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商品説明
平成の30年間とは、「或る経済的大国」を含めた「日本」が「なくなって」いく時間であったといっても過言ではない。この平成という時代の崩壊し腐食していく日本を、主に文学作品を軸に論じる。『わしズム』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
40年以上活躍する批評家が、平成という廃墟から文学を問う!社会と向き合う文学批評。
吉田満、大岡昇平、中島敦、新渡戸稲造、野間宏、林房雄、島崎藤村、小島信夫、舞城王太郎、目取真俊、江藤淳、内村鑑三、武田泰淳、中野重治…【商品解説】
目次
- 第一論 文学における「戦争」と「平和」/ 吉田満『戦艦大和ノ最期』、大岡昇平『野火』/第二論 戦前・戦中日本人の東亜への真摯な態度/ 中島敦『南島譚』/第三論 われ 太平洋の 橋とならん/ 新渡戸稲造の植民政策論、野間宏『さいころの空』/第四論 文学者による歴史的「戦争論」/ 林房雄『大東亜戦争肯定論』/第五論 時代の不安を物語る/ 夏目漱石『現代日本の開化』、芥川龍之介『或阿呆の一生』/第六論 言葉につながるふるさと/ 太宰治『津軽』、島崎藤村『夜明け前』/第七論 漂流する家族/ 小島信夫『抱擁家族』、富岡多恵子『波うつ土地』、/ 舞城王太郎『みんな元気。』/第八論 歴史への返答としての文学/ 坂口安吾『戦争と一人の女』、古山高麗雄『セミの追憶』/第九論 沖縄というトポスの逆説/ 目取真俊『虹の鳥』、大城立裕『カクテル・パーティー』/第十論 日本文学に跋扈(ばっこ)するデマの怪物/ 江藤淳『批評と私』/第十一論 「国土」という意識の喪失/ 内村鑑三『デンマルク国の話』/第十二論 チベットと日本人/ 河口慧海『チベット旅行記』/第十三論 「先住民族」という幻想/ 武田泰淳『森と湖のまつり』/第十四論 国家論の不在と文学/ 中野重治『五勺の酒』/
著者紹介
富岡幸一郎
- 略歴
- 〈富岡幸一郎〉1957年生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。関東学院大学国際文化学部比較文化学科教授、鎌倉文学館館長。第22回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞。著書に「生命と直観」など。
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