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- カテゴリ:一般
- 発売日:2020/04/03
- 出版社: 東洋経済新報社
- サイズ:20cm/434,52p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-492-31526-2
読割 50
- 国内送料無料
紙の本
格差は心を壊す 比較という呪縛
著者 リチャードウィルキンソン (著),ケイトピケット (著),川島睦保 (訳)
私たちを追い詰める“他人の目”という呪縛。激しい格差は人類の競争本能を暴走させ、環境も破壊する。地球の破滅を防ぐために何ができるか。500超の文献と国際比較データを駆使し...
格差は心を壊す 比較という呪縛
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商品説明
私たちを追い詰める“他人の目”という呪縛。激しい格差は人類の競争本能を暴走させ、環境も破壊する。地球の破滅を防ぐために何ができるか。500超の文献と国際比較データを駆使し、誰もが幸せな社会を構想する。【「TRC MARC」の商品解説】
イギリス格差研究の第一人者による渾身のレポート!
私たちを追い詰める“他人の目”という呪縛。
激しい格差は、人類の競争本能を暴走させる。
下流も上流も息苦しい社会の変革に必要なこと。
【本書の主な主張】
・米国人の80%以上が臆病に悩んでいる。
・友情の価値は年間約1200万円
・100万人の英国の生徒が病んでいる
・不平等の拡大でうつ病も広がる
・ゼロサムゲームとしての美容整形
・格差でサイコパス的経営者が評価される
・不相応な出費を促す極限の資本主義
・不平等な社会ほど子どものいじめが激しい
・能力の差が階層を決めるという誤った思い込み
・格差は社会全体の学力を低下させる
・超富裕層はなぜ高価な絵画を求めるのか
・平等な社会は生活の質を別次元の高さへと導く
・労働組合が弱体化すると格差が広がる
・株式会社という制度はこれからも通用するか ほか
【商品解説】
目次
- プロローグ 格差の大きな国で起こること
- 第1章 格差は私たちを不安にさせる
- 第1部 格差はこうして私たちの心を蝕む
- 第2章 格差は私たちの自信を打ち砕く
- 第3章 格差で私たちは誇大妄想狂になる
- 第4章 格差は私たちを中毒に追いやる
- 第2部 社会階級にまつわる神話を壊そう
著者紹介
リチャードウィルキンソン
- 略歴
- 〈リチャード・ウィルキンソン〉経済学者、公衆衛生学者。ノッティンガム大学メディカルスクール名誉教授。
〈ケイト・ピケット〉疫学者。ヨーク大学健康科学学部教授。同大学未来の健康センター副所長。
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紙の本
階級?
2021/01/30 11:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者たちは前著「平等社会-経済成長に代わる、次の目標」(2010年)で不平等が人の健康をむしばみ、所得格差が広がるとストレス格差も大きくなり、社会問題が大きくなる、ということを示した。本書では不平等がどのように人の頭や心の中に入り込むのか、健康障害や社会問題の拡大につながる因果関係のメカニズムを解明し、どのように改善すればよいか、多くの研究成果や事実を検証し、組み合わせて、そのビジョンを提示している。
多くの研究成果を読み込むとともに前著に対する批判や質問にも答えることも加えながらまとめたそうだ。前著は未読だが、プロローグと第一章のところで前著の内容が紹介されているので理解しやすい。
不平等と健康障害、様々な社会問題との因果関係やその理由について丁寧に述べている。統計データや論文の多くは欧米中心のものである。イギリスがアメリカと同等程度以上に格差が激しく不平等の弊害が現れているという。北欧諸国が適切な政策を政治が執っているので評価されている。欧米の先進諸国に混じって日本のデータも時折プロットされている。ただ、所得格差や不平等は低い部類の評価となっている。2010年以前のデータが多いことなどもあり、現時点の状況を表示していることでもなさそうだ。そのようなことはあるが、大筋で趣旨については了解できる。
GDPに代わる指標としてGPI(経済福利)が示され、GPIはGDPとは連動しなくなっているという。17ヶ国の結果をみると、一人当たりGDPは大幅な上昇が続いている一方、1970年代後半にGDIはピークに達した後、頭打ちになっている。先進国での経済成長の意義が問われている。
一人当たりGDPと平均寿命の関係図を示して、先進国では経済成長の恩恵は減少しているとする。GDPは低くても平均寿命が欧米並みになっている国もあり、長寿化が経済成長と関わりなく実現しているという。生物学的な人間の寿命の限界に突き当たる天井効果とは意味が違うというが、寿命や健康問題には多くの要因が絡んでくるので著者の主張は吟味が必要ではないだろうか。
提案された解決策の実現は厳しいようにもみえる。また、大企業に勤める従業員はよいが、非正規の従業員、一次二次や三次産業の個人、あるいは中小企業の従業員といった人達には解決策はよくみえない。
北欧諸国の事例紹介があったが、適切な政治の力が必要になるのだろうか。我が国の政治力では悲観的にならざるを得ないのだが、いろいろ考えさせられる内容である。