makikoさんのレビュー一覧
投稿者:makiko
紙の本人間の建設
2020/06/07 19:21
たぶん何回も読み返したくなる本
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恥ずかしながら岡潔さんを知りませんでした。小林秀雄さんは名前しか知りませんでした。お二人の対談集。おっしゃっていることが高度で、十分にわかったとはいえませんが、とても良いことを聴いた気分です。何度か読み返したら、もっとじんわり染みわたってくるだろうという予感があります。この本は手元にとっておこうと思います。
2021/11/06 09:40
歴史学の魅力に触れられた
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日清戦争から太平洋戦争までを題材にして、日本が戦争に進んで行った経緯を様々な角度から事実を分析して読み解いていく内容。埼玉県の栄光学園の歴史研究会に所属する生徒を対象として著者が数日にわたって講義した内容をまとめた本。
歴史が単なる暗記物ではなく、実に魅力的な学問であるということがわかります。直面している課題を解決しようとする際に、我々は過去の同様の事例からヒントを得ようとしますが、歴史を広く深く理解しているほど精確なヒントを得られるので、しっかり歴史を学びましょう、というのが著者の言いたいことだと理解しました。題名からは、戦争に対する反省本の1つかと思いましたが、全然違いました。
2021/05/01 09:26
誠実に書かれた本
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億万長者は意外にもその辺で中流階級と同じレベルの生活をして自己管理を徹底しているからこそ蓄財できるという指摘が、長期間にわたる地道な調査と豊富なデータに基づきつづられている本。アメリカの億万長者を対象としているので日本にそのまま当てはまるかわかりませんが、概ね普遍的な内容なのではないかと思います。蓄財優等生かどうかを判断する計算式(年齢×課税前の年間所得額÷10が標準貯蓄額)が、年収を基準とするのか所得を基準とするのか言葉の使い方が曖昧だったのは残念。翻訳者の訳し方の問題?
紙の本後宮の烏 5
2020/12/20 13:04
次巻が待ち遠しい!
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結界を破ることができたのか…!と思いきや、どうやら失敗したみたい?何が起こったのかよくわからないので、次巻が待ち遠しいです。寿雪と高峻の未来がどうなるのか、とても気になります。ハッピーエンドにしてほしいです。
紙の本海底二万里 上
2020/10/22 07:36
空想小説とは思えないリアリティ
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『十五少年漂流記』を読んで面白かったという話をしたところ、『海底二万里』は更に面白いと知人に勧められたので、読んでみました。得体のしれない巨大生物を退治するためにアメリカの軍船に乗って航海に出た学者が海に放り出されて巨大生物(実は潜水艦)に漂着して、その潜水艦に乗せてもらって航海していく話。海や海中の生物の描写が、体感したものを書いているかのようで、空想小説だとは思えないリアリティがありました。下巻も楽しみ。
紙の本十五少年漂流記 改版
2020/08/16 07:37
意外と面白かった
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冒険ものにあまり関心がなく、存在は知っていたけど読んだことはなかった本。少年達が無人島で逞しく生活していく様子に感嘆しました。動植物にあんなに通じているなんて、19世紀の少年達には普通のことだったのでしょうか?
黒人のモコには少年リーダーを決める参政権がなかったり、一人だけ貯蔵室で寝ていたりして、さり気なく当時の黒人差別が出てきているところも興味深かったです。
2020/05/30 19:46
豊かな経験に基づいた指摘と京大の空気感が満載
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アフリカでゴリラの調査をするために現地の人々とどう付き合うか、注意点、コツ、調査から学んだもの等から、ゴリラ調査に縁のない人にも普遍的に当てはまる人間として大切にすべきものが指摘されていて、経験豊かな人が書かれているだけに説得力を感じました。特に「他人の時間」を生きてみるというところが、私には新鮮でした。他人に時間を奪われたとストレスを感じるときは、その他人と時間を共有することを大切に思えていないし、楽しんでもいないということなんだなぁと自分のことなのに、気づかされました。
あとは、京大の自由な雰囲気も随所に見られ、懐かしかったです。今思えば、あの空気感をもっと大胆に堪能すればよかったなぁ。
紙の本フェルマーの最終定理
2020/05/23 20:57
とても面白かった!
