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紙の本
ハイン 地の果ての祭典 南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死
人間が定住した最南の地、南米最南端のフエゴ諸島。白人の到来による迫害と伝染病の蔓延によって絶滅へと至った部族の社会、神話、部外者に秘匿されていた祭典の詳細を人類学者が描く...
ハイン 地の果ての祭典 南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死
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商品説明
人間が定住した最南の地、南米最南端のフエゴ諸島。白人の到来による迫害と伝染病の蔓延によって絶滅へと至った部族の社会、神話、部外者に秘匿されていた祭典の詳細を人類学者が描く。20世紀初頭の貴重な写真も多数収録。【「TRC MARC」の商品解説】
尖った円錐形の仮面、裸身を覆う大胆な模様、不思議なポーズ─。人類学者M・グシンデが1923年に撮影した一連の写真を初めて見る人は、古いSF映画の一場面か、またはボディペインティング・アートかと思うかもしれない。実はこれは、セルクナムという部族が脈々と続けてきた祭典「ハイン」の扮装のひとつなのだ。
セルクナム族と呼ばれる人々は、南米大陸の南端に点在するフエゴ諸島(ティエラ・デル・フエゴ)に住んでいた。そこは人間が定住した最も南の土地、「地の果て」だった。この地域には四つの異なる部族が暮らしていたが、セルクナムはそのなかでも最大のグループだった。
主島のフエゴ島とそこに住む人々の存在は、1520年、マゼランの世界周航によって初めて西洋社会に知られた。以後多くの者がこの地を訪れる。「海賊」ドレーク、キャプテン・クック、ダーウィンを乗せたビーグル号、貿易船やアザラシ猟の船、金鉱探索者、キリスト教の伝道師たち、牧場経営者たち─。島民との間に様々な軋轢が生まれ、やがて一九世紀末に至ってフエゴ島は生き地獄と化す。公然と大虐殺が行われ、伝道所に強制収容された人たちの間に伝染病が蔓延し、そこから生きて出た者はわずかだった。フエゴ島民は短期間のうちに絶滅への道を辿り、生粋のセルクナムは1999年に絶えた。
多くの西洋人の目に、フエゴ島民の生活は「野蛮」で「惨め」で、自分たちの「文化的生活」とはかけ離れたものと映った。酷寒の地で裸同然で暮らす人々のなかには、拉致され、見せ物にされた者も多くいた。だが、彼らは世界のどこにも似たものの無い独自の文化をもっていた。部外者にはほとんど明かされることのなかった祭典「ハイン」はその白眉だ。本書は、この驚くべき祭典の姿を、残された記録や往時を知る数少ない人たちの証言から丹念に描き出し、「消えた」部族の姿を生き生きと伝えている。(編集部)【商品解説】
目次
- Ⅰ|セルクナムの神話
- ハイン、この「偉大なる祭典」は何のためか
- 母権制および女たちのハイン崩壊の神話
- 最初の男のハインと父権制の起源の神話
- ハインの秘密
- Ⅱ|セルクナムの社会
- かつての暮らし
- なぜ滅びたのか
- 慣習としてのハイン
- Ⅲ|三人の中心人物
著者紹介
アン・チャップマン
- 略歴
- Anne CHAPMAN(1922-2010) アメリカの人類学者。生き残っていたわずかなセルクナムと親交をむすび、生涯を通じてフエゴ島民の社会・文化を研究した。
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裸族の若者は世界の秘密を知らされる
2017/06/03 00:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る
南米の南端にかつて居た、円谷作品の宇宙人のような奇妙で可愛く美しい独特の扮装の裸族セルクナム。
白人による計画的虐殺と持ち込んだ疫病により絶滅したので白黒写真しか残っていないが、特に好まれた塗料は赤だったそうで雪に良く映えたんじゃないだろうか。
成人の儀式ハインで、若者は世界の秘密を知らされる。
なんとハインの精霊は男達の扮装だったのだ!
な、何だってー!?w
まあ女達にはバレてたんでしょうけどね。秘密をバラしたペナルティは呪いによる死だったらしいのでシャレにならない。
それもこれも今は藪の中。