紙の本
続編、早く訳して!
2020/12/13 16:25
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぼく(ヴェルネル)は幼馴染で長年の恋人エヴァにプロポーズをして受け入れてもらう。
その帰り道に二人は男たちに襲われ、ぼくが目を覚ましたのは病院。その日からエヴァは行方不明になり、何の手掛かりも見つからないまま十年が過ぎた。
ぼくの親友のブリツキがフー・ファイターズのライブに来ていたエヴァが写り込んだ写真をフェイスブック上で見つける。「エヴァは生きている!」、単身、探し出そうとするぼくに、ブリツキは調査会社へ依頼することを提案する・・・という話。
これだけだったらまぁありがちな話っぽいんだけど、途中から語り手が「ぼく」に調査会社の経営者の妻「わたし」が加わるところがポイント。
しかもヴェルネルが支払いに使うお金の単位がズロチであることがわかり、「なんかあれだと思っていたけど、そうか、これポーランドだ!」と気づく。
いろいろと旧共産圏の名残のようなものが見えるのも興味深い。
十年前の出来事を乗り越えられないヴェルネルの言動が、もどかしいがリアル。
被害に遭う女性たちの心情が生々しい。
でももうこれ以上は言えない!
途中で「こういうことではないかなぁ」とうっすらわかるけど、それを裏切る(ちょっと強引な)展開!
しかも「ここで終わるとは! 終わられても!」なラスト!
本国では続編が出ているらしい・・・日本語訳も出してください!
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
十年前にプロボーズ直後に暴漢に襲われて目の前でレイプされ失踪してしまった彼女をフェイスブックで見つけ捜索する。
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《もう少し早く彼女にプロポーズしていたなら、あんなことにはならなかった――》
十年前、プロポーズの直後に暴漢に襲われたエヴァとヴェルネル。目の前でレイプされたエヴァはそのまま失踪した。絶望の日々を送るヴェルネルは、偶然フェイスブックで見つけた彼女の写真を手がかりに、単身で捜索を始める。チャットを通じて彼を助けるのは、調査会社経営者の妻カサンドラ。彼女にもまた、決して人には言えない秘密があった……。
ポーランドNo.1ベストセラー作家によるスリラーが満を持して日本上陸!読み出したら頁をめくる手を止められない、数頁チラ読みの誘惑に駆られまくる、驚異のスーパーページターナー本!
いなくなった女性を探す。と言うと最近では
「遭難信号」/キャサリン・ライアン・ハワード
(突然失踪した恋人を探す話)とかがあったので、そのイメージで読見始めた。
(ダラダラずるずると失踪の謎で引っ張られるのかな?最後あたりで会えて、謎がとけるとか…)
…これが結構早めに、予想ができなくなります。
通勤時に読むために買ったはずが
連休二日目で読み終えてしまった…
「続きが気になって、ページをめくる手が止まらなかった(30代 男性)」
と…よくあるフレーズですが、本気でそんな状態でした
(普段より読む時間が取れたのもあるけど)
…読むとわかるんですが、重たいテーマが根底にありまして、謎がとけていく解放感や
驚愕の展開に振り回されるストレスと
解放の繰り返し、楽しめましたが…
が…
が…
が… が…
テーマに対する答えが…
答えの無い問題で…
「本当に、これで?」
としか言えない…
なかなかの問題作でした。
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あの日に、エヴァが、消えた。
幼なじみで、初めての恋人で、そして婚約者だったヴェルネルは、以来ずっと後悔している。
もしもあの時、ああしていたら、していなかったら、エヴァがあんな目にあわなかったのではないか・・・・・・
そうして、 ヴェルネルが後悔し続けて、10年が過ぎる。
話はそんなヴェルネルが語り手となって進んでいく。
男がぐじぐじ悩み続ける一冊?
