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紙の本
デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書)
著者 福田 直子 (著)
タイムラインに紛れ込む偽ニュース、日常が丸裸になるグーグル検索、深層心理に訴えるマイクロターゲット広告…。巧みなデジタル戦略によって人びとを分断・誘導する様々な手法を紹介...
デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書)
デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義
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商品説明
タイムラインに紛れ込む偽ニュース、日常が丸裸になるグーグル検索、深層心理に訴えるマイクロターゲット広告…。巧みなデジタル戦略によって人びとを分断・誘導する様々な手法を紹介し、デジタル時代の民主主義を考える。【「TRC MARC」の商品解説】
無意識のうちにクリックした「いいね!」が悪用される――。現代はもはやそんな時代だ。
嘘を混ぜたプロパガンダや個人の不安に直接訴える「マイクロ宣伝」。これら巧妙なサイバー戦略は、世論形成に使われている。近い将来行われるであろう日本の国民投票でも使われるのは時間の問題だ。欧米ですでに問題となっているデジタル・ポピュリズムの事例を細かく取材し、徹底的に書き尽くす!
■主な内容
・ビッグデータの最大の効用は「先読みすること」
・グーグル検索が「人の心のうち」を語る
・購入履歴から消費者ごとに異なる価格が設定されている
・スマートスピーカーがあなたを24時間監視している
・トランプを勝たせた、イギリスの分析会社「ケンブリッジ・アナリティカ社」の正体
・イギリスのEU離脱キャンペーンに莫大な寄付をした大富豪とは
・ネガティブ広告で投票を阻止させることができる
・68個の「いいね!」分析でユーザーのプロフィールがわかる
・面白い偽ニュースを紛れ込ませるという新ビジネス
・ロシアのウイルス対策ソフト会社「カペルスキー社」はアメリカ大統領選に関与したか
・皿洗いから大財閥にまでなったロシア人・プリゴジンとプーチンの黒い関係
・嘘の書き込みを組織的に行う“トロール・ファーム”の女性社員の一日
・フェイクニュースがつくる「ある種のムード」
【本の内容】
目次
- まえがき
- 第一章 ビッグデータは監視し、予測し、差別する
- 第二章 「心理分析」データを使った選挙広告キャンペーン
- 第三章 ソーシャルメディアは敵か、味方か
- 第四章 ロシアのサイバー作戦が欧米のポピュリズムを扇動する
- ――ロシアから“ボット”をこめて
- 第五章 デジタル時代の民主主義
- あとがき
著者紹介
福田 直子
- 略歴
- ジャーナリスト。上智大学卒業後、ドイツのエアランゲン大学にて政治学・社会学を学ぶ。帰国後、新聞社、出版社にて勤務。著書に『大真面目に休む国ドイツ』『ドイツの犬はなぜ吠えない?』 (平凡社新書)、『休むために働くドイツ人、働くために休む日本人』(PHP研究所)など。
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紙の本
「いいね」をカンタンに信用してはならない
2018/06/11 08:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
「政治に関して理性的に判断する知的な市民よりも、情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、その支持を求める手法あるいはそうした大衆の基盤に立つ運動をポピュリズムと呼ぶ。ポピュリズムは諸刃の剣である。庶民の素朴な常識によってエリートの腐敗や特権を是正するという方向に向かうとき、ポピュリズムは改革のエネルギーとなることもある。しかし、大衆の欲求不満や不安をあおってリーダーへの支持の源泉とするという手法が乱用されれば、民主政治は衆愚政治に堕し、庶民のエネルギーは自由の破壊、集団的熱狂に向かいうる。(知恵蔵から抜粋)」
普通の暮らしをする多くの庶民大衆が政治に向き合うとき、その判断基準は何によるのか、かつては、新聞、テレビ報道などのマスメディアが主流であった。マスコミは「第4の権力」とも言われていた。しかし、今はその様相が大きく変化してきている。
本書は、最新のネット技術やネット情報の心理分析、世論操作を事業にする企業の実態などを紹介し、この間、世界情勢が大きく動いたアメリカ大統領選、イギリスのEU離脱国民投票はネットの世論操作が大きく関わったことを推測・分析している。
トランプ大統領の当選の陰には、デジタルテクノロジーが駆使された事実があったこと。有権者の個人データーが知らない間に利用される恐ろしさ・・・ネット利用者の個人データーのビックデーターの処理と活用で世論操作が行われたその手法。ネット上のフェイクニュースが大衆に与える影響などなどを明らかにして衝撃的だ。
ネットは世界の人々をつなげるものと、好意的に捉えるばかりではいけない。おそらく、決まった輪の中で、「フィルターバブル」の中に閉じこもる傾向が助長されやすい。そうした中で、テクノロジーによって「つぶやき」が広げられているのだ。ツイッターの書き込みの24%はボッットだという。ツイッターのアカウントのわずか5%が全体の75%の書き込みを行っているのだそうだ。「いいね」は信用できない。
アラブの春もSNS革命と言われているが、世論操作が行われている。イギリスの国民投票もしかり。スペインのカタルーニャの独立などはロシアの仕掛けが疑われるなどなど世論操作が、大国や大金持ちによって行われているというのだ。
そうした中での「国民投票」は真に、国民の意思が反映しうるのか、まさに「だまされない」本当の民主主義のためのリテラシーを確立しなければならない。
ちなみに、ドイツはナチスを台頭させた反省から、国民投票という制度はないそうだ。
国民投票という制度自体も再考する必要性が迫られているのかもしれない。