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怪人さんのレビュー一覧

投稿者:怪人

327 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

同感です

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

大学学部の卒論では中世の瀬戸内海水運について研究し、大学院に進み、イギリスオックスフォード大学院での17~18世紀のテムズ川の水上交通の研究につながる。さらに、水が深まり世界の水問題に対象領域が広がってゆく。
 これまで講演したものから編集されているので、各章とも内容に無駄がなくわかりやすい。とりわけ、4章、5章のイギリス留学体験記は興味深い。テムズ川の河川改修については建設工事の頃は人々の注目が集まるが、改修後のテムズ川がどのように使われ、活用されているのかについてはあまり知られていない、と指摘し、水上交通の調査研究に邁進する動機付けが述べられている。
 日常的に利便性が実感できる道路とは異なり、河川や港湾といったやや地味なインフラ施設に関する指摘は同感である。
 何より、人の生活に欠かせない水問題全般に関心を抱き研究を続け、広範に活動されていることに敬意を表する。

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紙の本

明るくなれ

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

国葬も無事終わり、国会が始まった。長らく旧統一教会の取材を続けてきた著者のタイムリーで渾身の一冊かと思う。
 エピローグで述べている。
  山上徹也の起こした事件は決して正当化されることではない。安倍が暗殺されるに至った背景には、政治家がカルト被害者のさらに背後にいる被害者、 カルト被害者の家族ー特に子供の被害実態を見ておらず、軽視および放置していたことも要因の一つだ。本来、政治家はそのような社会的弱者には目を 向けるべきである。にもかかわらず、選挙に勝つことや、保身に走り「使わなくては損」とばかりに安易に教団やそのフロント組織と関係を持ち、そのような反社会的なカルト団体を積極的に受け入れ、バーター取引をしてきた 政治家の道義的な責任は限りなく重い。
道義的責任を感じていない政治家の何と多いことか。こんな人たちに政治を任せてはいけない。

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紙の本

時間をかけて

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

フーバー元米大統領が20年の歳月をかけて第2次世界大戦の過程を検討した回顧録であり、上・下1300ページにも及ぶ大著である。
 この大著を読む前に訳者の著作渡辺惣樹「誰が第2次世界大戦を起こしたのか」を読んでおくと理解が早い。
 日米の戦争に至る経過については種々論考が発表されている。米側の記録としては当時の状況を整理し妥当な評価ではないかと思う。但し、だからといって、ルーズベルト、チャーチル、スターリン達だけが諸悪の根源というものでもないだろう。
 一方の当時の日本を経過をみれば、戦争を回避するように、可能な限り情報を入手し、適切な判断の基に決断できる指導者がいなかったということなので、大きな責任は一方の当事者として免れないだろう。
 不可侵条約を結んでいたソビエトに英米との戦争終結の調整を依頼するような愚をおかしている。情報戦争に著しく能力を欠いていたことは大きな不幸だった。外交下手は昔から変わらない。情報収集能力も含め外交能力の抜本的改善を図らないと再度の不幸な事態に陥る危険性は高い。
 フーバーとルーズベルト、2人の元大統領の生い立ちや人柄について訳者が記している。これを読んだだけでもフーバー元大統領の高潔さがわかる。

