makikoさんのレビュー一覧
投稿者:makiko

人間の建設
2020/06/07 19:21
たぶん何回も読み返したくなる本
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恥ずかしながら岡潔さんを知りませんでした。小林秀雄さんは名前しか知りませんでした。お二人の対談集。おっしゃっていることが高度で、十分にわかったとはいえませんが、とても良いことを聴いた気分です。何度か読み返したら、もっとじんわり染みわたってくるだろうという予感があります。この本は手元にとっておこうと思います。

株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす
2023/08/26 10:50
地味に長期投資すべし
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株式投資に興味のある人の間で有名な本だと聞き、読んでみました。学者である著者がS&Pの構成する株式に投資した場合の利回りを長年にわたって追跡し、分析していて、詳細かつ具体的でした。成長著しい業界に投資するより、地味に長く生き続けている業界、生活に不可欠な商品を扱っている会社に投資する方が利回りはずっと良い、長く投資し続けることが大切ということが、よくわかりました。株価が低迷して投げ売りしたくなったら、その前に読み直したい本です。
ところで、この本に限らず投資関連の本は「歴史は繰り返す」ということを前提としているように感じますが、その前提は間違いないのでしょうか?論理的には、過去がこうだったからといって未来も同じとは限らないように思いますが・・・

上流階級 富久丸百貨店外商部 其の4
2023/01/21 09:47
これまでの中で一番面白かった
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このシリーズは全部読んでいますが、私には今回のが一番面白かったです。40歳になった静緒さんが、管理職になって部下を持ったことによるストレス、自分の病気、今後の生き方に真摯に向き合って、お客さんのために全力を尽くしつつ自分の人生のために何をどうすべきか悩んで突き進んでいくところが真に迫っていて、誰かの実体験が元になっているのかなあと思ったぐらいでした。
外商さんを使う上流階級の人々は、買い物だけが目的なのではなく外商さん、それを通じた人間関係の構築・機会の創出が目的で外商さんを利用しているんだなぁと庶民には目から鱗でした。少しでも安く手に入れられる方法を探す庶民とは思考方法が全然違う!
月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資
2024/07/07 15:15
表紙から想像するより中身はずっと真面目
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キラキラした絵の表紙なので大丈夫かなあと思いつつ読み始めましたが、内容はいたって真面目で高度でした。著者はX(旧ツイッター)でも発信なさっていて結構有名な方のようですし、とても知的能力の高い方のようにお見受けしました。この著者の基準でスクリーニングをかけて株式を買い増しし、反対に配当利回りが3%を下回るものは売却しました。

それでも、日本人は「戦争」を選んだ
2021/11/06 09:40
歴史学の魅力に触れられた
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日清戦争から太平洋戦争までを題材にして、日本が戦争に進んで行った経緯を様々な角度から事実を分析して読み解いていく内容。埼玉県の栄光学園の歴史研究会に所属する生徒を対象として著者が数日にわたって講義した内容をまとめた本。
歴史が単なる暗記物ではなく、実に魅力的な学問であるということがわかります。直面している課題を解決しようとする際に、我々は過去の同様の事例からヒントを得ようとしますが、歴史を広く深く理解しているほど精確なヒントを得られるので、しっかり歴史を学びましょう、というのが著者の言いたいことだと理解しました。題名からは、戦争に対する反省本の1つかと思いましたが、全然違いました。

となりの億万長者 成功を生む7つの法則 新版
2021/05/01 09:26
誠実に書かれた本
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億万長者は意外にもその辺で中流階級と同じレベルの生活をして自己管理を徹底しているからこそ蓄財できるという指摘が、長期間にわたる地道な調査と豊富なデータに基づきつづられている本。アメリカの億万長者を対象としているので日本にそのまま当てはまるかわかりませんが、概ね普遍的な内容なのではないかと思います。蓄財優等生かどうかを判断する計算式(年齢×課税前の年間所得額÷10が標準貯蓄額)が、年収を基準とするのか所得を基準とするのか言葉の使い方が曖昧だったのは残念。翻訳者の訳し方の問題?

