紙の本
本当に残念!
2023/09/07 23:32
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投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
途中までは、良い感じの「ボーイ・ミーツ・ガール」かぁ…って調子だったんだけど、最後は「プランク数」とか「パラレル・コンタクティ」とかの用語で胡麻化された気がして、すっごい消化不良感が満載でした。
それから、ヒロインの「夏紀」の件ですが、「なつき」と言えば、言わずと知れたサマーウォーズの「夏希」ですじゃん!
それしかないじゃん。ほかに居ないじゃん。パクリじゃん。(笑)
という感じで、夏の物語のヒロインは「なつき」なんですね。
で、一番楽しかったのは。「マンデラ効果」。
実は私も、今を去る50年ほど前の中学校の頃に、「ファンタ・ゴールデンアップル」を飲んだ記憶があるのです。
2000年代のシャレで出た商品じゃないんだよ。
本当に昔の昔に飲んだ記憶があるんです。あの250ミリリットル缶のラベルまで憶えてる。これって、いったい何なの?
で、ツェッペリンに戻るけど、夏紀と登志夫は一体何だったの?
並行世界の同一人物? 分岐した世界の「君の名は」状態な訳? それとも出会えなかった恋人たち? 重なり合った人格の統合体?
いろんな解釈ができるけど、最後はどうもしっくりこない。
無理矢理に、「時間は一方通行ではない。」ことを表現しようとしているように思える。
出だしから中段までがけっこう良かったので、ロシア人科学者が出て来た辺りからの胡散臭い話が残念でした。
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夏にぴったりの青春SF小説。
夏紀と登志夫の世界は並行世界だったのかな。
誕生日が同じで父母も同じ。でも、少し違う世界。
最後の方で少し難しくなって物語に上手くついていけてない気がしますが、夏紀はグラーフ・ツェッペリンを落とさないことで登志夫の世界を優先させたのかな。
ちょっぴりほろ苦い結末でした。
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高野史緒『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』読了。
2018年の年刊傑作選にも採られた短編を長編化。土浦を舞台に百年前に当地に寄港した飛行船に関する幻の記憶を有する少年少女のボーイミーツガールを主軸としたジュブナイルSF。
百年前に飛来したはずの飛行船を幼少の頃に実在しない親族の異性と目撃したというなんともエモい思い出が物語を駆動させていくのだけれども、もう少しその特別な関係性を掘り下げるものが欲しかったかなぁ。SFとしても少し説得力に欠けるというか。。
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所謂パラレルワールド・ラブストーリー。しかも主人公は十代の少年少女と来れば、アニメっぽい話だなあと思ってしまうのは仕方がない。パラレルワールドの描写は歴史改変された近現代の日本を思わせるもので、この辺は作者さんの得意とするところ。とはいえ如何にも面白そうなネタが途中でぶった切られるようにして終ってしまうのは、もったいない気がする。
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⚠️少しネタバレあります。
140あたりと315辺りの展開は好き、加えてその時の夏紀の感情についての描写は、難しく書かれながらもどことなく共感できるものがあり本に夢中になれた。
話の内容は中々難しかったし、もう少し恋愛要素が欲しかったのも確かだが、個人的には後半の時間と情報の関係性、その情報の集まりとも言える時を進む或いは後退する時の描写がとても好きだった。
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女子高生の夏紀と大学生の登志夫(年齢は夏紀と同じ)は異なる宇宙(並行世界)にいる。土浦に到着する飛行船グラーフ・ツェッペリンを介して出会う。この二人は量子の性質である情報のあるなしが同時に存在しているのと同様な存在である。この二人の関係は恋人になるものではなく、恋人でもあり兄弟でもあり本人でもあるような量子的存在だ。だからこそ、ラストに向かう現象は、シュレディンガーの猫のように観測されるまでは状況が確定しないことになる。量子の振る舞いを17歳の男女として表現したところが、あやふやな立場と相まってより揺れる心の不安定さが伝わってくる。さくっと読めて面白かった。
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ふわっとした並行宇宙SF。でも、堅苦しい話は出てこないので、ささっと読むのにいい。四畳半神話大系のようなコミカルなところはない。恋愛色も薄い。
最後は悲恋ぽく終わったのが意外だった。
途中に少女のエッというエピソードもある。
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並行世界のそれぞれに暮らす高校2年生の夏紀と、17歳だけれども飛び級で東大2年の登志夫が、著者の故郷土浦を舞台に交差していく長編SF。甘酸っぱさ漂う良質のYAであり、ネット空間に堆積されていく情報の本質にせまっていく作品でもあり、と思いながら読み終えて、あとがきに書かれた著者の近況を読み、さらに心打たれた。夏紀に生理がくることが物語のなかで重要な要素のひとつになっているのだが、生理のない女性である自分にとっては、これは読んでいて、かなり苦しく、つらかった⋯⋯それでも、この物語が、自分は好きです。
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まさかの、茨城県土浦SF。
のっけから、知った地名がバンバン出て来てビビったが、著者がここの出身らしい。
表紙の感じから、「君の名は」かよと思ってしまったが、まあ、そんな感じかもしれない。
今、日本のSFってこんな感じなの?
