紙の本
リアルすぎ…
2024/03/02 03:20
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投稿者:マロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
異国の地でましてや医者の誤診で全く知らない人の手が移植されるなんて、、、左手の感覚がないことや、神経が繋がっている気がしないなどリアルに書かれていてゾワゾワしながら読みました。面白い!
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三島由紀夫賞授賞時の朝比奈さんの質疑応答で、
「書きたいものはすでに初めからあって、それを書いているだけ」というようなことを仰っていて、すごく気になったのでゲラを頂いたんだけど、
本当に素晴らしい作品で新しい表現に出会ったと感じました。
移植された他人の手。
納得のいかない喪失と、自己の再建。
世界を、こんなふうに見ることができるなんて思わなかった…。
ネタバレしたくないのでここには詳しく書かないけど、ハッとする文章がありすぎて、メモはいっぱいになってしまいました。
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島国である日本と、繋がっている大陸の国々では国境の捉え方は確かに違うのだろうと思う。
移植された左手の繋ぎ目がまさに国境のように描かれていて、そこに日本人としてのアイデンティティが感じられた。
臓器移植でも拒絶反応はあるけど、「左手」という自分で見える部分の移植は、精神的な拒絶反応も出てしまうと思う。
ハンガリー、ウクライナ、ロシア…との政治的な問題も絡んで、なかなか重たいテーマ。
難しかった。
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ききみみ、ききひだりてにて、なやむひといるよ!なにか、けさくちゃいとか、けさらんだだんだだんくちゃししゆうる、なにわたのどんでぶうなど、てぐせさきくさらんだらんらむうあとか、なに、かぬくさまにあっくさとか、げえむはらみはらんでたんじゆんには、すうしのはんだんがだめでどうしたのかな、つとむじようたいはんざいに、なっちやう、なちまちるどはんにんはんていぬるからねえ
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肢痛や拒絶反応などの左手をめぐる術後の肉体的・精神的描写に圧倒されながら、転がるように何とか最後まで読み切る。勉強不足な日本人である故に到底理解が及んでいない場面もありますが、この小説内で何か凄まじいことが行われているのは解る。まさに必読。
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この作品は私には何がいいたいのかよくわかりませんでした。
ストーリーも実はちんぷんかんぷんでした。
自分の読書の記録としてわかったことのみを書きます。
ハンガリーの内視鏡センターで働く看護師で日本人のアサトは左手を切断する必要のなかった手術で癌と間違えて切断されてしまいます。
ハンガリー人のドクトル、ゾルダンは誤診をしましたが、アサトに別人の手を移植します。
アサトには元ジャーナリストで、看護師のハンナというウクライナ人の妻がいます。
ハンナは関西弁のような言葉で話します。
P105ページのハンナの言葉にはっとしました。
「日本は大きな国やわ。ハカタには新幹線で四時間以上かかったし。ヨーロッパなんてユーロスターに四時間乗ったら三か国は跨ぐで。ロンドンから、リール、ブリュッセル、アムステルダム。ああ。四つか。列車がな、国境を超えるたび、空気がふわっとかわるねんで。外気じゃなくて、ユーロスターの中の空気がやで」
「いいなあ、島国。大きな列島、どこまで行っても自分の領土」
「自分だけの山、自分だけの河。陸から他の国は見えるん?」
そして、ハンナは身に危険が降りかかった時、自爆テロで亡くなります。
アサトはハンナの手が自分の左手に移植されたと思い込みます。
ハンガリーでは温泉は混浴で水着を着て入るというのは初めて知りました。
ドクトルたちは、日本が手の移植手術を行わないのは日本に国境がないからではないかと言い出します。
一体何の話なのかやっぱりわかったようで全然わかりませんでした。
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久々の休みの日に読みたかったものから選んだ本です。
今読むべきではではないと、読み始めに感じた
読後、痛み、苦しさ、衝撃ばかりで後悔しました。
多少時系列に救われたかな、
つらい現実を乗り越えなきゃいけない事が起こるのが怖い。重い休日でした。
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麻酔から覚めると、見知らぬ他人の手が移植されていた。
ハンガリーの病院で、内視鏡センターで技師をしている日本人のアサトは、ある時、自分の左腕に
腫瘍が見つかりすぐに切断しなければならなかった。そして左腕は切断されたのだが、まさかの
医療ミスで本当は切断しなくても大丈夫な症状だったのだ。なんとも言えない気持ちに陥ったアサトだったが、そこに現れたのが、新しい主治医の
ゾルダンだった。ウクライナにいる最愛のハンナを思いながら、現在起きているウクライナとロシアの問題をリアルに届けていると思います。
少し歴史を知った方が楽しめると思います。
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植物少女がとても良かったので、朝比奈さんのこの本も読んでみたかった。
他人の手を移植することは、どんな感じなのか?