後宮の烏 5
2020/12/20 13:04
次巻が待ち遠しい!
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結界を破ることができたのか…!と思いきや、どうやら失敗したみたい?何が起こったのかよくわからないので、次巻が待ち遠しいです。寿雪と高峻の未来がどうなるのか、とても気になります。ハッピーエンドにしてほしいです。

海底二万里 上
2020/10/22 07:36
空想小説とは思えないリアリティ
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『十五少年漂流記』を読んで面白かったという話をしたところ、『海底二万里』は更に面白いと知人に勧められたので、読んでみました。得体のしれない巨大生物を退治するためにアメリカの軍船に乗って航海に出た学者が海に放り出されて巨大生物(実は潜水艦)に漂着して、その潜水艦に乗せてもらって航海していく話。海や海中の生物の描写が、体感したものを書いているかのようで、空想小説だとは思えないリアリティがありました。下巻も楽しみ。

十五少年漂流記 改版
2020/08/16 07:37
意外と面白かった
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冒険ものにあまり関心がなく、存在は知っていたけど読んだことはなかった本。少年達が無人島で逞しく生活していく様子に感嘆しました。動植物にあんなに通じているなんて、19世紀の少年達には普通のことだったのでしょうか?
黒人のモコには少年リーダーを決める参政権がなかったり、一人だけ貯蔵室で寝ていたりして、さり気なく当時の黒人差別が出てきているところも興味深かったです。

京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ
2020/05/30 19:46
豊かな経験に基づいた指摘と京大の空気感が満載
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アフリカでゴリラの調査をするために現地の人々とどう付き合うか、注意点、コツ、調査から学んだもの等から、ゴリラ調査に縁のない人にも普遍的に当てはまる人間として大切にすべきものが指摘されていて、経験豊かな人が書かれているだけに説得力を感じました。特に「他人の時間」を生きてみるというところが、私には新鮮でした。他人に時間を奪われたとストレスを感じるときは、その他人と時間を共有することを大切に思えていないし、楽しんでもいないということなんだなぁと自分のことなのに、気づかされました。
あとは、京大の自由な雰囲気も随所に見られ、懐かしかったです。今思えば、あの空気感をもっと大胆に堪能すればよかったなぁ。

フェルマーの最終定理
2020/05/23 20:57
とても面白かった!
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フェルマーの最終定理という言葉ぐらいは聞いたことがあるけど内容は知らない、数学は高校の全国模試で偏差値65あれば喜んでしまうレベル、という私でも大変面白く最後まで読めました。数学者は、凡人の私には思いつきもしない問題を突き詰めていくのだなぁ。翻訳ものであることを忘れてしまうほど自然な日本語に訳されているところも、この本の凄いところの1つだと思います。高校生のときに読んでいれば、もっと数学を好きになれたかもしれません。
2025/04/13 10:57
女性にも突き刺さる指摘の数々…
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著者がアラサー~30代後半の女性から聞き取った男性に対する不満、不可解な言動の数々について、自らを省みつつ、どうして男性がそのような言動をするか分析した本。小さな面倒を押し付けて平然としている、女性には全然そんな気はないのに恋愛感情を持たれていると勘違いする、人の話を聴かない、謝らない、仕事とプライベートで別人、男性同士になるとキャラが変わる等々、女性の私には「ほんとそう!」と思うことばかりで、その原因が従前の男女の役割観や男性だからと優遇されていることに起因しているとか、教育されていないことが原因だとか、なるほどねーと思える説明がたくさんありました。
とはいえ、この本、女性も同じでしょと思える箇所も沢山あり、我々女性も偉そうなことは言えないわ、とグサグサ心に突き刺さりました。女性も謙虚に我が身を振り返る必要がありますね。反省しました。
パートナーと何となく上手くいっていないなあと思う人は男女問わず、この本を読んでみるとヒントを得られるかもしれません。
2024/12/14 09:55
意外でした!
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彬子女王殿下が2度にわたるオックスフォード大学中の生活について綴った留学記。皇族の留学はお気楽な社会勉強かと思っていましたが、こってり絞られてしっかり勉強なさっていたことも意外でしたし、日常生活や感情についてかなり踏み込んで綴っておられるのも意外でした。
寛仁親王殿下の言動について他人向けの本の中であっても敬語が使ってあり、身内でも皇族は上位者に敬語を使うのだと知りました。また、ほぼ信子妃殿下が出てこないあたりに、世間で噂されている通りなんだろうなあという気配が漂っていました。

沈黙 改版
2022/05/22 08:55
怖くても目をそむけてはいけないもの
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江戸時代に布教するためポルトガルから密入国した司祭が役人に捕まって棄教を迫られる話。モデルとなった司祭がいるようです。当時の百姓たちの悲惨な暮らしぶり、棄教させるためのむごたらしいやり口に目をそむけたくなりましたが、こういう出来事があったという事実は知っておくべきだと思って最後まで読みました。怖かったです。神がいるのなら、どうしてあんなにひどい目に遭う人々を放っておかれるのか、という司祭の疑問・嘆きは、現代でもそのまま通用しそう。