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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.7
- 出版社: 朝日新聞社
- サイズ:20cm/286p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-02-250198-1
紙の本
山田風太郎育児日記
著者 山田 風太郎 (著)
破天荒系・戦中派作家が嫁ぐ娘に贈った秘蔵の日記、没後5年に公開。【「BOOK」データベースの商品解説】奇想天外な物語で大向こうをうならせた破天荒系・戦中派作家、山田風太郎...
山田風太郎育児日記
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商品説明
破天荒系・戦中派作家が嫁ぐ娘に贈った秘蔵の日記、没後5年に公開。【「BOOK」データベースの商品解説】
奇想天外な物語で大向こうをうならせた破天荒系・戦中派作家、山田風太郎が、30〜40代に書き残した、わが子との愛情いっぱいの日々。嫁ぐ娘に贈った「秘蔵の日記」を公開。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山田 風太郎
- 略歴
- 〈山田風太郎〉1922〜2001年。兵庫県生まれ。東京医科大学在学中、「眼中の悪魔」などで探偵作家クラブ賞の短編賞を受賞。忍法帖シリーズがブームに。第45回菊池寛賞受賞。著書多数。
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紙の本
あえて公開してくださったお嬢さんに感謝です。
2007/01/07 16:22
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の長女佳織さんの誕生から中学一年まで、昭和29年から昭和42年までの日記です。佳織さんが結婚で家を出ると決まったとき、贈られたもの。風太郎さんはこまめに日記をつけていたかたで、「戦中派不戦日記」など戦中戦後の記録としても価値のある、素晴らしい描写の日記が出版されていますが、この一冊も素敵な日記です。常の日記の中から、子供に渡そうと思い立ち、忙しい執筆の合間をぬって抜書きをしていたであろう作者の姿、「父」の背中、「物書き」の背中がみえるようでした。父親の育児日記、というのもいいものですね。淡々と綴られた日記だからこそ、みえるものがあるようにも思います。
子育てからは誰もが何かを得るものです。風太郎さんも同じです。子供の突然の大人びた言葉にどぎまぎもします。病気や小学校受験に心悩ませたりもします。風太郎さんらしいのは、そんな中にちらちらと人間を見る冷静な感想が覗くところでしょうか。この時代の子供の欲しがったもの、値段なども書き込まれ、これもまた時代の記録になっています。長女の誕生も「なんだか原稿にクタビれて感動する元気なし。」と書いてしまうのは、そのころ執筆に忙しかった著者の正直な姿でしょうし、「働きづめのお父さん」一般の姿が重なります。
子育て中の人、手元を離れていこうとする子供のある人、そして離れていこうとする人。ずっと昔にそんな経験をした人。きっと誰にも、親と子の関係をもう一度思い返し、その人だけの思い出へのきっかけをこの本は与えてくれるのではないでしょうか。
「父を想って」と題された、佳織さんのあとがき代わりの文章もやさしくてとても素敵な文章です。自分の子供時代をさらされる恥ずかしい気持ちを抑えて、素敵な日記を公開してくださったものだと思います。感謝です。
編集者の発案と思いますが、見開きの右小見出しに西暦、左に昭和で年号が記されているのは、時代がわかりやすかったです。一年ごとに、その年の著作などもまとめてあり、親切です。