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不条理な殺人 (創元推理文庫)
著者 パット・マガー (著),戸田早紀 (訳)
人気俳優マークは義理の息子ケニーが書いた不条理劇の題名を知り動揺する。それは17年前、ケニーの実父が死んだ“事故”を暗示しているようだった。マークは息子とともに舞台を作る...
不条理な殺人 (創元推理文庫)
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商品説明
人気俳優マークは義理の息子ケニーが書いた不条理劇の題名を知り動揺する。それは17年前、ケニーの実父が死んだ“事故”を暗示しているようだった。マークは息子とともに舞台を作ることで真意を探ろうとするが…。【「TRC MARC」の商品解説】
人気俳優マークはある日、義理の息子の劇作家ケニーが書いた不条理劇の題名を知り動揺する。「エルシノアの郊外」……それは17年前の、ケニーの実父が死んだ“事故”を暗示しているようだった。当時4歳の子供が、真相を知っている? マークは劇のキャストに立候補し、上演の日までともに過ごすことで、息子の真意を探ろうとする。ふたりが17年前それぞれ務めた役柄とは? 才人マガーが仕掛ける傑作演劇ミステリ。【商品解説】
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紙の本
久しぶりのマガー作品
2020/05/31 00:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
「被害者を捜せ!」「七人のおば」など斬新な設定で唸らせてくれたパット・マガーのほんとに久々の翻訳ということで読んでみた。
今回は過去に起こった不可解な死亡事件が、17年経った現在に再び大きな影を落とし、関係者たちを翻弄する心理劇だ。そして過去に死亡した脚本家の当時7歳だった息子が、その事件の真相を匂わせるタイトルの戯曲を書いて上演する運びになったことから、事件の真相に深く関係していそうな人気役者が息子の動機を探るために自ら出演すると申し出るところから物語が始まるというまさに「ハムレット」を彷彿とさせる設定が、読者を一気に客席に引き寄せる絶妙な効果をあげている。
人気役者は舞台稽古から初日までの2週間で息子の意図を突き止めようとしながらも、そこはプロの役者、芝居そのものにも真剣に取り組むという二重のドラマが同時進行してゆく。
この作品の視点は最後までこの人気役者だが、彼が過去の悲劇にどう絡んでいるのかがなかなか見えてこない。そこへ死亡した脚本家の妻がまさに飛び入りのように自分もこの芝居に出演したいと申し出ることで人気役者は三つもの問題を抱えることとなり緊張が徐々に高まってゆく。この女優が圧倒的な存在感で、あちらこちらに気をつかい無難に事を収めようとする人気役者をさらに振り回す。本当に彼女の容貌までがはっきりイメージできるほどで、この作品の真の主役はこちらだと思わせるほど。
結果として女優は自己を肯定したまま舞台からもこの世からも消えてしまい、後始末を人気役者に委ねてしまう。彼の最後のセリフが果たして贖罪なのか、愛のためか、女優に最後まで支配されていたからなのかは読む人それぞれだろう。
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かき乱す悪女
2019/04/14 19:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
継息子の書いた脚本は、過去に起きた事件をモチーフにしているのか。そんな不安に当てられて、その舞台に自分をねじ込む大物俳優。しかし、最初はかなり退屈します。舞台稽古を綿密に描いているのですが、主人公の慎重さも相まって、「うーん」と言わざるを得ないほどストーリーに迫力が欠けるのが難点。しかし、中盤に女優をしている母親が出てきてから俄然面白くなります。彼女の存在は、トラブルメーカーというよりトラブルそのもの。嘘を重ねてきた主人公が最後に継息子についた嘘に、優しさとペーソスが漂います。
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初めて読んだマガーの本
2019/03/11 10:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーとしてだけではなく、古典の戯曲を絡めた家族愛とか、役者の感情とか、いろいろな視点で楽しむことができ、60年代の作品の面白さに改めて触れた感じがした。マガーの他の作品も読んでみたいと思った。