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紙の本
繁あね 美しい女たちの物語 (講談社文庫 山本周五郎コレクション)
著者 山本周五郎 (著)
親に捨てられ、家もない孤独な少女・繁あね。病気で膿だらけの彼女に声をかけられた「私」は、ふと彼女に得も言われぬ美しさを垣間見る−。表題作ほか、女の美の真髄を匂やかに綴った...
繁あね 美しい女たちの物語 (講談社文庫 山本周五郎コレクション)
繁あね 美しい女たちの物語
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商品説明
親に捨てられ、家もない孤独な少女・繁あね。病気で膿だらけの彼女に声をかけられた「私」は、ふと彼女に得も言われぬ美しさを垣間見る−。表題作ほか、女の美の真髄を匂やかに綴った全7篇を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
繁あねは女のエッセンスである。――山口瞳(作家)
艶やかに、ときに凜とし、ときに意地悪く――。作家が見つめた女という生き方とは。
木場の畔に暮らす作家の私。釣竿をおろす私に突然声をかけてきたのは、繁あねだった。
年は十二、三、妹と二人両親に捨てられ、肌にはひどい腫れ物があり、その生い立ちのため人に対して好戦的であることから、町でもその娘を引き取る者はいなかった。
少女から女に変わる途上の繁あねとの会話を通し浮かび上がる、その生の在り方や人間の美しさ。
表題作「繁あね」のほか、「この女とは一緒にいてはいけない……」そう思い別れた女・おさんへの複雑な思いから、その消息をたずねる男。
おさんは、移り住んだ家に次々に男を引き込んでいると聞くが……。
女の生を通し、人の心、男女の想いのありようを艶やかに描き出した名作「おさん」など。
女性の美しさ、その生の在り方を艶やかに描く名作七篇。【商品解説】
目次
- 1:おさん
- 2:三十二刻
- 3:柘榴
- 4:つばくろ
- 5:あだこ
- 6:蜜柑の木
- 7:繁あね
収録作品一覧
おさん | 7−76 | |
---|---|---|
三十二刻 | 77−115 | |
柘榴 | 117−142 |
著者紹介
山本周五郎
- 略歴
- 1903年、山梨県に生まれる。本名は清水三十六(さとむ)。小学校卒業後、銀座の質屋で奉公、後に筆名としてその名を借りることになる店主・山本周五郎の庇護のもと、同人誌などに小説を書き始める。1926年、「文藝春秋」に『須磨寺附近』を発表、文壇デビュー。その後、不遇の時代が続くが、時代小説作家として認められはじめる。戦中から戦後まで連載が続けられた『日本婦道記』(1942-1946)で直木賞に推されるが辞退。主な代表作に『樅ノ木は残った』(1958)、『赤ひげ診療譚』(1958)、『青べか物語』(1960)、『おさん』(1961)などがある。1967年、逝去。
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紙の本
美しい花束
2020/07/18 08:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「アンソロジー」という言葉は日本語で「詞華集」と訳されることもあるが、語源は「花束」であったという。
この文庫の場合、「山本周五郎コレクション」となっているが、山本周五郎の数多い短編から7編を選りすぐった「アンソロジー」といえる。
副題に「美しい女たちの物語」とあるが、まさに美しい花束のような一冊に仕上がっている。
ここに収録されている7編は、「おさん」「三十二刻」「柘榴」「つばくろ」「あだこ」、それと『青べか物語』の中から「蜜柑の木」「繁あね」である。
編集部による「編集後記」で、「美しい女たちの物語」という副題は「勁(つよ)い女たち」と言い換えた方がいいかもと記されているが、この作品集に限らず、山本周五郎の描く女性たちは勁さが魅力になっている。
きっと山本周五郎にとっての女性像とは自身が持たない、ゆえに敬慕するしかないほどの神秘性を持ったものだったにちがいない。
それは女体の神秘性といってもいいかもしれない。
表題作である「繁あね」は、繁あねという貧しく親も家も持たない13歳の少女を描いている。作者は偶然にその少女の内股を見てしまう。その時のことを「信じがたいほど美しいものを見た」と綴る。
あるいは、夫婦の営みの最中に大きな嬌声を発する女性を描いた「おさん」。そんな特異な女を忘れられずに葛藤する男を描いている。女性という異性の神秘の沼に引きずられていく姿は哀しい。
それぞれ色も形も違う花であっても、山本周五郎の匂いのする花束のようなアンソロジーである。
紙の本
読み易い編集ですが…
2020/01/15 22:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:里 - この投稿者のレビュー一覧を見る
"美しい女たちの物語"というテーマで編集された7編だが、2編が"青べか物語"からの収録で、前5編の時代物との組み合わせに若干違和感があった。カバ-の挿絵が周五郎の雰囲気とは合わない、と思うのは私だけでしょうか。