「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
熊本はいいぞ
2016/07/27 07:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
熊本には高校の修学旅行で行った。水前寺公園は覚えているが、熊本城の記憶がとんとない。
まあ40年以上前の話であれば仕方がない。
先ほどの震災で大きなダメージを受けた熊本。熊本城の石垣が大きく崩れ、わずかな石垣で崩壊を免れた「飯田丸五階櫓」は「奇跡の櫓」とも呼ばれた。
熊本城だけでなく、今年没後100年を迎えた夏目漱石も熊本とは因縁が深い。
明治28年から33年、漱石は熊本に住んでいた。第五高等学校の英語の教師としてだ。寺田寅彦と出会うのも、この熊本である。
このあと、漱石は英国に留学するのだから、優秀だったのだろう。
そういう漱石を受け入れる素地が熊本にはあったのではないか。
この本は漱石が熊本時代に詠んだ俳句が200選ばれている。
選んだのはカバと柿とあんパンが大好きな俳人坪内稔典さん。
坪内さんは「熊本時代の漱石はまさに俳人」と記しているが、詠んだ句は900余り。漱石の俳句は友人正岡子規との関係でよく論じられるが、生涯詠んだ句の4割が熊本での俳句らしい。
よって熊本には漱石の句碑がたくさんある。どうしてわかるかというと、この本の体裁は漱石の句を一句紹介し、それに坪内氏がコメントし、関連する写真が掲載されている。
その写真の何枚かに漱石の句碑が写っている。
そうなると、今回の震災でそれらの句碑はどうなったのだろうと心配になる。
坪内さんは熊本時代の漱石の俳句で「菫程な小さき人に生まれたし」ほか2句をベストスリーにあげている。
私はちょっと違う。
「秋はふみ吾に天下の志」だ。「図書館」と前書きがあるそうだ。
納得した。