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商品説明
「優(はずか)し」く、つらい55年の生涯を生きて果てた幽愁の詩人・佃学の全作品を集成。2は、第5詩集「炎天」、第2詩集「劇中劇」、作品集「白図」などを収録。【「TRC MARC」の商品解説】
「詩は孤独な精神の戯れである。/自分の中に変な人間がいて、弥次郎兵衛のようにふらふらしている。この変な存在に気づいてからもう久しい。(中略)/
今では、自分の中に彼がいるのか、彼の中に自分がいるのかわからない有様である」(「精神劇」後記)
──京都大学在学中に清水哲男、大串章らと同人誌「青炎」をおこして詩作を究め、多くの詩人から「彼こそ生まれながらの詩人」と認められていた──
「ただ、そのような才質に恵まれながら、佃学が世俗的な意味での詩人として不幸だったのは、彼の目がいつだって世界の暗部を見ることに執着していたからだろう。この目は、戦後社会の成長や発展の掛け声のなかでは、あまりにも孤独でありすぎた」(清水哲男)
幽愁のうちに五十五歳で夭逝した詩人の全貌を、没後から四半世紀を経たいま、あらためて世に問う!
佃学こそは生まれついての詩人だったと思う。──清水哲男
カオスから流出する荒ぶる魂の音楽に、わたくしは満たされた。──江森國友
佃君はなにかに憑かれている。もしかすると佃君の方が憑いているのかもしれぬ。──十国 修
詩が書けなくなったり書きたくとも言葉が手繰りよせられない日には、よく佃学の詩を猛スピードで読んだ。
佃の詩には不安や不幸が倒立しながら、眩しく輝いていた。──千々和久幸【商品解説】
目次
- 【第二巻】[全三巻]
- 『炎天』(花の里から/夏だより/挿し絵 2点/閑古鳥/〝MU〟/冬来りなば……/(怪物ケンタウロスが……)/(日も月も)/六月のけものへん ほか)
- 『劇中劇』(内乱もしくはNULL PART/白紙状態/燃えつきた網膜の底から/揺れる水平線をめぐって/時の懸崖の悲しみの叛乱/屋根裏の構図/朝から昼へ/劇中劇 ほか)
- 『艾』(奈落小景/虎穴にて/泰山木の花のなかにも/夏至のほとり/冬のカルテ ほか)
- 『精神劇 から6篇』(折れた翅/忘却祭/神話航海/無次元考/亜熱帯/亜寒帯)
- 『白図』(子午線/他人の環境/現在時制/ある傍証の試み/妄誕、あるいは曖昧なる自明)
収録作品一覧
炎天 | 11−111 | |
---|---|---|
劇中劇 | 113−192 | |
艾 | 193−233 |
著者紹介
佃 学
- 略歴
- 1938年、香川県生。54年、香川県高松高校入学。58年、京都大学文学部入学、一回生だけの同人誌「青炎」に参加、詩と短歌を発表。65年、中退。66年、早稲田大学第二文学部三年に編入、翌67年中退。高松の「詩研究」に参加。69年上京。71年、第一詩集『不眠の草稿』(母岩社)。73年、第二詩集『劇中劇』(母岩社)。75年、第三詩集『共同墓地』(紫陽社)。78年、第四詩集『海景』(母岩社)。80年、『作品集*白図』(邯鄲舎)。82年、詩論集『詩と献身』(レアリテの会)。86年、第五詩集『炎天』(沖積社)。91年、第六詩集『(花粉症のような)』(邯鄲舎工房)。93年、S字結腸1938年、香川県生。54年、香川県高松高校入学。58年、京都大学文学部入学、一回生だけの同人誌「青炎」に参加、詩と短歌を発表。65年、中退。66年、早稲田大学第二文学部三年に編入、翌67年中退。高松の「詩研究」に参加。69年上京。71年、第一詩集『不眠の草稿』(母岩社)。73年、第二詩集『劇中劇』(母岩社)。75年、第三詩集『共同墓地』(紫陽社)。78年、第四詩集『海景』(母岩社)。80年、『作品集*白図』(邯鄲舎)。…
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