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31年の時を経て
2022/01/12 23:52
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんな真相があったとは……。過去と現代がからみあって、真相がかなり重いです。しかし、スピード感のあるストーリーの進み方なので、あきさせません。
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あちこちに張られた伏線がラストで紐解かれ、あぁそうだったのかと作者に騙された。
小さな村だからこそ、村の権力者である「いっしょもち」たちの行いに誰も声を上げられなかったのだろうか。
31年前の母の死について、誰かが不審に感じていたら、その後の事件は起きなかったかもしれない。
知り合ったばかりの彩根が普通に真相解明に関わってくるのと、唐突に出現した日記の存在には違和感。
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タイトル「雷神」なのに雪が舞う寒々しい装丁を不思議に思ったが、新潟地方では雷は冬に多いものらしい。しかも夏の雷の数百倍くらいのエネルギーで首を持ち上げたヤマタノオロチのよう…まさに雷神。
幸せに暮らしていた家族が、母親の死によって悲劇が始まる。とても悲しく切ない話だったが、巧みな描写で物語の土地に引き込まれ、自然の中で一緒に謎を解く感覚を味わえた。
龍神、風神ときて雷神。
今回の作品で神シリーズ完結のようだが、写真家の彩根さんのキャラクターが好きなので、また別の作品での登場を期待したい。
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サイコーでしたっ!!
素晴らしいっ!!
優しくて、哀しくて、切なくて、怖くて……。
道尾秀介、ここに在り!!
集大成って感じじゃないですかね?
すべての作家さんに、こうあって欲しい!!
次作へのハードル、上げ過ぎで、早くも、期待感と心配が炸裂する今www
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どうしても娘の夕見に知られてはいけない秘密、そのことで脅迫されたのをきっかけに幸人は過去の事件に関わる真実を知ることになる
部分的な記憶喪失や会話不足で知る機会、助ける機会を逃してきたことが悔やまれる
手紙の改竄と名前の枠外し、気づくとなるほどなと(手紙の件は辛い気づき…)
こんな結末だと幸人の妻が亡くなった真相を事故を起こした相手が書き残してないだろうかと不安になる
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楽しみにしていた道尾さんの新作です。
まさか…こうならないよね?と不安な気持ちそのまま、又は更にその上をいく展開でした。
ドキドキしながら一気に読めます。
主なストーリーからは外れるところですが、主人公の夕見が靴を買ってきた場面に、辛い事を受け入れてこれから過ごしていこうというように受け取れとても印象に残っています。
舞台となる新潟県羽田上村は架空の場所ですが、雷の多い村のエピソードがどれもリアルで、好奇心も刺激されます。
ラストまで読むとしばらく放心状態、今のこの日常について考えざるを得なかったのですが、とても貴重な読書体験でした。
もう一度読み返したいです。
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村の因習、祭り、30年前の毒混入事件…。
好き、キーワードてんこ盛りのわりに、緊迫感なく、リラックスして読めた。
ゆるゆる読むと視点ずらしたミスリードにすっかり嵌る。いけないシリーズのように、手紙から真相を推理するのも面白い。ヒントから漢字をいじるとこまではわかったが、見抜けなかった!
この系統、また読みたい。
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そういう事だったのかー!
娘の夕見が4歳の時、ベランダから落としてしまったアザミの植木鉢。それが発端となり事故死してしまった妻。その15年前の事故の事実を娘にばらすと脅迫された幸人。
***ネタバレ***
それが間違いないと疑わないで読み進めていた私。いくつかの伏線があったにもかかわらず、
脅迫されていたのは、幸人ではなく父だった。
脅迫のネタは15年前の事故ではなく、
30年前の毒キノコ事件だった。
そういうことだったなんて・・・
すっかり騙されました。だから、面白かった!
事件の真相、結末は悲しいものだったけれど、
お姉ちゃんが凄く可哀想だったけど、
でも面白くて、後半は一気読みでした。
背景に、新潟の田舎にある、雷を祀る神社、
そこで行われている昔からの伝統のお祭り、
というのが情景を深め物語にどっぷりはまり、
凄く良かったです。
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タイトル、装丁に惹かれ購入。道尾秀介さんの作品は今まで読んだことなく、この作品が初めてでした。
読後感が凄まじい…まさに雷に打たれたようでありました。仕掛けも色々と施されています。
最初から最後までずっと面白い小説は久しぶりでした。過去の作品を急いで買いに行こうと思います。
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すごい話だった。文庫化を待てずに買った甲斐あり。怒涛の、かつ意外な展開。若干わざとらしいところはあったが、ミステリーとして見事であるとともに強烈なメッセージを感じた。登場人物の多くに共感。娘を持つ身としてはいろんなことを考えされられる。
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物凄い読み応えのある作品であると同時にとても読みやすい。
31年前、30年前、15年前、現代のそれぞれに散りばめられた伏線の怒涛の回収に、溜息が出る。
そうか真犯人は南人と幸人の名前にヒントがあるんだな、きっとこの人が・・と思わせるミスリードにまんまと引っ掛かった。
誰かが誰かを守りたかっただけなのに。
最後の2行は胸が詰まる。神様はいない。
読み終わる前にうっかり最後のページを見てしまったことが猛烈に悔やまれる。
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「風神の手」を読んだ時にも体感した
圧巻な後半の伏線回収劇に
終始鳥肌が止まらず
全ての糸が余すことなく綺麗に解けていくラスト...
