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紙の本
歴史人口学事始め 記録と記憶の九〇年 (ちくま新書)
著者 速水融 (著)
歴史人口学の泰斗、速水融の遺著。戦中の勤労動員、ヨーロッパの先端研究の導入、網野善彦や梅原猛との出会い、時刻表をヒントにしたデータシートの考案など、90年間の学問人生を回...
歴史人口学事始め 記録と記憶の九〇年 (ちくま新書)
歴史人口学事始め ──記録と記憶の九〇年
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商品説明
歴史人口学の泰斗、速水融の遺著。戦中の勤労動員、ヨーロッパの先端研究の導入、網野善彦や梅原猛との出会い、時刻表をヒントにしたデータシートの考案など、90年間の学問人生を回顧し、人口減少社会の未来を考察する。【「TRC MARC」の商品解説】
2019年に逝去した歴史人口学の泰斗・速水融の遺著。欧州で歴史人口学と出会い、日本近世経済史の知られざる姿を明らかにした碩学が激動の時代を振り返る。【商品解説】
2019年に逝去した歴史人口学の泰斗・速水融の遺著。日本近世経済史の知られざる姿を明らかにした碩学が激動の時代を振り返る。【本の内容】
著者紹介
速水融
- 略歴
- 〈速水融〉1929〜2019年。慶應義塾大学・国際日本文化研究センター・麗澤大学名誉教授。日本学士院会員。経済学博士。著書に「歴史人口学で見た日本」「歴史人口学研究」など。
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紙の本
歴史人口学の全貌を知ることはできない
2020/02/23 17:35
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は歴史人口学の分野の先駆者である著者の生い立ちから研究生活に至る、いわゆる自伝である。歴史人口学の概要に始まり、その研究とどのように格闘したのかの詳細を知ることを目的とする読者にとっては、いささか期待外れの内容であるように思える。歴史人口学という学問領域をいかに開拓し、どのような成果をもたらしたのか、本書では片鱗を知ることができるに過ぎない。新書版では語り尽くせないほどの成果があるのだろうが・・・。また、凡人には理解し難い文も散見される。例えば、著者が紀伊半島で南海地震に遭遇した経験を踏まえて、「非常に重大な教訓として、日本の、特に太平洋に面する地域では、そういった国土であることを踏まえた上で、海岸近くに原子力発電所のみならず、大きな建築物や交通路線を建造する必要が求められている。」とあるが、二度三度読み返してその主旨を理解できた。悪文とまではいわないが・・・。
著者が、不幸にも出版目前に逝去され、最終的な著者自身による校正が十分でなかったのかとも思うが、失礼ながら自伝としてはほぼ同時期に出版された立花隆著「知の旅は終わらない」(文春新書)に遠く及ばないように思われる。文化勲章を受章された高名な学者の著作として期待値が高かっただけに、物足りなさを感じた。この著作が、某経済新聞の夕刊の書評で最高ランクの五つ星で評価されているのも凡人には理解できない。