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紙の本

頷ける

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

経済学は何のためにあるのだろうか。ある経済学者は、経済学はすべての人々ができるだけ豊かな生活を営むことができるようにするためにどうすればよいのか、という実践的な要請に応えなければいけない、と言う。著者は、効率性、経済成長だけでなく、分配の公正、貧困の解消という経済学本来の立場に返って、新しい経済学の分析的枠組、展開を求めて経済学の努力がなされなければならない、と述べる。
 経済学者は専門家として政治家に次いで下から2番目の信用度、つまり信用されない存在らしい。日本でも同様だろうと思う。政治家が経済学者の意見を聞いて政策を行った時に、うまくいくこともあるが、失敗することの方が多かったようだ。
 「貧困の経済学」を読んで考えさせられたが、この本ではさらに刺激的であった。貧困問題を研究してきた著者は、アメリカの状況を実証的に調査分析して論じ、貧困国で起きていることは先進国でも起きているという。アメリカのダイナミクスは顕著な地域格差を覆い隠しており、この現象はヨーロッパの国でも起きているとする。
 世界全体としてみれば経済成長により数十年前に比べれば貧困状況は改善されてきた。とはいえ、良い政策もあれば悪い政策もあり、問題も累積し、それが顕在化している。
 良い経済学もあるが悪い経済学もある。悪い経済学に基づく政策に対して次のように行動することを訴える。根拠のない考えに対してできる唯一のことは油断せずに見張り、「疑う余地はない」などという主張に騙されず、奇跡の約束を疑い、エビデンスを吟味し、問題を単純化せず、根気よく取り組み、調べられることは調べ、判明した事実に誠実であることだ。
 こうした警戒を怠ったら多面的な問題を巡る議論は極度に単純化あるは矮小化され、政策分析も行わずに安直な見かけ倒しの解決に帰還することになるだろう。
 改めて見渡せば頷けることも多い。

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紙の本

寛容と自制

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

民主主義の雄、アメリカにおけるトランプ大統領誕生は民主主義の自壊の始まりだ。アメリカは憲法があるから民主主義が守られてきた、ということではなく、2大政党間に寛容と自制心があったからこそ民主主義の崩壊を防いできたという。これまでにも崩壊の危機は幾度もあったのだが、両党間、両党政治家達の寛容と自制心で克服してきた歴史がある。しかし、トランプ大統領の出現はこのガードレールがなくなってしまったことを意味するという。
 トランプ大統領誕生は一夜にして起こったわけではなく、民主主義を殺すそれまでの流れがあったわけで、これが加速した結果である。アメリカ建国以来、アメリカの民主主義制度、大統領制について丹念に分析されているので理解がしやすく、納得させられる。
 池上彰氏が解説を行い、日本について触れている。安倍1強体制の下で国会の討論が機能しなくなり、行政は忖度が横行、政党間同士罵り合う現状を憂いている。同感。

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紙の本

わかりました

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日銀の元総裁白川方明氏の回顧録である。経済や金融について詳しくない者の一人だが、この本を通じて改めて金融政策の難しさを感じた。日銀の業務や使命に関して、理論と現実、全体と部分、短期と長期などの多様な軸の中で、総合的な視野、実証的な分析、学究的姿勢などによる取り組みは強く共感できるし、本の内容もなんとか理解できる。
 日本銀行の中央銀行としての役割や目的について熟考し、行動していく著者の態度は一貫している。第3部のところの中央銀行の組織論は現代の他の組織でも通用できる議論ではないかと思う。
 一方で現在の日銀の対応状況を見ていると、元総裁の教訓が活かされていないばかりでなく、手段が目的化し、思考停止状態に陥っているように思える。現総裁も将来退いたら回顧録を著して、後世に教訓を伝えていく義務があるのだろう。
 戻ってこの回顧録、700ページをこえる長編ものなので、読む終えるのに一苦労する。広く一般の人に著者の考え方を知ってもらうようコンパクトにまとめた本の出版も期待したいところである。

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紙の本

有益で為になる

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

第1次世界大戦については、著者の指摘するように多くの日本人の中の一人である自分自身にとってもほとんど空白期である。第1次大戦は日露戦争時代、18C末~19C初等から続く国際的な状況から途切れている訳ではなく、繋がっている。日露戦争は第0次大戦というらしい。兵器の技術発展、戦争の戦い方、経済財政状況、情報戦、特殊工作などなど話題も多く、400頁近い本だが、読み応えもあり、有益である。現代の為政者も歴史に学ぶ必要がある。

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紙の本

紙の本消費低迷と日本経済

2017/12/28 20:13

首相にプレゼント

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小野善康氏の読みやすく、分かりやすい説明の本である。帯には「将来不安だからお金を使わない?「お金を使えば不安は消える」が正解です。」とあるが、だからといって行動は逡巡する。何と言っても、某首相や某銀行総裁のもとでは先行き不安で、大幅な消費に向かうことはできない。処方箋はあるが、薬は飲めない?

