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商品説明
【産経児童出版文化賞大賞(第68回)】なだらかな丘にはさまれた浅い谷「やと」。やとの自然とそこに暮らす人々の150年あまりのいとなみを、道ばたの十六羅漢さんと一緒に、じっくりと見ていく絵本。【「TRC MARC」の商品解説】
「やと」とは「谷戸」とも書き、なだらかな丘陵地に、浅い谷が奥深くまで入り込んでいるような地形のことをいいます。
この絵本では、東京郊外・多摩丘陵の谷戸をモデルに、そこに立つ一軒の農家と、その土地にくらす人々の様子を、道ばたにつくられた十六の羅漢さんとともに、定点観測で見ていきます。
描かれるのは、明治時代のはじめから現代までの150年間。
長い時間、土地の人びとは稲作、麦作そして炭焼きなどをしてくらしてきました。昭和のなかばには戦争もありましたが、それでもつつましく、のどかなくらしをつづけてきました。
そのいとなみが大きく変化したのは、昭和40年代からです。この広大な土地が、ニュータウンの開発地となりました。丘はけずられ、谷は埋められました。自然ゆたかだった丘陵地は、あっというまに姿を消しました。そして昭和のおわりごろになると、団地やマンショがたちならぶニュータウンへと姿をかえました。大地にねざした稲作や炭焼きの仕事は、もうほとんどなくなりました。
しかし、新たに多くの人がここへ移り住み、町はまた活気をとりもどします。平成となると、ニュータウンができてからも30年以上がたち、自然豊かでのどかだった村は、落ち着いた郊外の町となっていきました。
ここに描かれた村にかぎらず、現在の私たちのくらす町はどこでも、かつてはゆたかな自然あふれる土地であったことでしょう。今のような町になる前は、どのような地形で、どのような人びとがいて、どのようなくらしがいとなまれていたのでしょうか。これを読みながら、みなさんのくらしている町と、くらべながら見ていくのもいいでしょう。
巻末には、8ページにわたって、この絵本に描かれている農作業とその道具、村の習俗や人びとの様子などをくわしく解説しています。【商品解説】
著者紹介
八尾 慶次
- 略歴
- 〈八尾慶次〉1973年神奈川県生まれ。宝塚造形芸術大学卒業。「羅漢さん」でボローニャ国際絵本原画展に入選。
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多摩里山の変貌を温かい視点で捉えた傑作
2023/01/19 09:51
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投稿者:MACHIDA - この投稿者のレビュー一覧を見る
近代の多摩丘陵歴史絵巻のような本。数世代にわたるこの地区の旧家およびそれを囲む界隈がどのように変化したかを俯瞰的にかつ細かく描いていて、毎回絵を眺める度に新しい発見があって感慨深い。