科学の最先端ワンアイデアと、設定がそのまま構成になって作品になるみたいな。
ちょっと甘酸っぱい青春の、なんつか、高校文学部的な。
あとは作者の文章家としての技能と、編集者の腕?
結果として思ったより悪くないと思ったのも事実だが、最悪なのが、おそらく、作品のキモになる幻想的な展開と、量子論の裸の説明。
ここがもっと上手く処理出来ていれば、もっと素直に楽しめたような気がする。
一番気になったのは、「竜ヶ崎」だなあ。
地名としては正確には「龍ケ崎」なので、土浦市民からしてもそんなものかとちょっとショック。
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星2.5
だらだら感があり、ストーリーに起伏がなかった。いや、夏紀と登志夫が結びついたところから「来るか!?」と思ったけど、そこからはなんだか観念的な世界に飛んでいってしまった。夏紀の最後の行動もあまりに唐突で、よくわからなかった。
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さらっと読める青春SF……なんだけど、エンタメではない。エンタメの皮被った私小説、純文学寄りだ。後書きまで読むと、より尚更。
二つ別々の世界を生きる女の子と男の子。グラーフ・ツェッペリン号を中心に、茨城は土浦を舞台に繰り広げられるひと夏。ハードSFでも、単なる青春SFともエンタメとも違う、この独特な詠み終えた後の気持ちを、ぼくは大切にしたい。
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Boy meets girl のお話かと思ったのですが、ちょっと違った?
ここからネタバレ
平行世界の夏樹と登志夫が 君の名は みたいに恋人同士に
なるのかと思ったけど、まさかの同一人物、からの融合?からの夏樹自爆?
最後、ツェッペリンを追いかけていくくだりが、理解不能。
夏樹は電子のふるまいを操れる異能力者だったの?
一つの世界のために、一つの世界を失くすという
BAD ENDにしかできなかったのかなあ?
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おもしろかったし、量子力学の知識も必要ではあるんだけど、これが「SFが読みたい」年間国内1位だと言われると、かなりソフトな印象。
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最後9分の1までは丁寧に綴られていた二人の思考や身の回りの出来事や人間たち、なんか意味あったんだろうか。
君の名は。にも言えることだが、この少年少女二人がお互いを強く思い合うようになる理由(過程?)よくわかんないよな。色々過程があってお互いのことを知っていくうちに思い合うようになるより、理由はわからないけどすごい愛おしい!みたいなほうがロマンチックなんですかね。
量子力学の知識あったらもっと楽しめたのかな。ストーリー仕立ての量子力学解説本のストーリー部分がこれだったら面白そう
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青春小説でSF。「SFが読みたい! 2024年度版」ベストSF2023国内編第1位の作品。
以前から読みたいと思っていたのだが、なぜか踏ん切り(?)がつかずズルズルと積読状態だった。パラレルワールド物で、しかもガールミーツボーイ物だ。夏紀と登志夫、やはりラストは切ない。
そのうちアニメになりそうな気がする。