大丈夫。そんなことはない。話は動き出す。
間もなくページをめくる手が止まらなくなるだろう。
そして、店や電車内などでの読書ならば注意、
えーっ!っと、思わず声をあげてしまうからだ。
語り手はもう一人現れる。
不親切なことに、「私は誰です」「こちらの語り手です」というような自己紹介をしてくれない。
見出しもついていない。
読んで行けば判るように書かれてはいるが、すぐさま判るわけではない。
よって、だらーっと読むわけにはいかず、多少の集中力を要する。
読者は、話の緊張感とともに、読む緊張感も味わうことになる。
これが、うまい。
レミギウシュ・ムルス――聞き慣れない、覚えられない、そして申し訳ない、男女どちらかも判らない名前の作者は、ポーランド人の男性である。
1987年、本作の舞台であるオポーレに生まれ、弁護士であり、ベストセラー作家であり、著作は2013年のデビュー以降40作にも達している。
その人気ぶりはポーランドのアンケート結果からもうかがえる。
2017年、'18年と「一番好きなポーランド作家」で1位、
2019年には「1番好きな作家」で1位に輝いたのだ。
スティーヴン・キングも、ノーベル賞作家も抜いての偉業である。
ポーランドのミステリーというと、私は他にジグムント・ ミウォシェフスキしか知らない。
この二人しか読んでいないというのに、印象をまとめてしまって申し訳ないのだが、
ポーランドミステリーには、独特の雰囲気がある。
もっさりしていて、粗削りだ。
人の思考も話の展開も、思わぬ方に向かっていく。
アメリカのエンタテイメントに染まっていなくて、私はその擦れていないところが好もしいのだ。
ポーランド人といって私が思い浮かぶのは、恥ずかしながら、キュリー夫人、ショパン、ヨハネ・パウロⅡ世の3人である。
全員、活躍したのはポーランドの外の地だ。
その点、ポーランドミステリーは、ポーランドの地で、ポーランド人が活躍する話である。
しかも、ポーランド人自身がそれを「よい!」としているのだ。
その物語からは、もはや伝説めいた人々の伝記とはちがう、現在の現実のポーランドがうかがえるにちがいない。
馴染みのない国ポーランドが――かつて北欧の国々についてそうであったように――
人名、地名、食事、習慣、行事、生活、日常、風土、気候、etc.etc.etc...を知っていき、すっかり馴染んで、いずれ身近な近隣国のようになれば面白い。
そのためには、もっとたくさんのポーランドミステリーが必要だ。
レミギウシュ・ムルスの多数の作品を次々��、さらに言えば本作『 Nieodnaleziona 』の続きらしい『 Nieodgadniona 』の翻訳出版を、早々にお願いするのである。
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ストーリーの発想が、めちゃめちゃ面白い❗
細かい、突っ込みどころは、置いて、スピード感、スリル有り!!
終盤の主人公の喪失感は、計り知れない❗悲しい❗
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怪作、問題作とは言える。ページターナーなのは認める。
途中でびっくりして声が出た。
雑だなぁ…と思ってたら仕掛けでなるほどとも思った。
でも傑作ではないし、暴力描写は酷すぎる。ポーランドの人気作家らしいが、これがベストセラーだったらイヤだ。
扱う問題が重すぎるのか…でも、ミステリとしてはどうかな。びっくりはする、確かに。
ミウォシェフスキの3部作はとても楽しく読めたのに、これは好きになれない。
アルゼンチンのサッカー選手ホナス・グティエレスがあるヒントに使われていたところは、おおっ!と思った。
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主人公がエヴァにプロポーズした夜、不幸にも彼女は彼の目の前で複数の男たちにレイプされ、そのまま姿を消した。
彼は10年間エヴァを探し続けたが、あるとき友人がFacebookでエヴァの写真を見つけたという情報を持ってくる。
その写真には、彼に向けてのメッセージが込められていた。
エヴァによるいくつかの仕掛けによって、主人公はやがて彼女にたどり着くことになるが、展開の早さと、RPGのような仕掛けがとてもスリリングでとても面白いと思った(いくつか引っかかる部分はあったが)。
二度驚かされ、最後はやるせない気持ちになる。
辛い状況には大いに同情するが、こんなやり方は自分勝手で卑怯だ。やられた方の気持ちはどうなる?そりゃないよと思う。
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凄い、今迄に読んだ事がない展開に驚く。なるほどこれをページターナーと呼ぶのか、と納得。スピード感あるし、場面描写も変わるので飽きずに読めたが、DV描写の生々しさに引いた。最後はえ〜っと‥‥誰かとこの幕引きを語り合いたい。
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小学館文庫、なかなかやるね。と唸らせるのはここのところポーランドの面白作家を文庫化してくれるからだ。ぼくにとって最近のポーランド・ミステリと言えば、ジグムント・ミウォシェフスキのテオドル・シャツキ三部作なのだが、間を置かず現代のポーランドで一番の売れっ子作家である本書の著者レミギウシュ・ムルスは奔放初上陸。
