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紙の本
ドゥルーズの哲学 生命・自然・未来のために (講談社学術文庫)
著者 小泉 義之 (著)
「差異」を生きる、とはどういうことか? 同一性の哲学を捨て差異の哲学に向かったドゥルーズ。主著「差異と反復」から映画論まで広く著作と思考をたどり、その哲学の根本を明らかに...
ドゥルーズの哲学 生命・自然・未来のために (講談社学術文庫)
ドゥルーズの哲学 生命・自然・未来のために
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商品説明
「差異」を生きる、とはどういうことか? 同一性の哲学を捨て差異の哲学に向かったドゥルーズ。主著「差異と反復」から映画論まで広く著作と思考をたどり、その哲学の根本を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
「差異」を生きる、とはどういうことなのか。ドゥルーズの単著を深く読み込んだ上で、「微分的なるもの」にその哲学の本質を見いだした、記念碑的名著。『差異と反復』は、たんに有名な現代思想の一つにすぎないのではない。分子生物学などの知見を取り込みつつ、「生きることそのもの」を哲学した傑出した著作なのだ。ドゥルーズの思考によりそい、新しい哲学と倫理のあり方を示した快著の文庫化なる!
ジル・ドゥルーズ(1925-1995)は、20世紀後半を代表する哲学者、哲学研究者です。
わが国でも、早くは、浅田彰『構造と力』、蓮實重彦『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』などにより、紹介されてきました。21世紀の現在でも、なお、現代思想を代表する哲学者といえます。
ただ、日本への移入は、ドルゥーズのある一面に焦点をあてたという側面があり、また、日本の読者もそれを受容してきた歴史があります。
ドゥルーズの主著は『差異と反復』です。「差異」とは何か、「反復」とはどういうことか、それこそが、ドゥルーズの哲学の根本と言えます。
本書は、このテーマに真正面からとりくみ、ドゥルーズ研究の画期をなした力作です。
『差異と反復』は、分子生物学が誕生して間もない頃、その自然科学が持つ潜在力を認識しながら、新しい生命哲学を示そうとしました。そこには、微分という契機が不可欠でした。
では、なぜ、微分なのか?
本書は、そのスタート地点から始めて、周到にドゥルーズの思考をたどり、やがてスピノザ研究やニーチェ研究、また映画の研究を通じて、新しい倫理を引き出そうとした彼の哲学のみちすじを明らかにしていきます。
「差異」とは、乱暴に一例をあげれば、たとえば、誰も同じ人間ではない、あるいは「私」自体も、時間とともに変化して同じ存在ではありえない、ということです。世界はそのようにして出来ている。
紛争や格差が広がる現代世界の困難な状況を見ても、誰も、何も、同じでないことが、問題の根本の契機になっていることはあきらかでしょう。
では、「差異を生きる」とは、どういうことなのか。それを考えるうえでも、本書は必読の入門書といえます。【商品解説】
「差異」を生きる、とはどういうことか?主著『差異と反復』から映画論まで広く著作と思考をたどり、その哲学の根本を明らかにする!【本の内容】
目次
- 第1部 差異と反復
- 第一章 変異の進化
- 第二章 普遍数学
- 第三章 自然の哲学
- 第四章 ツリーとリゾーム
- 第五章 生命の哲学
- 第2部 未来の哲学
- 第六章 批判と臨床――スピノザ
- 第七章 生存の肯定――ニーチェ
- 第八章 人間の終焉――フーコー
著者紹介
小泉 義之
- 略歴
- 1954年札幌市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程哲学専攻退学。現在、立命館大学教授。専攻は、哲学・倫理学。主な著書に、『兵士デカルト――戦いから祈りへ』(勁草書房)、『弔いの哲学』『生殖の哲学』(いずれも河出書房新社)、『デカルト哲学』(講談社学術文庫)など。共著に『ドゥルーズ/ガタリの現在』(平凡社)など、訳書にドゥルーズ『意味の論理学』(河出文庫)などがある。
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ドゥルーズの思考の原点を追った興味深い一冊です!
2020/03/21 12:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、20世紀を代表する哲学者ジル・ドゥルーズの思考の基本を分かり易く解説した、まさにドゥルーズ哲学の入門書とも言える一冊です。ドゥルーズと言えば、何と言っても、その主著『差異と反復』に彼の思想の根本が記されていると考えられており、同書は、その主著を中心にして、彼の思考の原点を追った書となっています。「差異とは何か?」、「反復とはどういうことか?」ということを深く考え、そこに微分という要素を入れていきます。一体、彼の思考の原点は何だったのでしょうか。同書の構成は、「第1章 変異の進化1」、「第2章 普遍数学」、「第3章 自然の哲学」、「第4章 ツリーとリゾーム」、「第5章 生命の哲学」、「第6章 批判と臨床――スピノザ」、「第7章 生存の肯定――ニーチェ」、「第8章 人間の終焉――フーコー」、「第9章 未来の素描――フランシス・ベイコン」、「第10章 出来事の運命――シネマ」となっており、ドゥルーズの思考が分かり易く理解できるようになっています!
紙の本
こういう考え方もあるのだと一読の価値ありだと思います。
2016/02/27 22:33
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やっくん233 - この投稿者のレビュー一覧を見る
数学や生物学などを哲学に導入した感じです。
そういう趣旨の本ではないですが、いろんな方に頭のトレーニングになるかもしれません。あしたのこと、次のことは分かんないこともある。(例えば、天気とか、株価等々。)
そんな中で生き方を選び取るのだという哲学、あと、変わった自分、異常な自分も受け入れる、肯定するという彼の哲学にも共感を覚えました。あまりにもそれが強烈過ぎて、病気になっても薬を飲むのを拒否する徹底ぶりが困る感じです。最後、建物の窓から飛び降りて亡くなったという経歴だったと思いますが、凄い鋭い論点をお持ちの方で今でも影響力があるみたいです。女優の清水冨美加さんが出られていた「哲子の部屋」という番組でもドゥルーズが取り上げられてました。