今回も道尾さんの織り成すマジックに引き込まれ
どっぷりと浸かりました。
舞台が新潟と埼玉で
縁のある土地の設定でしたので
さも、自分がその世界にいるような
疑似体験を体感しながら読み
今もその世界に留まっている思いです。
人が人を想うがあまりに
生まれていく悲しみの連鎖...
どこかで、どうにか出来なかったのかな
歯がゆい気持ちで今もいます。
素晴らしいの一言につきます。
その素晴らしさに
自分の中だけに留めて置けず
読み進める度に
職場の人に話して聞かせ
一緒に謎解きをしながら読みました。
誰かと共有したくなる
圧巻の内容でした。
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土のにおいがする。土と血のにおいが。
途中で天をあおぎ「あぁ」とうめいた自分の浅はかさを恥じる。そんなもんじゃない。そんなもんじゃないだ。
空をこなごなに砕く雷。砕かれたカケラがそれぞれのこころに刺さる。
抜けることなく、溶けることもないカケラが時を経て蘇る。
ここまで描くのか。安易な救いを求めるなら読まないほうがいい。カケラが刺さる痛みに耐える覚悟を。
ひっくり返った着地点は知りたくなかった事実だった。
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伏線と回収もしっかりで相変わらず上手いと
思わせるが
新鮮味のある意外性がなかった。
著者も東野圭吾化していくのか。
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小料理を営んでいる幸人は、ある時、見知らぬ男から一本の脅迫電話がきた。その内容は、「娘に秘密をばらす」というものだった。それは幸人の妻・悦子の死亡事件に絡んでいる。娘が幼い頃、マンションの落下物により、車に当たる。そしてブレーキと間違えて、急発進。その先にいた悦子に接触して死亡してしまったという事件である。落下物というのが、娘が良いことと思って、ベランダのギリギリに置いた植木鉢である。娘にショックを与えないために長い間、隠していた。時を同じくして、大人になった娘は、ある写真家の写真に興味を持ち、写真が撮られた場所へ行きたいとのこと。それは、かつて幸人が幼い頃に住んでいたところで、家族が巻き込まれた忌まわしい記憶でもあった。
母の不審死、父が犯した?「毒殺事件」、脅迫電話も絡んで、様々なことが明らかになっていく。
読み終わった瞬間、しばらく放心状態でした。次々と明らかになる真実が残酷すぎる現実を物語っていて、「うわー」と思わずにはいられませんでした。
道尾さんの放つ独特な世界観。まるで、「〇〇の事件簿」のようなゾワゾワ感があって、不気味な空気が漂っていました。でも、たまに間接的に表現する情景描写が良い味を演出してくれるので、そこの部分は癒やされました。
序盤で展開される悦子の死亡事件や脅迫電話ですが、これらがメインの話ではなく、主に30年前の「母の不審死」「毒殺事件」などがメインとなっています。
幸人と娘、そして姉と共に忌まわしい過去をもつ場所へ行くのですが、そこでも新たな事件が発生します。真相を解明するがために起きた事件。終始、不気味な雰囲気を放っていて、それが何とも言えない感じが癖になり、その世界観に惹き込まれました。
読み進めるたびに新たな謎が登場し、どんどん未完成な情報が飛び交うのですが、後半になると、それらが段々と収束していきます。
どんでん返しもあって、衝撃的でした。
完成するたびに「繋がった!」という喜びはあったのですが、同時に哀しみが勝り、複雑な気持ちになりました。
そして、現在で起こる出来事も見事に絡んで、一つの壮大なストーリーになっていました。
ただ、喜ばしい気持ちにはなれませんでした。
何をきっかけに?どこで道を外したのか?どうしてこんなことになってしまったのか?
そのような思いが湧いて、しばらくは言葉にできませんでした。