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紙の本

信者はどれくらいいるか?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本経済のこの30年の解釈はいろいろあるのだろうが、人口減少と消費税などの増税によるものがわかりやすく、説得力があるようだ。GDPの5~6割は個人消費なのだから、収入が減るとか消費が少なくなるとかの要因は大きいように思う。
 著者は消費税の導入と実質賃金の関係図を示して、これが主要な原因だという。そして30年ほど前の消費税導入前と現在の家計を比較して、消費税がなければ家計の手取額は増えているのに消費税差し引き後には-4.6%となると示す。
 国の予算は現在の経済状況下では国債に頼らなければ成立しないが、これなしでは縮小化が加速されるだけだ。国債に関する日銀の購入ルールやその扱いについて著者によって知ることも多かった。通貨発行益に関しては知らなかったことだ。著者の説明は一つ一つ納得のいくものだ。
 程度問題はあるにせよ、経済の動向によって柔軟に適時適切に対応することが政治家政府の役割だろう。そのためには基本的な知識、認識が必要なことは論を待たない。

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紙の本

必読書

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人類初の原子爆弾は、なぜ”ヒロシマ”に投下されなくてはならないのか、という疑問を解き明かすことから始まる。アメリカの原爆投下候補地を選定するための「目標検討委員会」により選ばれた理由に着目する。「重要な軍隊の乗船基地」があること。これは海軍の呉ではなく陸軍の宇品であった。宇品は日本陸軍最大の輸送基地だった。
 明治27年、日清戦争を機に大本営が東京から広島へ移された。市内中心部の大本営から南4km離れた埋め立て地があり、宇品港があった。宇品は第2次世界大戦、日米戦争では陸軍運輸本部としてその兵站を指揮する本拠地だった。物語は個々に設置された陸軍運輸本部の明治、大正、昭和の歴史を紐解く。
 戦前の日本の軍人、軍隊、組織等の実態を概観したうえで、戦時では裏方、後方支援部隊である兵站部隊だが、実はこれが勝負の鍵を握っている様子が克明に調べられ、描かれている。
 取材ノートから、陸軍史を専門とする軍事研究家の話を載せている。
 (戦前の日本が戦争に突き進んでいったことは)日露戦争の影響が大きかったと思う。日露は「勝った」のではなく、「負けなかった」戦だ。それを大勝利とぶちあげて酔ってしまってあらゆる判断が狂っていった。兵站を軽視するのも、小さな島国が資源不足で補いきれない部分を精神論で埋めていこうとする姿勢もあのころから酷くなる。実力を顧みず思い上がってしまった。それを正直に指摘しようとする者は組織からどんどん排除されていく。開戦に反対して首を切られたのはなにも田尻さんだけじゃない。
 この田尻さんとは田尻昌次で元第一船舶輸送司令官兼運輸部長(宇品在駐)のことであり、本書の主人公となっている。
 開戦時と終戦時、船舶輸送司令官だった佐伯文郎は広島が原爆攻撃を受けた直後から被災者の救援活動を迅速に開始する。これは関東大震災の時に東京の参謀本部に所属していて軍隊の地震被災救援復旧業務の経験がいかさたのではないかという。現在の自衛隊も災害時の救援復旧支援では国民の支持を受けている。
 日本人の兵站軽視、精神論優先は軍人でなくとも今でも遺伝子として残っているようだ。災害の現場でも強く感じることが多い。本書が多くの日本人に読まれることを望みたい。

