紙の本
アサドの祈り
2020/10/18 22:57
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アサドの過去がわかり、ドイツで残酷にテロ犯から家族を助ける物語と、デンマークでの特捜部Qのゴードン、ローセの活躍が同時進行で面白い構成になっていた。主役はアサドでマークが脇役という感じで物語が進んでいく。アサドには3人の子供がいることがわかったり悲惨な事件であったが、次の話でアサドがどこまでたちなおれたのかが楽しみです。
電子書籍
アサドの過去
2022/04/03 01:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
アサドのこれまで生きていた過去がいよいよ明らかにーと期待した分、……辛くなりました。ここまでとは……。ちょっと予想外……。海外ミステリーらしく過激なシーンもたくさんで……
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特捜部Qシリーズで一番どきどきした作品。
デンマークとドイツで事件が同時進行するのも、はらはらした。
長い年月、過酷な過去、アサドの苦悩を思うと胸がつぶれそうになる。
現実世界を思わせるテロリズムや祖国を後にする弱者たちにもリアル感があり、読んでてしんどいんだけど、希望が見え隠れするところに救われる。
結末まで気が抜けない本だった。
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先が知りたいような、知るのが怖いような、そんな緊張とともにページをめくった。
この感じは前にもあった。
あれはシリーズ5巻目『知りすぎたマルコ』だ。
帯にあるのは、
「お願い! 早くマルコを助けてあげて!」
まさにそういう話で、読者すべての気持ちそのままだった。
しかし、マルコ、申し訳ない。
君は初めて会った人だ。
『知りすぎたマルコ』で初めて知った人だ。
今回は違う。
アサドなのだ。
彼とは、シリーズ1作目『檻の中の女』(2012年)からの付き合いだ。
急遽設立された、たった二人の部署、特捜部Q。
カールとアサド、
どうにもぎこちない、上司と部下という関係から始まった。
ものぐさな上司カールを、
部下アサドが叱咤し、尻を叩き、
勝手に事件ファイルを選び出す。
それが、共に事件を追い、犯人を追い、
時に命がけの脱出劇を繰り広げるうちに、
顔の皺の一つから感情を読めるまでになったのだ。
我らがカールの相棒、
コーヒーとミントティーをいれる名手、
ラクダの話でカールを絶句させ、
読者を笑い転げさせる、
我らがアサドなのだ。
彼の過去は、時に、ちらりと窺えることはあったものの、
アサドは黙して語らなかった、
カールも強いて問わなかった、
その過去がついに明かされる。
そして、アサドは人生で最も重大な時を迎えるのだ。
「お願い! どうかアサドを助けてあげて!」
シリーズ8巻目『アサドの祈り』は、たしかにこれ一冊でも面白いが、しかし、この重みは、シリーズを追ってきた者にしか分からない。
ぜひ、これまでのシリーズを読んでからページを開いてほしい。
シリーズを読んできてよかった!
『アサドの祈り』を読んでよかった!
心からそう言える。
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久しぶりのQ課。今までの作品同様、現在の事件と過去の事件がリンクして進んで行く。これまでチラチラと見え隠れしていた、アサドがひた隠しにしていた彼自身の身の上が判った。シリーズ最初の頃はアサドを信じ切れていなかったカールも、たとえ何者であってもアサドはアサドで、仲間であり友人だと認める様になっていた事がとても心強い。
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特捜部Qシリーズ第八弾。今作でアサドの過去が明かされる。これまで優しくて明るいけれどどこか影のあったアサド。その理由が語られる。過去のこともそうだけれど現在の境遇、因縁の相手との対決と読みどころがたくさん。もちろんカールの活躍、プライベートなこともあり、ローゼやゴードンも活躍する。八作目になってもまだまだ面白い。次作でアサドがどうなっているのかも楽しみ。
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今迄のQ課にはない、国をまたいでの大捜索。しかも相手はテロリストを装ったアサドの天敵。ここに来て初めてアサドの過去が明かされる。時を同じくして殺人予告をしてきた引きこもりのゲーマーが現れQ課はかつてない程の緊張感にさらされる。テロリストや難民、と日本に住んでる私には身近には感じられない話だったが、カールやアサド等登場人物が交互に現状を語るスタイルで惹きつけられた。特に後半は息つく間もない展開で私も祈る様に読んだ。
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特捜部Qシリーズ第八作。
とうとうアサドの過去が明らかになる。
家族と離れて暮らしていることは予想していたが、
こんなにも悲惨なことになっていたとは思っていなかった。
いや、思いたくなかった。
はじまりはキプロスの岸辺に流れ着いた難民の遺体。
孤独と貧困で自殺しようしたジャーナリストはその発見現場に居合わせ、
取材活動の中でテロリストに利用され始める。
同じくその遺体は、アサドに悲惨な過去を語りださせたが、
復讐の鬼から家族を取り戻せるのか。
ローセの復調、モーナがカールとの子供を妊娠し、
ハーディは治療が進んだようで進まない。
少年から警察にかかってきた電話はいたずらなのか。
テロは止められるのか、アサドとその妻子は。
日本の「引きこもり」が話題にあがっていて、ちょっとびっくり。
それと、日本の「刀」も登場する。
異国の武器にあこがれをもつ気持ちは分かるが、
ゲームと違って「刀」で人の首をはねとばすのはかなり難しい。
一度でそれをなしとげられたら、それは「刀」ではない。
妖刀だ。
次はアサドの息子の話になるのだろうか。
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9月-2。3.5点。
