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これからの時代の介護に必携
2023/01/29 19:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろとこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
介護そのものはプロにお任せして、無理のない範囲でやりましょうという本。結局はそれがみんなの幸せにつながりますよ、と「親不孝介護」を勧めてくれる。ライターの方の体験という具体例にそった実践的な解説だ。親に会いたくなければ会わなくても良いと言ってくれるし、救われる子供は多いはず。個人的経験からも、子どもがやってくれると思えば他人の介入を受け入れなくなる、というのは本当だと思う。これからもバイブルにします!
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今まで正しいと思っていた親の介護の考え方を変えてくれる本。
これからは、親の面倒は見なくていいと思えると、とても楽になると思う。
上手に支援を使って、実際の介助には携わらない。手続き関係に主に専念。それでもいろいろ予定外、想定外は起こると思うけど、不安はだいぶ軽減されると感じた。
(一人見送り、これからもう一人始まる半経験者が感じたこと)
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元々親のお世話のために自分の生活を犠牲にするのはなんとなく違うよな、自分が年老いて子どもの時間を自分の世話に費やさせるのは本末転倒だと思っていた一方、そういう考え方する自分は思いやりがない情けない人間だとなぁと思っていたけど、そんなふうに考えなくていいんだと、ちょっと気が楽になった。
特養に父を預けて、父に申し訳ないと思っていたけどそんなふうに考えなくてよくて、むしろケアはプロにお任せすることで、特養のスタッフへの感謝の気持ちが強くなった。
また自分が年老いてできないことが増えてきても、それが自然なんだって腑に落ちて、老化が怖くなくなった。
親御さんを大切に思っている人ほど、この本を読んで親子共々後悔しない人生を送ってほしいと思います。
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どの介護本もみな、遠距離介護がテーマになっており、私のように同居の場合は参考にしがたいが少しはためになったと思う。
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■介護に関して、著者の実体験を通じて、介護のノウハウを教えてくれる本
■一般的に「子供が親の世話をすることが良い介護」との認識だが、実際は共倒れして、お互いに良いことはない
■著者の実体験を通じて、ほど良い距離感や介護に必要なことろ構え・考え方、引いては、自分の人生観を考えさせられる本
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2022年初版。私自身が、いろんな事情があり88歳の母と同居をしています。本の中でも出てきますが、親孝行の呪いに自信がはまっていることを痛感しました。読んだからと言って解決はしないのですが、ヒントにはなりました。あまり一人で沼に入り込まないでケアマネさんに相談をしてみようと思えたことが、一番の収穫かと思えます。
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本屋さんでタイトルを見た時は驚きましたが、近い将来に経験することになると思いますので、筆者の体験談が書かれている本だと思い読むことにしました。読み終わってからの感想は、経験した人からの助言というのはためになるなと思いました。
この本のタイトルである「親不孝介護」の意味がわかりました。親の介護が必要となった場合、子供である自分がすべきことと、介護のプロに任せることは別であることを認識し、親と過ごしてきて親のことをわかっている「子供である自分」しかできないことに集中して、プロの方と連携をとって行うこと、さらには、介護と「会社で行ってきた仕事」とは種類が異なるもので、本の中で説明されている「介護とは撤退戦」であることを理解することが重要であると理解しました。来るべき日の前にこの本に出会えて良かったと思いました。
以下は気になったポイントです。
・親が認知症でないかと思った場合、まずは地域包括支援センターに相談するのが得策である、そこでは近所にどの病院にどんな医師がいて、どんな活動をしているかという情報があるから。信頼できる病院を包括センターに紹介してもらい、素早く診断を受けるのが正解である(p25)
・包括センターにとって、状況が悪化するだけ悪化してから支援を求められるよりも、問題がない時点から相談してくれる方がずっとマシである)p42)
・(1章まとめ)介護は治療ではなく撤退戦という意識を持つ、堂々と公的支援をうけるとハラを据える、親を担当する包括センターを探して相談をしておく(p53)
・子供が自ら説得するのが難しそうなら、第三者、専門家に間に入ってもらう、のが実に効果的である。親子だとどうしても生じる甘えが「よその人」や「先生」相手だと消える(p61)
