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紙の本
定年待合室 (潮文庫)
著者 江波戸 哲夫 (著)
経験も人脈も豊富な男たちは、それぞれの職場で鬱屈を抱えていた。そして、かつての辣腕たちに、ふたたび己を試す挑戦の場がめぐってくる…。再起にかける男たちを描く経済小説。【「...
定年待合室 (潮文庫)
定年待合室
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商品説明
経験も人脈も豊富な男たちは、それぞれの職場で鬱屈を抱えていた。そして、かつての辣腕たちに、ふたたび己を試す挑戦の場がめぐってくる…。再起にかける男たちを描く経済小説。【「TRC MARC」の商品解説】
妻のガン宣告を受け、50 代で大手百貨店を早期退職した敏腕営業マンの大和田。妻を失ったあと、ふとしたきっかけで“人助け”に手を貸しはじめる。
販売不振や営業崎とのトラブル解決をめざすなかで巡り合った、経験も人脈も豊富なその道のプロたちは、それぞれの職場で、それぞれの鬱屈を抱えていた。
このまま「定年待合室」で悶々と日々をやり過ごすよりは――。
彼らは新会社を立ち上げ、ある地域の再生プロジェクトに立ち向かう。【商品解説】
妻のガン、50 代で早期退職した敏腕営業マンの大和田。人助けで出会った仲間とともにある地域の再生プロジェクトに立ち向かう。【本の内容】
収録作品一覧
クレームの迷路 | 7−70 | |
---|---|---|
埴輪の営業マン | 71−150 | |
売れ残った城 | 151−250 |
著者紹介
江波戸 哲夫
- 略歴
- 1946 年生まれ。1984 年「小説大蔵省」で作家デビュー。政治・経済などを題材にしたフィクション、ノンフィクション両方で旺盛な作家活動を続ける。著書に「小説盛田昭夫学校」「会社葬送」「集団左遷」など。
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紙の本
物語の中には実体験が盛り込まれているのか?
2019/10/14 18:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
定年待合室とは、定年退職までもう幾年もない社員の属する部署である。どこの企業にもありそうな所である。定年退職はまだまだ先の話だと思っていると、あっという間に時期が来てしまう不思議な感覚である。40年以上勤務した組織から解放されてしまうのだから。解放と言えば聞こえはよいし、その一面は確かにある。しかし、今まで経験したことのない生活に突入することは紛れもない現実である。
本書は有名百貨店に勤務し、それなりの実績を上げたにも関わらず、担当役員のいじめで早期退職せざるを得なくなったベテラン社員が主人公である。このところ百貨業界には合併や不況の嵐が吹き荒れているが、外商部にいた主人公は人脈や接客には豊富な経験を持っていた。
同じく、それぞれ異なった経歴を持った同年輩の人たちが集まったスナック。この仲間に難題が持ち込まれてくる。スナックのママが主人公を持ち上げる。主人公は気が進まないまでもこれまでの人脈や経験を生かして持ち込まれた難題を次々に解決していく。
このところ定年後のサラリーマンを扱った小説は流行の波に乗っている。内館牧子、楠木新などいずれも興味をそそるものがあった。本書は定年後のサラリーマンがなかなか会社員時代のシガラミを忘れられないシーンが綴られている。経験がなければ書けないところではないかと思う。
巻末にはその楠木新が解説を書いて締めている。定年なんて関係ないという若い人たちにはいくら説得しようとしても無駄である。それを聞いてくれる奇特な人はいない。しかし、定年間近、あるいは直後の人たちには何か訴えるものがある。本書の物語のようにスイスイと事が運ぶことは現実にはほぼないであろうが、現役当時の苦難を振り返る参考にはなる。まあ、それも余計なことで、自分のことは自分で解決すべきという声も無視できない。