ミウォシェフスキはポーランドのルメートルと騒がれたらしいが、むしろこちらのほうがルメートルに近いように思える。どんでん返しミステリの好きな方には、この本はけっこうたまらない。圧巻の仕掛けと伏線に満ちた一冊なのである。
もう一つのメリットは素晴らしいページターナーであること。冒頭から、物語の面白さに一気に掴まれるの。主人公ヴェルネルの目の前で、つい先ほど婚約を告げたばかりの相手エヴァが数人の男たちにより暴行され、ヴェルネルも殴打され昏倒するという事件が起こる。エヴァはそのまま行方不明となり、その十年後、エヴァの写真がネット上で目撃される。目撃者はヴェルネルの友人。写真は即刻消去されるが、ネット調査会社を紹介してくれた友人は、ヴェルネルの前で血まみれの死体と化してしまう、というスピード感である。
警察に第一容疑者として追われつつエヴァを再捜索し始めるヴェルネル。また、依頼を受けた調査事務所の責任者カサンドラの秘密を綴る章とを、交互に移動しながら、物語は疾走感を失わず、意外な方向へと進み始める。
とりわけ事件を引き受けたカサンドラが夫からの壮絶な家庭内暴力に日々悩まされる描写は、この作品を一体どこに進めようとしているのかという興味とともに、次第にヒートアップしつつただならぬ危機感を伝えてくる。
巻末解説によると、ポーランドでは週に三人が家庭内暴力で命を失っているらしく(俄かに信じがたい数字である)、本書の作者は、家庭内暴力防止キャンペーンの2018年大使を務めたという。本書は世界の人々に、ポーランドの闇への扉を開ける第一機会になるのかもしれない。
また、手練の謎深さを小説として提供するこの作者は、なんと33歳という年齢ながら法学者であり弁護士である。器用かつ、供給する新鮮な情報量の多さ、ハイテクに強いゆえ現在ならではのモバイル、スマホなどを駆使したニューメディア・ミステリとしての若さの強みも併せ持つ。
ポーランドの犯罪組織事情が実際にはこの派手な物語からは伝わりにくいが、この作品だけを見ると凶悪なマフィアやドラッグ・ネットワーク、そして治安の悪い場所などは大いに気になるところである。ミウォシェフスキの書いたポーランドは、大国に征服されてきた国ならではの暗い歴史とそれによって負ってきた傷痕などが目立っていたように思うが、こちらは家庭内暴力という、現在も国を問わない現代的な事件がどうしても目立っている。
次作が続編なのかどうかは定かではないらしいが、この作家の本、他にも良い物語があるのなら、ポーランドという国へのミステリ的興味を含め、大いに今後とも注目してゆきたいように思う。
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どんどん読ませてくれる。楽しめた。
けど、ちょっと真相が無理矢理感が強かったのと、納得がいかない部分があったので星4つ
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期待が大きすぎたポーランドミステリー。事件の発端は魅力的なものの、後半のストーリー展開がひたすらチャットによる誘導+行先で入手するUSBメモリ、というパターンで飽きるし、DV描写もしつこすぎる。たしかに大どんでん返し✖️2は驚愕するけど、ちょっと力技だな。もっと緻密に組み立てた物語と魅力的な登場人物に出会いたかったな。3.0
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久々にわくわくするミステリィを読んだ。
読み進めるのがつらい暴力的な描写も含まれるが,それすら物語に必要な要素になっている。
原語では続編が既に出版されているとのことなので,邦訳が楽しみ。
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「えっ!?」ってなったのは認める。
確かに驚きの展開だった。
けど読み終わってみれば納得できないことばかり。
この方法しかないと言い切っているがこれだと結果的に普通に旦那殺して国外逃亡するのと何が違うのか教えてほしい。
むしろそっちの方がよっぽど簡単で確実だ。
アイデンティティを盗むということはこれからエヴァとして生きていくということなんだろうか。
いや、本物のエヴァ発見されてるからそれは成り立たないよね?
10年間の真実、エヴァやブリツキに何が起きたのか、結局一切明かされなかったことがある意味一番の衝撃だった。
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DVのシーンは凄まじかった。
ストーリーがうまくできていて、できすぎ?と思うことも。
主人公がしっかりしてるんだか、ぼんやりさんなのかがフラフラ変わるので、今ひとつ移入できませんでした。
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ページターナー本って何?と思ったのが本書を読むきっかけ。実際、展開が程よいスピード感ですいすい読めた。
エヴァは結局10年間どこにいてたの?とは思うし、ブリツキはそれでいいの?とも思うし、警察もまだ真実を隠してそうだけど、とにかく、本書では二回驚いた。