紙の本
望ましい未来の方向性が示されている本
2020/11/21 09:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
データを共有財として活用していくことにより社会全体にとっても個々人にとっても有益な未来を作っていけるのではないか、ということが書かれている本。たぶん。内容が難しくて全部を理解できたとは言い難い。
著者が高校生ぐらいから、国やコミュニティ、社会活動はどのようにすればもっとよくなるかということを考えていたというのが衝撃でした。そんなに若い頃から大きな視野に立って考えていたなんて、優秀な人は違うなぁ。
データを提供する範囲を個人が決められるようにすべき、という部分がありましたが、デフォルトをデータ非公開にして個々人で公開範囲を設定する仕組みにした場合、無気力・データの扱いを苦手とする人々のデータが公開されなさすぎて、その人たちに必要な支援が行き届かなくなりそうだと思いました。かといってデフォルトをデータ全面公開にして個々人で公開範囲を制限する仕組みにすると、政府に対する信頼がそれほど高くない現状では仕組みを作る段階で批判が殺到しそうですねぇ。
この本は、基本的に性善説に基づいた世界を想定している感じがしましたが、実際には性悪説に立った仕組みを作らないと、データが悪用されそう。
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最近多くのメディアで活躍されている宮田先生の著作。
コロナウィルスによって今まで営んできた生活が一変し今後どの様なことが必要で、どの様な未来を創造していくべきかを考えさせられた一冊。
生活、経済、刻一刻と変化を続け目まぐるしい日々。
当たり前だった価値観が変わり、新たな当たり前が作られていく。
その中で自分はどう生きていくのかをまだまだ具体的には考えられてないが考えるきっかけにはなった。
『「生きる」を再発明する』と結びの章では言われてます。
今後根本から変わる可能性を秘めた世界に自分たちは生きているんだと感じ本を閉じた。
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- 多元的な価値を人々が共創していく世界を作る=共鳴する未来をつくる、という筆者のビジョン。
- 筆者は元々医療×データサイエンスが出自。その後、データをどのように使えるか、社会学などの検知も入れながら、データの活用、を社会実装している。LINEのコロナ感染状況アンケート&サポートや、Peopleという医療情報基盤の構築と活用の推進などを行っている。
- PeOPLe共創・活用コンソーシアム|PeOPLe共創・活用コンソーシアム - Keio University https://www.people-tonomachi.com/consortium/
- データは適切に管理することで、共有価値となる。そして使っても消えないものなので、正しく使うことができれば、非常に便利なもの、お金に変わる価値として使えるはず。囲ってしまったり、同意なしに取得したり、管理されていなくて煩雑だったりで、使えないデータになってしまっていては意味がない。
- ジーマクレジットが信用スコアを算出しているが、そのロジックは、①身分特質(社会的地位や身分、年齢や学歴や職業)②履行能力(過去の支払い状況や資産)③信用歴史(クレジットや取引履歴)④人脈関係(交友関係及び相手の身分、信用状況)⑤行為偏好(消費の特徴や振り込み方)という5つの領域を点数化している。cf.平成30年版情報通信白書
- Facebookのリブラ。G20からは明確に非難されているが、新しい経済圏による混乱やセキュリティの安全性に対する懸念が強いとのこと。ただし、中国がデジタル人民元の本格化を出したりスウェーデンがeクローナを発表したりと、世界的にも事例が増えているので、これが出来上がったら、一元的な通貨ではない価値基盤ができるかもしれない。(地域振興券的な、なにかのコミュニティにおけるポイント制度みたいな、そういうものが増えることで、多様な経済系が出来上がる、という考え。通貨と紐付けないことで、その経済圏における文化や生活が生まれ、通貨を大量に持っている=金持ちが強い、という構造以外の生活ができるかもしれない)
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著者は、多方面で大活躍の宮田先生。
提唱されているデータ駆動社会は、新型コロナウイルス騒動で一気に表舞台に登場したようにも見えるのだが、これまでの地道な取り組みがあってのことであろうと推察します。
withコロナ、afterコロナの時代を過ごす際に、膨大なデータをどのように取り扱うのが人類にとっての最適解となるのかについて、考えらせられる一冊となりました。
付箋は19枚付きました。
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newspicksのネット動画等に出演中の慶應義塾大学の教授・宮田裕章さん(専門はヘルスデータサイエンス)がデータ駆動型時代の現在・未来について語った一冊。宮田さんが取り組んでいる医療ヘルスケアのビッグデータのしくみや、これからのデータ統治プロセスに関しての持論が解説される。あと、宮田さんが新型コロナ騒動中に実施したLINEによる「新型コロナ対策のための全国調査」の結果・分析もあって非常に面白かった。
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データをもとに医学、経済学に提言をされている。
SDGSだけでなくCSVなどあたらしい概念にも触れられているので、読むならば今しかないと思います。
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ヘルスケア×データ系の本ということで、
少しだけヘルスケアをかじっている身として読んでみました。
著者は、最近メディアに色々と出始めている宮田さんという大学の先生。
本の内容には関係ないけど、
奇抜な?(個性的な)ファッションに身を包んでいる人です。
ヘルスケアにもデータにもそこまでの知見のない時分には、
この本は簡単なようで奥深く、そして哲学的で、ちょっと難しかったのですが、
