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商品説明
その先にもまだ道は続いているはずだ 行き倒れのものとなって眠りの姿を晒している 一寸先の見通しさえきかないその先にも(「その先にも」より) 詩集。【「TRC MARC」の商品解説】
◆最新詩集
今夜もうまく眠れそうにない
落ち着いて床につけたかと思えばいつもこう
からだの至る所がやたら疼き始め
次第に じっとしていられない猛烈なかゆみが襲って来る
この責め苦は毎晩のことなのだ
爪を立て掻き毟った皮膚は赤剥け
傷ついては 瘡蓋になるのを繰り返す
充分に痛みを感じながらも まだ掻き足りない
乾燥の酷い炎症部は 異物の刺激を受け
まるで世界に向け そこだけ晒されているかのように疼く
私のからだの何を担ってくれているのだろう
それはたった一撫でで もろくも崩れ去りそうだが
(「灰燼」より)
◆目次
閉ざされた時の中で
剥き出しの地
立ち会うとき
真夜中に
枯渇した川
その先にも
うちの猫
無について
一日の影
空咳
内部の危うさ
帰り道
苛まれる家
灰燼
本当に眠るために
午前五時
空白期間
見え透いたもの
早春
穴を掘る仕事
ビジョン
身元保証人
労働の義務
初めて読む本
埋葬
雨乞い
実りの季節
事実
息の習練
眠りの拒絶【商品解説】
著者紹介
利岡 正人
- 略歴
- 一九七六年 高知県生まれ
詩集『危うい夢』(二〇一六年・ふらんす堂刊)
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