・介護は異常事態ではなく日常であって、本人が緩やかに衰えていくのを支えていくプロセスである、長いこと会っていないのに頻度を増やしたら親の衰えをにショックを受ける回数が増えてお互いにストレスとなる(p87)やってはいけないのは、親のそばで暮らして自分で介護をしようとすること、親の介護は、自分はマネジメントに極力徹して、例えばおむつ交換などのオペレーションには関わらない、これが基本である(p88)
・(2章まとめ)老いた親を見ていればイラつくのは当たり前と知っておく、近くにいることは親孝行の必要条件ではない、親孝行が呪いにもなることを肝に銘じておく(p96)
・介護認定申請は、介護保険証が必要である。年金手帳や健康保険証と違って普段は用がないものなのでしまい込んでいることもある。(p106)
・本人は認知症のような状態が現れていることを一生懸命に隠そうとする、調査員が帰る前にお母様には見えない、聞こえないところで直に調査員の方に状況を伝える方が良い(p116)
・介護保険の申請が認められると、介護サービスが利用できる。1)認定申請書と介護保険証を窓口に提出、2)訪問調査と主治医が意見書を提出、認定結果が通知、3)ケアマネジャーを探してケアプランを作成、4)介護サービスの利用開始(p125)ほとんど包括が代理で行ってくれる(p126)
・(3章まとめ)1)申請の代行を活用して仕事を休まず介護保険の申請、2)認定調査の時は立ち会う、3)自分は親の介護の経営者であると自覚すル(p144)
(4章まとめ)1)理想の生活態度を親に押し付けない、2)予想外の連続が介護、完全完璧を求めない、3)トラブルは起きる時は起きると大きく構える(p184)
・介護保険を調べるときの意識や視点は、自分の親は使わないかもしれない制度の詳しい内容に奥よりも、利用者となる自分の親に置くべきである。自分の親に合う介護サービスにはどういったものがあるかを様々な介護サービスの知識を持っているプロに尋ねて情報を聞き出して検討することに集中すべき(p211)
・老人ホームの選び方、1)すぐ入居可能、残り1室と言ってくる施設は基本 NG、2)見学は昼食の時間、3)職員の離職率を調べる(介護サービス情報公表システム)(p228)4)月額料金は総額を聞く、5)看取りケアをやっているかを確認(p217)そして、入居する親が求めているものと合っているかが重要である(p226)
(5章まとめ)1)介護の制度を完璧に理解する必要なし、2)親が入る施設を探すために最も重要なのは「時間」早めに包括に相談する、3)親への罪悪感から高い施設を選ぶなかれ(p232)
・短期記憶を試されない会話をする、その方がもうすでに習得されていることで、ストレスなく流暢にお話しできることを話題にする。いい記憶と結びついていることが多いので(p258)
(6章まとめ)1)介護のサービスと「おもてなし」は異なる、2)辛ければ会いに行かない、方が実は親にも優しい、3)人はいずれ死ぬという事実から逃げない覚悟(p266)
・親御さんの「人としての幸せ」を知るヒントをたくさん知っているのは家族しかいないので、時間があるうちに教えて欲しい(p277)
・認知症に向かっている医師いわく、「認知症になったらどうしよう」と怖がるよりも、「なる前にやりたいことってなんだろう」と考えるようになった(p280)
・努力→成果、失敗→自己責任の、仕事なら当然の考え方でやっていたら、あまりの整合性のなさにヘトヘトになってしまう(p284)介護では他の人の例はあまり参考にならないし、してはならないことが多い(p285)親の介護にあたって「できること」「やりたいこと」をちゃんと捕らえている方は、仕事もうまく回している(p291)
(7章まとめ)1)介護が苦しく感じたら成果主義で考えていないかを疑う、2)自分を支配している価値観はどこから来たのかを探る、3)自分なりの自己覚知(何をしていたら楽しいか、穏やかになるかを思い出す)にトライする(p292)
(8章まとめ)1)親の介護って大変すぎるよね、と言われたら、苦労を聞いてあげて介護に公の介入を仰ぐのは当然だよねと伝える、2)親を近くに住まわせようと思っていると言われたら、距離をとることが大事であることを伝える、3)仕事をやめて親の介護したいと言われたら、プロでさえ自分の親の介護はできない、仕事で頑張っている自分を見せるのが親��行であることを伝える(p318)
・これから10年間、どういう風に生きていきたいかのイメージを親に聞くことを繰り返す、それを引き出すには「まず自分の10年間のイメージを作っておく」(p331)
(9章まとめ)1)親と距離を取ることに罪悪感を持つ必要なし、2)親に困ってもらうことを恐れてはいけない、3)親と自分は別の個人だと認識しておく(p335)
2023年6月10日読了
2023年6月11日作成
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介護に対する考え方が180度変わりました。定量的に示したデータが書かれているわけではないが、共著者の1例を元に、親へのアプローチのやり方が書かれているだけであるが、著者の経験を交えながらの説明が説得力あります。そもそもデータを求めることがビジネスマンの考え方でのアプローチで、失敗の根本原因になっている。
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『#親不孝介護』
ほぼ日書評 Day709
介護に正解はない…けれども、仕事の出来るビジネスパーソンに限って陥りがちな沼パターンがある。それは、努力すれば(程度の差こそあれ)報われるというビジネスでの成功パターンを、介護にも適用しようとすること。
加齢という自然現象を止めることはできない。努力しても報われないどころか、想定外のより悪しき状況に直面することが不可避である。