特捜部Q。海岸に打ち寄せる移民、その報道写真の中に、アサドの秘密が。
アサドの物語が、とうとう語られる。
ラスト100頁のスピード感はさすが。
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ゴードンもなかなかできるようになってきたなー。
カール、アサド頑張れ。
ローセ、ゴードン、カール頑張れ。
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シリーズ8作目はアサドの過去の清算という特別なストーリーで半分ぐらいは警察ミステリではありませんでした。邦題と同じく自分も絶望的な状況からの解放を祈りながら読みました。特捜部メンバのカールへの信頼感が熱かったです。次作以降、スーパー部隊路線に向かうのか警察ミステリに戻るのか。いずれにせよ確立されたキャラクタの活躍が楽しみですね。
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未解決事件を扱う〈特捜部Q〉シリーズ第8作。
サブタイトルで分かるが、ついにアサドの秘密が明かされる。
アサドと名乗っていたからシリアに関係しているのかと思ったら違っていた。
彼の過去は思った通り壮絶だったが、それ以上に驚いたのは殺人捜査課のラース・ビャアン課長とアサドとの関係。
単なる警察官幹部と思っていたら、意外過ぎる経歴だった。だからアサドを特捜部Qに連れて来たのか。
しかも序盤でビャアン課長はいきなり死んじゃうし。その兄も自殺するし。そしてビャアン課長の葬儀が国葬なのも驚きだし。こう書いては何だが、署長クラスならともかく殺人捜査課課長で国葬って、ビャアンはどれだけ高い階級だったの? これまでのシリーズ作品で読み落としたり忘れているところがありそうで、そのうちに読み返していこうかと思う。
それにしてもアサドがこんな大変なものを背負っていたことは勿論、そこにビャアン課長とその兄が深く関わっていたことに驚く。アサドはビャアン兄弟に巻き込まれた形だが、あの状況ではそうするしか無かっただろうし、その後も不幸な状況が重なったとしか言えない。
ビャアン兄弟は最後にその苦しみを自分の命で償った形だが、アサドは違う。
結局暴力や憎しみはその連鎖しか生まないし、その標的にされるのは常に弱者だ。十年以上もこんな絶望的な状況でどうやって自分の精神を維持出来たのか、私には全く分からない。とっくに精神が壊れてしまうか自殺してしまうかに追い込まれそうだ。
一方で十六年もアサドに復讐の炎を燃やし続けたテロリスト・ガーリブのその精神にも恐れ入る。
アサドとその家族の置かれた状況は絶望的で、どうなるのだろうというその思いだけで読み進めた。
勿論みんな助かって欲しいが、その過程が過程だけに助かっても『めでたしめでたし』となるかは大いに疑問。家族の絆を取り戻せるのか、もしかしたら一生戻らないかも知れない。ガーリブは何と罪深い恐ろしいことをしたのか。改めてゾッとする。いっそ一緒に『楽園』に行く方が幸せなのではないかとすら思えるのだが、その結末はいかに。
こんな最悪最強のテロリスト集団を相手に、ドイツという管轄外で丸腰のおじさん警察官カールに何が出来るのかと思ったが、予想に反して頑張っていた。途中脱落したときはやっぱりカールじゃ何ともならないかと諦めムードだったが、短時間で復帰。やるじゃないか、カール。
しかしそんなカールが何と何と、パパになるなんて!相手はもちろんモーナ。いやいや、年齢的に喜びよりも不安の方が大きいんですけど。というか、避妊してなかったの?
まあそうなったからには無事に出産出来るのを祈るのみ。
一方、引きこもり青年が何かの事件を起こそうと度々特捜部Qに電話をしてくる案件を復帰したローセ(体調はともかく職場復帰おめでとう)とゴードンが扱う。最初こそ構ってちゃんのイタズラかと思われたが、中盤で青年はついに事を起こす。そっちも目が離せない。
デンマークでは引きこもりというのは珍しいらしい。日本では百万人もの人間が引きこもりになっているという話が出て来てみんなで驚いている。欧米では『自らを監禁する』現象は理解しがたいものなのだろうか。
さらにこの青年は日本刀を模した刀を自分で研ぎ上げて凶器にしているし、三船敏郎から取った『トシロー』を名乗っていたり日本に影響を受けているのが興味深い。
こっちの事件はビャアンの後を引き継いで警察官に復帰したマークス・ヤコブスン課長とローセ、ゴードンの捜査が進むが、最後はこちらもカールが上手いこと締めている。
次回はついにカールのトラウマ、〈ステープル釘打ち事件〉に進展があるのか。その事件で大怪我をしたハーディがスイスで新たな治療を受けるチャンスがやって来る。それはハーディやカールにどんな転機になるのだろう。楽しみのような怖いような。
序盤に地中海で溺死する沢山の難民が出てくる。中東情勢も難民問題も他人事ではいけないのは分かっているが、ヨーロッパのようにテロリストまで一緒にやって来るのは困る。日本のような性善説で成り立っている国には、ドイツのような凄腕スナイパー集団もテロリストに対応出来る組織もシステムもないのだから。
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1作目から読んでいるデンマークのミステリー。
毎回毎回アサドがトンチンカンな例えをするのが面白いのだが、さすがに今回はあまりない。題名と同じく私も祈りながら読んだ。
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ひさしぶりの特捜部Q。
シリーズ1からずっと読んできたから、
しっかり楽しめました。
アサドの過去がわかったけど、これでおしまいにならないみたい。
ロッセもダイエットするかしら。。。
カールの子は?
シリーズ9を楽しみしてます。
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カールの宿敵だったラースの突然の退場と入れ替わるようにアサドの謎に満ちた過去が浮上してくる本作は、家族の危機とテロリズムの脅威が刻々と迫る中、いつもの軽妙なユーモラスな合いの手も入る余地がないくらい追い詰められた重苦しい空気に覆われて進行するが、大団円に至って最後にカールが放つ決め台詞で読者をカタルシスへと誘う。