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紙の本

*****

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は2002年に出版されている。ソ連から独立してからおよそ10年後である。そして20年後の現在、何度目かのロシアによる侵略が行われ、戦禍に見舞われている。
 失礼ながら自分自身も含めて日本人の多くはウクライナ侵攻がなければウクライナのことを知ることもなかったのだろう。本書はウクライナの歴史、特にロシアとの関係について紐解いて解説してくれる。当時、多くの日本人はウクライナに関心がほとんどないという問題意識からウクライナ大使を経験した著者がとりまとめたそうだ。
 ウクライナ情勢が日々更新されてくる。幸いにしてロシアの思惑通りに進んでいないようだし、欧米などの強い支援で押し返しているようだ。
 何故ロシアがウクライナに固執するのかは本書から理解できる。ロシアによるウクライナ支配の歴史が物語っている。スターリン政権下では惨憺たる生活を強いられ、大飢饉や粛清により多くのウクライナ人の命が失われた。今はプーチンによって同様の行為が行われている。
 最近読んだジョージ・オーウエルの評論集から引用すると、
 政治的言語は、虚偽を真実と思わせるように
殺害をまともに思わせるように    
風に過ぎないものに堅固らしい外観を与えるように
 と企まれている。
 ウクライナもある程度はそうかも知れないが、ロシアのプロパガンダはあきらかにこのとおりだ。

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紙の本

紙の本北条氏の時代

2022/02/28 10:52

読みやすく解りやすい

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

鎌倉時代の150年を仕切った北条氏について本郷史観で説いてゆく、わかりやすく、おもしろい本だ。
 何故?、と疑問に思うような事項について著者の見解を加えて明解に説明している。北条氏と鎌倉時代の幕府や朝廷の武士の暴力を加えた権力闘争の様子が思い浮かぶようだ。名目上のトップには決して立たず、それなりの人を神輿に担いで実質的支配を行う政治体制が150年続いたという。現代でも似たようなことがあるがこれほどは長続きはしてはいない。

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紙の本

紙の本日本語を、取り戻す。

2021/05/18 09:10

よし

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者のことは全く知らなかったのだが、書評か広告かで知り本書を手にした。SNSをほとんど利用しない人間なので、炎上云々の類の話はほとんどわからない。
 本書はここ数年にかけて著者が発表した作品が編集されている。どれも読みやすく、共感できるし、主張についても概ね賛同できる。特に前首相のことが多く書かれており、評した内容も同感である。突拍子もなく政策を発表したかと思うと詭弁にもならない嘘の答弁をくり返して国会の論戦に水を差し、人のヤジには強く抗議するが、人間性を疑われるような野次に努力を傾注した御大だったと思う。どんな人間にも長所短所があり、政治家としても功罪あるので一面的な見方をするのも気の毒だが、どれほどの国民が彼の退陣を惜しんだろうか。
 代弁してくれた著者に感謝したいが、自分が溜飲下げたところで世の中は変わらない。

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紙の本

指南書

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

心と身体を100歳まで活躍させる
 73歳の精神科医にして作家である著者が語る高齢者の心身全般に亘る生き方指南の書、激励の書である。高齢者関連本には他にもよい本もある。本書の内容に新規性はそう多くはないと思うが、全般的によく整理された内容であり,具体的な話が多く、身近に感じる親近感、自分でもできそうな現実感など高齢者本では秀逸だと思う。

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紙の本

いのちの水

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

災害や渇水などで断水騒ぎがあるとニュースになるが、身近な水道事業について報じられることは多くない。蛇口の水がどこからどうやって運ばれてくるのか、関心が無い、あるいは知らない人も多いようだ。
 世界の水問題については現天皇も皇太子時代から強く関心を持ち、講演などを積極的に行われている。その水問題について日本でも今後に大きな課題が控えているのだが認知度は低いようである。一方では、その課題の解決策としてそれなりの理屈を付けて水道事業の民営化に邁進する自治体もある。水道法の改正がそれを後押しする。
 世界の水情勢を冷静にみれば、PFI、コンセッション方式で民営化した水道事業の失敗は明らかであり、本家イギリスでも問題が多いとしてPFI は止めている。日本ではこれから始めようとしている。住民の反対で中止や延期された自治体もあるが、住民不在で知事が暴走している県もある。詳細を知ればいかにおかしいかわかるのだが、県民には情報が行き渡っていない。県民置いてけぼりの県知事による民間のための水道事業の民営化のようだ。
 今後将来の水道事業についてそれぞれの住民が真剣に向き合わなければならない大きな課題の一つであることは間違いがなく、そのことを考える手がかりと指針を与えてくれる本である。

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