とてもよく書いてあって怖いくらいだった。
日本では手の移植が行われたことはない。
幻肢痛に立ち向かう様子が細かくて、痛みが伝わってくるようだった。
左手でトンカチを持って釘を打つリハビリは、
利き手ではないし、普通の人でもやりにくいと思う。
むすんでひらいて
日本の手遊び。これもリハビリ。
激しい拒絶反応で真っ赤に腫れる左手。
この本は、初めから最後まで、なんというか左手がじんじんする感じがすごい。
現役医師だからこそ知り得る情報があちこちにあり、描写が生々しい。
すごかった。
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ラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」で出演されていて、プロフィールや小説を書くきっかけ、スタイルに興味を持って。
本の帯にある3人の識者によるコメントがしっくりくるのだろうが、なかなかに難しい本であった。
遡って、著者作品を染み始めよう。
読み解くことで、少しずつもやもやしている部分が理解できるかもしれない。
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誤診により切断された左手。そして移植され見た目は左手も回復したように見える。自分の左腕と、他人の掌、指。その境界と国の境界の話へと広がっていく構成が自然で上手い。確かに繋がった手に振り回されるような、感情が追いつかない日々と、ロシアとウクライナの問題がリンクしていくように語られる。そこを隔てているものは何か。国や国境とはなにかまで問いかけてくる。前作の『植物少女』同様に今作もすごい。
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ハンガリーの病院で手の移植を受けた日本人のおはなし
奥様はウクライナ人
舞台はまさしく今現在で、ウクライナの状況ヨーロッパの状況が一個人の身体と重ねて論じられている
一度切り落とされた手はもう戻らない
移植され繋がれる手は、同じ手であっても元の手とは別の誰かの者
それを、どう受け止めるかということを問われている話なのかなと
思ったけれどどうなんだろう。主人公の悩みや困惑が夢現のようで少し複雑な印象。
土地を奪い奪われの陸続きの大陸のひとと島国日本の人間には考え方や受け止め方に違いがある、というのはわからなくもないと読みながら思ってしまったけれど、それでも失っている島はいくつかあるのだよな。そこに痛みがない訳はないし、でも我が事と捉えられているかといえば微妙なところで、勉強して知らなければなぁと、作品とは直接関係のないところかもしれないれどそう思った。
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左手を誤診で切断、他人の手を移植だなんて考えられない。最初の切断の時点で衝撃が大き過ぎるのだが。
切断が決まったときの周りの反応があまりにもあっさりとしていて驚いた。所詮、他人のことだからなのか。
国の侵攻と人の手を移植すること。少しだけ似ている。
主人公の左手のドナーがまだ生きていることが、侵攻されて相手国に従属する形になっても、国民は生きていくのだと叫ばれているような気持ちになった。
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左手を医療過誤で失い、他人の手を移植した男・アサト。自分の腕と移植された他人の手との境目を国境に喩え、腕と手の攻防を国境をめぐる国と国との紛争になぞらえて描かれる作品。
国土に国境を持たない日本で生まれたアサトと、国土の一部を奪われ、常に国境を意識せざるを得ないハンガリー人の医師の思考の違いが面白い。
「陸つづきの国境を持たない彼らにとって、他国の宗教や文化を受け入れることと、他国を受け入れることは常に別個なのだ。
日本というのは実のところ、どの国よりも何も受け入れてこなかった国なのかもしれない」
このくだりには納得。
あまりにも文学的すぎてウクライナ周辺で起きている悲惨な現状にもあまり目がいかず、深く心を動かされることもなかったのが残念。
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国境や領土問題をドナーとレシピエントの臓器に例えたのが秀逸
ハンガリー人医師の日本人観には妙に納得させられた
日本人が色んな文化を受け入れられるのは侵略される心配がなかったことの裏返しでもある、と。