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ぼくらの七日間戦争
著者 宗田理 (著)
明日から夏休みという暑い日――東京下町にある中学校の1年2組の男子生徒全員が姿を消した。彼らは河川敷にある工場跡に立てこもり、ここを解放区として、大人たちへの“叛乱”を起...
ぼくらの七日間戦争
商品説明
明日から夏休みという暑い日――東京下町にある中学校の1年2組の男子生徒全員が姿を消した。彼らは河川敷にある工場跡に立てこもり、ここを解放区として、大人たちへの“叛乱”を起こしたのだった。女子生徒たちとの連携による奇想天外な大作戦に、本物の誘拐や市長選挙汚職がからまり、はては解放放送とバリケードに感激する全共闘世代の親やテレビ・レポーターも出始めて……鮮やかな終幕まで、息もつがせぬ軽快なテンポで展開される、諷刺いっぱいの大傑作コミック・ミステリー!
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紙の本
最高にカッコイイ大人への挑戦状
2005/04/12 21:52
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:どーなつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中高生に圧倒的な指示を得ている「ぼくら」シリーズの原点であるこの作品は、もちろん私にとっても青春のバイブルでした。
これを読んだ当時、私自身も中学生で、シリーズを追うごとに彼らと共に成長していけたことを嬉しく思います。
全年齢に受け入れてもらえる作品だと思うのですが、特に中高生にオススメしたいです。
ストーリーはというと……大人たちの定義した「理想の子供像」から大幅に脱線した英治たちは、中1の夏休み、廃工場立てこもって子供だけの砦を築く。集団誘拐か、と騒ぎ出す大人たちをよそに、子供だけの共和国を、たった7日間という短い期間ではあるけれど、作り上げることに成功する。これが大まかなあらすじなのですが、若い世代の人には共感できる部分が多いのではないかと思います。
もう大人になってしまった人より、これから将来の選択をすべき分岐点に立ち、悩んでいる人の道標にもなると思う。
勉強ができて、親の言う事を聞いて、塾に行って、うちの子はどこどこの某有名私立付属を狙うんざますの。なんて言ってる親が増えている。
社会が学歴社会になってしまった以上、受験戦争は当然拒めないもの。
むしろ、中学に入って皆と同じようにスタートラインを切る昔と違い、小さな子供の頃から、「お受験」と称した管理教育が始まる昨今。将来の夢を親が決めてしまうことも、あながち珍しくないのではないかと思う。
小さい頃はサッカー選手だったり、ケーキ屋さんなど、とりあえず憧れの職業が将来の夢だったりするのに、安定した職だからと国家公務員を目指す、という幼児が出ているようだ。幼い口から「国家公務員」なんていう単語が出てくること自体、時代が変わったんだなと痛感する。
ファミコンが流行った時代は、メガネをかけている子をみると、ゲームのやりすぎ、なんて思ったが、最近の子だと、たぶん勉強のやりすぎだろう、なんて先入観をもつ。その先入観を持ってみれば、なるほど賢そうに見えてしまうから不思議。
英治たちは「お受験」「規則」を前提にした大人達からみれば確かに理想の子供像とは言えない。むしろ「悪い子」と定義されるの普通。
けれど、全ての子が大人のいう「良い子」になったとして、その時社会は本当に成り立つのだろうかと思う。何でも吸収できる若年層の時代に、勉強一筋で本当に昔を振り返って幸せだったと思えるのか。
携帯が当たり前になってきた今は、友人同士の繋がりも気迫になりがち。メモリーが消えてしまって、誰とも連絡を取れない、まさしく携帯で繋がっていた友人が何人もいるのではと思う。
きっとこれを読んで、戦友ともいうべき友人を持つことがどれほど大切で、世に言われる馬鹿をすることがどれだけ最高なのかを学べるのではないかと思う。
勘違いして欲しくないのは、決して勉強するなと言ってる訳ではない。ただ数式にがんじがらめになってしまい、キレテしまう前に、一度くらいは外に出て友人と遊んでみればいいのでは?
