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商品説明
「天」「道」「国家」「礼」「仏教」「書画」「陰陽・五行」など中国思想のうえで基本的な66の概念について、その歴史的生成と意味内容の変遷を解説。知の枠組を読みとき、中国の文化伝統を一望する大項目主義の読む事典。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
溝口 雄三
- 略歴
- 〈溝口〉1932年名古屋生まれ。大東文化大学教授、東京大学名誉教授。
〈丸山〉1934年台北生まれ。共立女子大学教授、東京大学名誉教授。
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紙の本
西欧世界とは別の中国伝統思想文化の総合的宇宙の全容を示そうとする得難い事典
2001/11/20 22:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木力 - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界の文化的伝統はギリシャと中国を二極とし、それ以外はこれら2つの亜流である、と喝破した人がいる。たしかに、数学についてはこの所見があてはまるように思われる。また、医学についてもかなりの程度、この観察は正しい。西欧文化は古代ギリシャの末裔としての意味をもっている。中国文化は、現代でも旧来の伝統文化の形態を依然として維持している。近代日本文化の意義は、両者を融合させて独自の発展を促した点にある。
本書は、中国の伝統思想の基本概念を、I「宇宙・人倫」、II「政治・社会」、III「宗教・民俗」、IV「学問」、V「芸術」、VI「科学」の大綱によって分類し、さらにそれぞれの分野で重要と思われる項目を大きく括り、その思想的流れを解説した、きわめて読みがいのある事典である。異文化というと西欧文化を表象しがちであるが、ここには私たち日本人にとってある意味で親しく、ある意味で縁遠くなってしまった中国文化の中心的概念が現代的観点から興味深く解説されている。科学史家のクーンに「通約不可能性」という概念がある。二者を比較する際、優劣が絶対的にはつけられず、割り切れない部分が残ることをいう。西欧文化と中国文化が互いに「通約不可能」で、それぞれが優劣がつけられない創造的な文化であることが理解されることになろう。たとえば、「術数」や「医薬」といった項目を読んでみればよい。いかにギリシャを源流とする数学や医学とは異なる思想的伝統が中国には存在していたか納得されるはずである。今度は「知」の項目を引けば、中国における知識がいかに人倫の学を中心にして成立し、いかに近代中国が西欧科学を受容するのに苦労したかが分かる。ただし、この項目で「科学」が西周の考案した言葉であったかのように記述してある(326頁)のは誤りである。いずれにせよ、中国の思想的「宇宙」への格好の案内書が本事典なのである。 (bk1ブックナビゲーター:佐々木力/東京大学教授 2001.11.21)
紙の本
出版社からのオススメ
2004/04/08 03:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こや - この投稿者のレビュー一覧を見る
●中国という異文化へ「読む事典」
中国の思想文化を形づくる最も主要な術語を全方位的に取り上げ,その歴史的生成と意味の変遷を見渡している.政治,経済,社会などの大きな歴史のうねりを背景として,どのように評価を変え,どのように連結しあって展開してきたか.
〈本事典の特色〉
*キーワードで読む新機軸の総合事典
*多彩な執筆陣が,内外の最新の知見を紹介
*幅広い読者へ贈る中国学のエッセンス
*索引など「引く事典」としての機能も充実
【担当編集者から】
かつて島田虔次氏は,平凡社百科事典の「中国」項目に次のように書かれた.中国が言論の国であるのに比べれば,日本は合戦の国であり,日本の独自性,たとえばその主情性など「直情径行は戎狄の美学」であると.中国思想の数千年にわたる流れを見渡すことは決して容易でないが,その思想体質の何たるかは本事典が存分に説き明かしてくれる.漢語がアジアのラテン語だった時代から現代にいたる概念史によって,読者はヨーロッパとは異質な固有の文化伝統を一望することができよう.