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フェルマーの最終定理という言葉ぐらいは聞いたことがあるけど内容は知らない、数学は高校の全国模試で偏差値65あれば喜んでしまうレベル、という私でも大変面白く最後まで読めました。数学者は、凡人の私には思いつきもしない問題を突き詰めていくのだなぁ。翻訳ものであることを忘れてしまうほど自然な日本語に訳されているところも、この本の凄いところの1つだと思います。高校生のときに読んでいれば、もっと数学を好きになれたかもしれません。
2023/01/21 09:47
これまでの中で一番面白かった
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このシリーズは全部読んでいますが、私には今回のが一番面白かったです。40歳になった静緒さんが、管理職になって部下を持ったことによるストレス、自分の病気、今後の生き方に真摯に向き合って、お客さんのために全力を尽くしつつ自分の人生のために何をどうすべきか悩んで突き進んでいくところが真に迫っていて、誰かの実体験が元になっているのかなあと思ったぐらいでした。
外商さんを使う上流階級の人々は、買い物だけが目的なのではなく外商さん、それを通じた人間関係の構築・機会の創出が目的で外商さんを利用しているんだなぁと庶民には目から鱗でした。少しでも安く手に入れられる方法を探す庶民とは思考方法が全然違う!
紙の本沈黙 改版
2022/05/22 08:55
怖くても目をそむけてはいけないもの
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江戸時代に布教するためポルトガルから密入国した司祭が役人に捕まって棄教を迫られる話。モデルとなった司祭がいるようです。当時の百姓たちの悲惨な暮らしぶり、棄教させるためのむごたらしいやり口に目をそむけたくなりましたが、こういう出来事があったという事実は知っておくべきだと思って最後まで読みました。怖かったです。神がいるのなら、どうしてあんなにひどい目に遭う人々を放っておかれるのか、という司祭の疑問・嘆きは、現代でもそのまま通用しそう。
紙の本少年事件Beginners 少年事件実務で求められる知識・理論を詰め込んだ入門書 ver.2
2022/01/16 17:10
結局この本が役に立つ
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少年事件を扱う若手弁護士にとって痒いところに手が届く有難い本。この本の他にも実務ガイドはたくさん出ていますが、色々見比べても、結局これが一番役に立ちました。冒頭のベテラン弁護士の経験談も、読むとモチベーションが上がります。
紙の本黒い雨 改版
2021/11/27 08:47
読んでおくべき本
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長年存在は知りつつも楽しい話でないことはわかっていたので敬遠していた本。被爆した姪の結婚が被爆を理由として中々まとまらず、縁談をまとめるために被爆日記を清書する男性の話。清書している時点と原爆が投下された前後が織り交ぜて語られているため、原爆投下当時の話ばかりを連続して読まされることがなく思っていたより冷静に読めました。こんなひどい状態から現在の状態まで復活した広島は本当にすごい。悲惨な状況下でも他者のために心を尽くして動いた人がいたことも、非常時でも駅や病院で人々が列を作って順番を待っていたことも、日本人は捨てたもんじゃないと思いました。
紙の本ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー The Real British Secondary School Days 1
2021/07/23 08:12
差別がどういうものかリアルにわかる
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英国で英国人の夫と中学生になった息子と暮らす女性が、息子の中学校生活を通して現在のイギリス社会(しかも庶民生活)を活写した本。私立のカトリック校の方が色々な人種の人が集まって多様性が維持されていること、差別されていると思われている側が実は差別する側になっている実態、日本人がいまだに外国人と日本人の間に生まれた子に対して偏見を抱いていること(「ハーフ」という言い方は差別的)等、日本でぼんやり暮らしていては知ることのできないイギリス社会の実態が記されていてとても興味深く読みました。あちこちで高く評価されているだけのことはあると思いました。
紙の本生きがいについて
2021/07/10 07:40
奥深い本
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購入したものの通読せず長年放置していましたが、コロナ禍で地元の図書館が閉鎖されて読む本がなくなり、とうとう読みました。著者が本作を書かれた年齢と同じ年齢になっても、これほどの内容のある本を書ける気が到底せず、内容の濃い人生を歩んでおられた人なんだなぁと仰ぎ見る思いがしました。「心の世界の変革」という章が特に興味深かったです。スピリチュアル系の本で、神とか大いなる存在と呼ばれているものはコレなのではないかと。
3回読みましたが、著者の最終的な結論・伝えたかったことは何なのかよくわからなかったので、時間をおいて再度読もうと思っています。あちこちで名作として言及されているだけのことはありました。