読み始めたら止まらないシリーズ。これではまってしまって、勉強の妨げにならないように、それだけが注意点です^^
紙の本
大ヒットシリ−ズの元にあるもの
2000/08/25 15:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:榎本秋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在小中校生に絶大な人気を誇るぼくらシリ−ズの記念すべき第一作で、宮沢りえ主演で映画化され大ヒットとなった。『僕ら』シリ〜ズ最大のヒット作であり、70刷を越える角川文庫の中でも有数の名作である。
70年代アンポ闘争の世代のジュニアが中学生になった時代。「熱さ」を失った「大人」に代わり子供達が解放区を再興するというスト−リ−。誘拐騒動や傷病軍人・汚職の構図などの問題提起を含みながら物語は展開する。
著者の宗田理氏は1979年社会派サスペンス「未知海域」で、一躍脚光を浴びた作家であり、もともとは文芸誌の編集長を務めていた。その後いくつかのミステリ〜を発表し、現在角川文庫に収録されている『少年みなごろし団』『大熱血落ちこぼれ探偵団』『怪傑TVジャガ〜ズ』らの少年を主人公にした作品群を発表。これらの作品が1985年の書き下ろし作品である本作『僕らの七日間戦争』に結実する。この後、続編の『ぼくらの天使ゲーム』が発表される。このころはまだシリ〜ズ化はされていなかったが、第三弾の『ぼくらの大冒険』からはシリ〜ズ化されることになる。
現在では、本書の主人公達の次の世代を描いた『新ぼくら』シリ−ズが展開中である。
たしかに、今の価値観からすると古びた作品かもしれないが、著者のメッセ−ジが一番凝縮されている原点とも言える作品である。
紙の本
ひと夏の冒険
2019/08/09 08:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ChrisLugh - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中理不尽かつ不満だらけ、だからぼくらは立ち上がった。
大人は干渉できない子どもだけの場所
でも、大人はそれを許さない。
彼らは常に子どもを己の監視下に置いて安心したいから。
紙の本
青春
2002/04/15 22:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オレンヂ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公達が大人達や法律と戦うべく友達と立てこもるのだが、その仲間が皆個性派揃い。今時いない感じ?? 皆すぐ熱くなれるし何より友達想い。友達はいるけど、どこか冷めた関係の友達を持つあたしにとって凄く羨ましいです…。現実にあたしの側にこんな仲間がいたらいいなぁと思いました。この本は中学生に是非読んでもらいたい。
紙の本
こどもvsおとな、こどもはいずれおとなになる
2008/06/21 19:54
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぼくらの七日間戦争 宗田理(そうだおさむ) 角川文庫
中学1年生のこどもたちとおとなとの戦いです。昭和50年代後半の作品でしょうか。それにしては、 ドラえもん、アントニオ猪木、古館アナウンサーと現代と相通ずる記事も目立ちます。
誘拐話の挿入は楽しいものでした。この逆が映画「バトルロワイアル」だろうか。
本を読み終えて 巻末にある本の紹介コーナーを見ました。昔読んだ本がたくさんあってなつかしい気分に浸りました。風に吹かれて・五木寛之、羅生門・芥川龍之介、城之崎にて・志賀直哉、九月の空・高橋三千綱、スローカーブをもう一度・山際淳司、無影燈・渡辺淳一、日本人とユダヤ人・イザヤベンダサン、変身・カフカ、車輪の下・ヘッセ。
さて、物語の中で中1だったこどもたちは今30代です。私の周りを見渡すと、 この世代には未婚者がたくさんいます。大人との戦いを終えてこどもをもつことが嫌になったのでしょうか。
紙の本
なんかいまいちだった
2001/07/16 18:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中学生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろな本などでこの本はすばらしいと書いてあったので読んでみた。でも期待はずれだった。たしかに一週間にこんなにいろいろなことを濃く入れたのはすごいかもしれない。また子供が立てこもって、大人に対抗するのはすごいことかもしれない。でも何かが面白くなかった。ぼくにあわなかったということかもしれないが、古い(約10年前の作品)というのもあるだろう。
紙の本
あれ、めちゃくちゃ面白い・・・
2018/07/23 12:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生か中学生の時に読んだのは間違い無いのですが、
特に面白く感じなかった記憶があるんですよね。
だから三十路の今読み返す機会を得たものの「これつまんないんだよなあ」と
思いながら読み始めたら・・・あれおかしいな、こんな面白かったっけか・・・
活字中毒だった当時の自分(今もですが)に何故響かなかったんだろう・・・
たぶんこの理不尽な親(母親とかさすがに非現実的)や教師の雰囲気に
読みながら恐怖を覚えたのかもしれません。そういう描写苦手だった記憶あるし。
こんな親や教師にリアルに脅かされる可能性が無くなった今だからこそ楽しめるのかも。
ちょっと調べたらシリーズがアホみたいに(失礼)出ててぶったまげました。読みたいな。