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紙の本
豆腐屋の四季 ある青春の記録 (講談社文芸文庫)
著者 松下 竜一 (著)
泥のごとできそこないし豆腐投げ怒れる夜のまだ明けざらん—零細な家業の豆腐屋を継ぎ病弱な体を酷使する労働の日々、青春と呼ぶにはあまりに惨めな生活の中から噴き上げるように歌は...
豆腐屋の四季 ある青春の記録 (講談社文芸文庫)
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商品説明
泥のごとできそこないし豆腐投げ怒れる夜のまだ明けざらん—零細な家業の豆腐屋を継ぎ病弱な体を酷使する労働の日々、青春と呼ぶにはあまりに惨めな生活の中から噴き上げるように歌は生まれた。そして稚ない恋の成就…六〇年代の青春の煌きを刻印し、世代を超えて読み継がれた本書には、生涯、命と暮しを侵す権力に筆と肉体で闘いを挑み続けた作家の揺るぎない「草の根」の在り処が示されている。【「BOOK」データベースの商品解説】
六十年代の青春を刻して読み継がれる歌文集
零細な豆腐屋を継ぎ病弱な体を酷使しての労働と家族の諍い。どん底の生活から噴き上げるように生れた短歌と散文で綴る歌文集。時代を超えて読まれるロングセラー【商品解説】
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紙の本
まだまだ私の知らない名作が眠っている
2022/07/02 22:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
このエッセイが緒形拳さん主演でドラマ化されていたことはまったく知らなかったというか、この本の存在、そして松下竜一氏という人の存在すら知らなかった無知な私、この純情で、そして情熱的な作家のことをこれまで知らなかったことは大げさではなくて人生における損失だったかもしれない。少年期、青年期の兄弟の不仲、貧困を明け透けに文章化したために一時的に兄弟の仲が悪くなったこともあるらしい、しかし、作者は間違っていたとは思っていない、あの貧困が、あの兄弟喧嘩があったからこそ、今の平和があるのだ、明日への希望が生み出せるのだと明るい。が、兄弟からしてみたら、やはり過去にぐれていた事実をさらけ出されてしまうことに抵抗してしまう気持ちはわかる、わたしも勘弁してほしい
紙の本
労苦の日々、響く詩心
2016/02/24 09:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩漬屋稼業 - この投稿者のレビュー一覧を見る
月に一度の休みすら、まともに取ることも出来ない、重い労働の日々。
そんな中にあっても、歌わずにおれない詩心の深さ。
本書に収められた歌や文章にきらめくように見出される著者の詩心のなんと濃やかなことか。
家族、兄弟のいさかいと和解の絆。そして妻と子。
小さな共同体。これを守り、愛すること。
「いったい、愛に発展とか進歩とかが必要だろうか?」(p.206)。
このとき著者は自らの労働の日々においても、作歌においても停滞を恐れない。
発展などしなくてもよいという。
ここには“社会性”や“世間並”に食い込まれない力強い小宇宙がある。
この小宇宙は狭いが深い。
しかし社会や世間に閉じているわけではない。
商売を営んでいるのだから。
生活の重さが錨のように社会性や世間並へと流されることを防いでいるのかもしれない。
本書は後に東アジア反日武装戦線“狼”のメンバーが手に取ることになる。
そして著者と接点が出来、その邂逅は『狼煙を見よ』という一冊に結実する。
後のそのような展開など、思いもよらなかったであろう本書の中で、著者は次のように記している、
「世の中が荒々しく激動していく日々にも、人々は豆腐を食べるだろう。私は黙々として豆腐を造り続けよう」(p.294)