:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
2007年に浮上したアメリカ発のサブプライム金融危機は記憶に新しい所だ。
世界恐慌と呼ばれる最初のものは1857年に起こったものと言われるらしい。
本書は1953年(昭和28年)の発行で戦後まもなくと言われる時期の刊行であるが著者の先見がいかに高かったかを示すし、マルクス自身も『資本論』の中で恐慌について触れている。
資本主義社会においてはこの経済膨張=バブルと破綻=恐慌が繰り返されるようにマルクスも書いているようだがその理論をしっかり読み込んで宇野経済学は発展したのだろう。
同時に『資本論』では資本主義経済のその先を予見するような文章もあるようだがまだ『資本論』自体に手を出していないので分からない。
それにしても、こういった理論・理屈が以前から示されているにも拘らず人類はと言うか、資本主義はバブルとその後の破綻を繰り返す。
そうなるであろうことを予想できるのにヒトは少しでも多く稼いでおきたい動物であるようだ。
本書中、214頁にあるが「いうまでもなく資本主義の発生の過程も、その成長の過程も、さらにまた崩壊の過程も、個々の国々にとってはそれぞれ特殊の過程としてあらわれる。一般的には先に資本主義の発展を見た国々の経験した過程は、後に資本主義化する国々にとって基本的には同一の過程を繰り返すものといえるのであるが、そしてそれは原理が歴史的過程を通して貫徹していることを示すものともいえるのであるが、それもその資本主義化の時期によって種々異なった様相を示すのである。崩壊の過程にしても同様である。」
とある。
結構、文調が独特なのもあるが慣れると読み易いと思う。
更にその内容が殊の外理解し易いので大いに助かる感じがしている。
本書でも具体的な数字を挙げながら恐慌が発生するシステムについて詳述されているのだがそれでもまた繰り返す人類は相当アホなんだろうか?と、思わずにいられない。
こうなると資本主義のその先はどうなるのか大いに気になるけれどそれまで生きている可能性が低い。
それでも生きている間中は色々な本や著作を通じて勉強して行きたいもんだ、と思った次第。