著者のビジョナリーな思考にはとてもポジティブな影響を受けましたし、
(昔の)石油にあたるものが(今の)データに該当するという例えはなるほどと思わされます。
特に感銘を受けたのが、ヘルスケアデータのプラットフォームを構築する際、
そこに蓄積していくデータを共有財産としていく点。
ビジネスサイドに長くいた自分には、そういった視点は全くありませんでした。
(おそらく、多くの人がいかにしてデータを自社で囲い込むかに注力していると思います。)
著者の壮大な構想がどこまで実現化するかは、色々な思惑もあるので、
そう簡単なことではないでしょうが、
それでも視座の高さと高い志に感化された一冊でした。
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宮田裕章教授の塩顔銀髪が気になってたので。
LINEでの健康調査はこの人が仕掛けてたのね。キレる人は学生時代から違う。視野が広くて目的思考。
データは共有財、多層型民主主義、「生きる」の再発明、そのためのAI・データの善用。
時代の変わり目を実感
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データは人類の共有材として、人間を軸に世界を考え、多元的な価値を人々が協創していき、共鳴する未来を目指そうとこれからのデータ駆動社会のグランドデザインを提示します。具体的には著者の仕事であるヘルスケアでのデータ活用を皮切りに欧州、米国、中国そして日本のデータガバナンスを議論し、社会貢献を伴うビジネスでのデータ活用を芝麻信用やGAFAの事例を挙げて説明します。終章では、民主主義や社会を駆動する価値の多元化を提唱します。「データで儲ける」、「ビジネスでデータ活用」ももちろん大切ですが、本書のように人類を俯瞰するような思考実験をすることで、新しいアイディアが生まれそうな気がして来ました。
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データ駆動型社会的とは、
データを活用して、多様な価値観を
みとめることのできる社会的。
効率一辺倒ではなく、
お金に換算できづらい価値も測る。
データの提供をするかしないかも、
判断できる自由がある。
そんな社会だと。
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p165 ドイツ 地域通貨 キームカウアー ユーロと1対1で交換できる ユーロへの交換で5% 手数料 NPOへ 半年使わないと目減りする
p168 フレイル 歩行速度が秒速0.8mを切ると、一気に死亡リスクが上がる ここまでくると挽回困難 1.7くらいのときにもうすこしあるきましょうとアドバイス
p174
独占 monopoly 売り手独占
monopsony 買い手独占
p185 日本は夫婦が生計を一にする世帯モデルの社会生活に偏っているため、そこからはずれてしまうととてつもなく冷たい社会になる
p208 中国、台湾、韓国、香港はGPSのいち位置情報を利用 中国、韓国はかなり強権的に実行 台湾は専門家が導入プロセスやその目的を丁寧に説明して、国民の理解を得ながら利用した
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あらゆる立場の人が誰も取り残されることなく、その人らしく生きる。そのために、使えるデータを集め、フィードバックしていく。数字遊びではなく、提言に繋がる、提供者に利益がなければ収集は出来ない。そして、当然、そこには信頼があることが前提。Facebookはそれが不足していて銀行になることに失敗した。一方で、データを共用財産とする制度を検討できていないために、活用するにも及び腰になる。そこに石油があるのに。しかし、GAFAは隙間から狙い、医療機器としても承認され、距離を測りながらも確実に進めている。世論から、それが当たり前のサービスにしていくことで、埋めているようにも思える。
自分中心のデータ活用、マイナンバー制度の活用も理解はする。が、どうも、抵抗がある。政府への信頼性か、自分が自己決定権を行使していないのか、思考が停止しているのか。絶対便利になるのにもどかしい。GAFAにはこれだけ情報提供しておいて?という矛盾も抱えつつ。
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データは個人のものであるとともに、「共有材」である。
そして、経済システムの歯車から脱出し、利用目的に応じて、データの利用範囲をいかにコントロールすることを考えなければいけないか。
それは、自分で選択していく必要がある。
自分のデータの使い道、使われ方について考えていかなければいけないことを強く意識させられる内容だった。
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宮田氏によるデータ革命に関する本
データ利活用による不安を踏まえた上で人と人、人と世界がデータを通じて共鳴する新しい文明の可能性を提示するもの
メモ
・データは所有財というより共有財としての側面が強い。
・自己決定重視と同意至上主義はイコールではない。分けて考えるべき。gdprでも同意はデータ処理の正当化要件の一つ。同意至上主義ではない。自己決定を尊重していくことは重要。
・裾野のあるコミュニティを担保するうえで、信頼や自由をどうデザインしていくか。
・基盤の貨幣からデータへの遷移
・独占がかつての売り手としての価格に関する独占でなく、買い手を独占しデータを独占するという新しい形に変わっている。
・最大多数、最大幸福の社会システムを個別最適解の提供、最大幸福のシステムに変えていくことができる。生きるの再発明
・データ駆動型社会は経済合理性のみならず、貨幣以外の概念に多元化していくことが重要。
・GDPは所有を誇るための指標。データは使っても無くならない。一方信頼をなくすと枯れ果てる。
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データ価値、医療における共有化は更なる進化が期待できる。だが課題も多い、個人情報保護、個人ー企業ー国家間に於ける共有化は批判を受けがちだ。
次世代にはこのデータ価値化社会がモノを言う時代になる事は間違いない、しかし正動は案外厳しく長い。