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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.3
- 出版社: アーティストハウスパブリッシャーズ
- サイズ:20cm/483p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-86234-024-5
紙の本
カイト・ランナー
二〇〇一年夏、パキスタンにいる友人から一本の電話がくる。この電話回線の先にあるのは、わたしの過去、まだ償いの終わっていない罪…。電話を切る直前、彼はふと思いついたようにい...
カイト・ランナー
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商品説明
二〇〇一年夏、パキスタンにいる友人から一本の電話がくる。この電話回線の先にあるのは、わたしの過去、まだ償いの終わっていない罪…。電話を切る直前、彼はふと思いついたようにいった。「もう一度やり直す道がある」小さい頃、わたしは召使いであるハッサンとよく遊んだ。追いかけっこ、かくれんぼ、泥棒ごっこ、そして凧あげ。わたしはちゃんとした学校へ通っていて、読み書きもできる。しかし、ハッサンは世の中の「真理」をすべてわかっているようだった。真理とは、愛や慈悲、そして罪、というものについてだ。十二歳の冬の凧合戦の日。ついにそれが起こる。記憶の底に決して沈めてしまうことのできない罪…。他人を救うことの困難さ、友情、愛、畏れについて深く考えさせる、アフガニスタン出身作家の鮮烈なデビュー作。【「BOOK」データベースの商品解説】
12歳の冬、わたしは人を裏切り、噓をつき、罪を犯した。26年後、「もう一度やり直す道がある」という友人からの電話に、カブールへ旅立つ−。自らを救う道を真に問う、心を揺さぶる救済の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
カーレド・ホッセイニ
- 略歴
- 〈カーレド・ホッセイニ〉1965年アフガニスタン生まれ。80年家族と共にアメリカへ亡命。
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紙の本
アフガニスタンの歴史を軸にした、裏切りと償いの人間ドラマ
2007/02/09 10:04
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る
アフガニスタンの裕福な家に生まれたアミールと、召使いの息子ハッサンは、幼い頃からの親友同士。だがアミールが12歳の冬、凧合戦の時に起きた事件をきっかけに、2人の友情は暗転する。その後アミールは、ソ連の侵攻によりアメリカに亡命、平穏な生活を送るが…38歳になった2001年の夏、思わぬ運命の転機を迎える。ハッサンを裏切った償いを決意し、タリバン支配下のアフガニスタンに戻るアミールだが…。
屈折した友情、ファーザー・コンプレックス、秘密と裏切り、良心の呵責と償いが複雑に織りなされた人間ドラマが、アフガニスタンの激動の歴史(1960〜70年代前半の平和な時代、王制転覆クーデター、ソ連の侵攻、内戦、タリバンの圧政)を軸に描かれる。
読むのが辛い箇所もあったが、とても良い話で、読んで良かったと思う。たとえ取り返しのつかない過ちを犯したとしても、人生は決して終わりではない…と勇気づけてくれる。過ちを償うのに遅きに失した感があろうとも、永遠に償わないよりはずっと良い。良心を持たない人間は苦しんだりはしない、自分で自分を許す事が大切だ…というフレーズにはジーンと来た。
また、著者はアフガニスタンで生まれ、アメリカに亡命した人物で、だからこそ描けるディテールが興味深かった。特に、アメリカではネタばらしは”犯罪”だが、アフガニスタンでは誰もが物語の結末を知りたがる…というカルチャー・ギャップがおもしろかった。
紙の本
君のためなら千回でも
2006/05/13 14:55
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つきこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
君のためなら千回でも。
最初にこの台詞が主人公に向かって発せられた時、アフガニスタンは緑豊かで活気に溢れた平和な街だった。次にこの台詞が発せられた時、そこはタリバーンが支配する荒廃し変わり果てた故郷でのことだった。
かつて乳兄弟であり幼友達でもあった忘れえぬ人の口から出た誓いの言葉、主人公が彼の遺児にその言葉を伝えるまでには長い長い戦乱と混乱があった。
現在のアフガニスタンからは想像もつかない豊かで平和な時代があり、その平和な世界はソ連のアフガニスタン侵攻により崩壊、主人公はアメリカへの移住を余儀なくされる。
アメリカで長期間ベストヘセラーにランキング入りし現在も読まれ続けているこの本書、どうしてこんなに人気があるのか読んで納得。アメリカは移民の国、しかしアメリカに来る人全てが夢と希望に溢れてこの地をめざしたわけではなく、戦乱や政争に追われやむなく故郷を後にし、慣れない土地でそれでも生きていかねばならない人も多い。そんな人の心を本書はがっつりつかまえる。
主人公の父は誰もが認める“男の中の男”、主人公は立派な父が誇りでもありそんな父の希望にそえない軟弱な自分を恥じている。しかも同じ家に住む召使の息子であり乳兄弟でもある自分と同じ年頃の少年はいつでも父の思いにかなっているようでそれを羨んでもいた。身分の隔たりはあれど決して拭い去れない劣等感がもとで乳兄弟とは決別してしまい、その事をずっと悔やんでいた。
拭い去れない苦い思い、やり直せない過去。忘れたはずの過去にやり直せる道があったら?そうして主人公は過去と向かい合って行く。
ここで描かれる“豊かなアフガニスタン”は一握りの恵まれた豊かな人のものだ。それは著者自身がこの本の中でも指摘している。何より外国に逃れられた事がその証拠だ。しかし決してその豊かさを独り占めしていたわけではなく、他者への心配りを主人公の父は常に忘れなかった。そんな生き方を文化の違う国で理解してもらうのは難しい。アメリカに移住後思い通りにならないもどかしさから時には周囲と衝突する父と、故郷では父のようには生きられなかったが故に新天地で解放感を感じる息子。
この小説には“戦乱に追われ流浪するアフガニスタン難民”というストーリーだけでなく、そこには父と息子の家族の物語があり、様々な形の友情の物語があり、恩讐の物語が含まれている。小さなエピソードのひとつひとつから家族の、友情の、そして故郷への尽きせぬ思いが感じられる。そしてアフガニスタン難民という著者の生い立ちゆえに圧倒的なリアリティで語られる戦乱時のアフガニスタンの惨状。わずか20年で徹底的に荒廃した国土と人心。前半の古き良き時代が美しいだけに悲惨さが際立つ。
争いが人々の生活の何を破壊し、何をもたらしたのか。
そのつけを払わされるのはいつも幼い子供であり、この物語も安直なハッピーエンドでは終わらない。残された遺児の瞳が再び輝く日はやって来るのか。
カイトランナーとは凧を揚げて走る人の事で、かつてアフガニスタンには“凧合戦”という子供達にとって最大のイベントがあった。凧よ空を舞え、子供達よ凧を追え、そのために私が出来る事があればなんでもしてあげたい。そう思いつつ本書を読み終えた。
紙の本
世界で800万部売り上げだベストセラー
2022/12/26 16:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yy - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のカーレド・ホッセイニは、アフガニスタン出身で現在はアメリカに住む医師で小説家。彼本人の体験が根底にあるのがよく分かる一冊です。泣きすぎて文字を読むのが大変でした。