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- カテゴリ:一般
- 発売日:2010/08/03
- 出版社: 河出書房新社
- サイズ:20cm/221p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-309-20539-7
紙の本
そしてカバたちはタンクで茹で死に
著者 ジャック・ケルアック (著),ウィリアム・バロウズ (著),山形 浩生 (訳)
一九四四年八月。舞台は第二次世界大戦終結直前の、ニューヨーク。「ビートを生み出した殺人事件」として知られるルシアン・カーとデヴィッド・カラマーの事件を軸に、「作家以前」の...
そしてカバたちはタンクで茹で死に
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商品説明
一九四四年八月。舞台は第二次世界大戦終結直前の、ニューヨーク。「ビートを生み出した殺人事件」として知られるルシアン・カーとデヴィッド・カラマーの事件を軸に、「作家以前」のケルアックとバロウズが、ふたりで章ごとに書きつないだ幻の共作。【「BOOK」データベースの商品解説】
「ビートを生み出した殺人事件」として知られるルシアン・カーとデヴィッド・カラマーの事件を軸に、20世紀アメリカ文学を代表する作家、ケルアックとバロウズが、ふたりで章ごとに書きつないだ幻の共作。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジャック・ケルアック
- 略歴
- 〈ジャック・ケルアック〉1922〜69年。マサチューセッツ州生まれ。小説、映画脚本、詩集など様々なジャンルで活躍。
〈ウィリアム・バロウズ〉1914〜97年。ミズーリ州生まれ。著書に「裸のランチ」など。
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紙の本
虚構が現実を
2017/09/13 05:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際に起きた事件を通して、ビートジェネレーションを代表するふたりの作家の生きざまが伝わってきました。その後のふたりに待ち受ける、残酷な現実が思い浮かんできました。
紙の本
このニル・アドミラリの境地をこそいまいちど目指すべし
2010/06/27 17:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
なにやら奇妙なタイトルに惹かれて読みだしましたら「路上」のジャック・ケルアックと「裸のランチ」のウィリアム・バロウズの、いずれも無名時代の小説だったのでちと驚きました。
この題名は当時どこかの動物園だかサーカスだかが火事で丸やけになって大勢の動物や人間が死んだというラジオのニュースを2人が聴いていたのでつけられたそうですが、命名の理由なぞ聞かないほうがよっぽどシュールで良かったね、というところ。
なぜなら、この素人小説にはそれ以外の取り柄がさっぱりなかったからです。
ではカバ小説の中身といえば、これが1944年8月にニューヨークで起こった殺人事件のてきとーなカバー! 2人が偶数章と奇数章をそれぞれ書きついで完成させたというリレー方式の目新しさをのぞけば、特にどうということもない面白くもおかしくもない三文小説でした。
たまたまその年の夏、ルシアン・カーという少年が彼につきまとうデヴィッド・カラマーという年上の男をナイフで刺し、意識不明のカラマーをハドソン川に投げ落として殺害したそうですが、この2人はケルアックやバロウズやアレン・ギンズバーグなど後にビート世代を代表する文学者や詩人たちの知り合いでした。
彼らは殺害直後のカーに対して自首を勧めるどころか殺人の感想を聞いたり、逃亡の相談に乗ったりしたのでケルアックなどは牢屋にぶち込まれたり、後年になってこのカー・カマラー事件の顛末を何度も小説化していますし、バロウズなどはこの事件を参考?にして細君を銃殺しているくらいですから、若い彼らにとってはそうとうショックな事件だったとは思うのですが、読まされる方にとっては面白くもおかしくもない話だねえ、という一点に帰着するわけです。
しかしながらいまや現代小説の肝が、あらすじの面白さや主題の積極性ではなく、読み進むに従って読者の胸中に生じる不断の生命の躍動(エランヴィタール)そのものにあるとすれば、この元祖ビート小説の最大の特徴は、その生命の躍動を一歩も二歩も進めた無窮の生命の非躍動(ニル・アドミラリ)にこそあるのでしょう。
それゆえ平成最晩期に生きるサイバーパンクな作家たちは、このニル・アドミラリの境地をこそいまいちど目指すべきではないでしょうかなう。
♪カバたちがタンクで茹で死ぬ季節こそニル・アドミラリの境地を目指さむ 茫洋