それでも自分が何とかせねばと抱え込み、挙句、介護離職や心身の不調に陥るケースを防ぐための心得が語られる。
その秘訣は「介護とは治療ではなく、撤退戦」とわきまえ、元に戻すのではなく、損害を抑えながら穏やかに過ごすことを優先することだ。
精神論だけでなく、数多くの企業におけるカウンセリングに裏付けられた非常に具体的な打ち手が紹介される。
まず連絡(相談)すべき先は、地域包括支援センター("包括")。親が住んでいる住所(何丁目まで入れる)(スペース)地域包括支援センター」でネット検索すると良い。
通販の継続契約は、軽い認知症の人には大問題。未開封の商品が、そこかしこにあるのはザラだと。あのTVコマーシャルは、そういうグレーな面のあるのをわかって流しているというのか…。
「包括」への相談は"まだ問題ない内"から行って構わない。大事になってからでは、かえって行政側のコストもかかるので、早めに相談の方が"コスパ"がよい,
家族はどうしても判断が「甘く」なる。(認知症等について)そうあって欲しくないという願望も入るため。「まだちょっと早いかな」は、実はもう危ない兆候である。
とどのつまりは、認知症の程度が進んでも、不意の別れを迎えたとしても、それは自分(子)の努力の及ばぬ範囲。成果主義ではない価値観を見出すしかない。
「介護離職」を防ぐための、企業側対応マニュアル(同僚からの相談にも適用可)。
1. 状況を客観的に(トイレ失敗の回数等を定量的に)話してもらう。
2. 説明を聞く中で、当事者社員が最も困っていることが可視化される。
3. その「介護で困っていること」を聞いてあげる。
以上! 否定せず、アドバイスもしないことが重要。それでも何かしてあげたいなら、今ここで話したことを"包括"職員や担当ケアマネに伝えるよう助言する。
神対応は、包括やケアマネとのコミュニケーションのために「介護休暇」等(有給休暇ではなく)を利用することを勧めることだ(時間がなくて相談に行けないという事態を回避できる上、ベストな結論に至る可能性が最も高い)。さらに本人が躊躇するようであれば、かわりに"包括"に電話し、当社の社員が親の介護で悩んでいるので、相談に乗って欲しい…そこまでできたらファンタジスタ!
行政側も、企業のこうした姿勢を知ることができれば以後のプランを立てるためにも有用。
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何かで紹介されていて、親の介護も他人事ではないので読んでみた。
実際に介護に関わった人が自分の経験を基に、介護の例を紹介している。
これは本にするぐらいだからうまくいっている例である。親の介護は誰しも初めての経験だから、始まる前に何らかの知識は得ておくに越したことはない。
参考になったのは「地域包括支援センター」を調べておくこと、「介護保険証」を確認しておくこと、自分で介護しようとせず、プロの手を借りること。
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タイトルほど「親不孝」では無い内容(笑)十分に親の事を大切に思い、アクション起こしているよ!と筆者に突っ込みました。しかしながら、いくつか大切な事が書かれている気がする。「介護とは日常の中で出来る事が減っていく撤退線」「親にイライラしてしまうのならな、会わずに距離を取ればよい」「公的な仕組みをしっかり活用する、それは悪いことじゃない」「親にとって、子が元気に働いていることが一番、それが日本の公的制度を回すことになる」。自分自身、親との距離感に悩んでいるので、とても参考になりました!子育てと同じで、先回りでトラブルが起きないように手を尽くすことは、結果として、状況を悪化する可能性があることを頭に入れておこうと思います。
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介護を考えた時、まず包括ということを知れて良かった。確実に迫ってくることなのに、自分なりのイメージばかり持っていて、もっと実際を知らないといけないと思った。
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会社でたまたま助成金関係で受けた研修で、「介護休暇は介護するためでなく、離職せずに済むよう制度を使って親の生活を整えるため」ということと包括の存在は知っていたが、それを実際にした人の話だった。
介護離職して親に虐待してしまう人がいる、というのは、育休中に赤ちゃんと2人きりで困ったり追い詰められたりしたことのある人は想像しやすいと思う。なので、バリバリ働く男性がこうなりやすいんだろうなと思った。
この本では息子と人好きな母親だけど、父親の方が家に人を入れるにしても施設に入れるにしても大変そうなので、父親バージョンの話も読んでみたい。
ともかく、育児と違い介護は何もしてなければ突然始まるので、何も知らずに突入するにはハードルが高すぎる。
親も年取ったな、と思った人は介護なんてまだまだ先と思っても一読しておいた方が良い。
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介護、というとわれわれはどうしてもガッツリ親に関わって、を想像してしまう。その考えが導くのは親も子どももともだおれ、という現実。いま世の中にある「親孝行」という常識をすっと俯瞰して、相談し、頼れるところは頼るというマインドの変換が、結局は親も子どもも幸せに健やかに暮らせる、という本でした。親の価値観は元気なうちに知っておかなければなー。